すでに繰り返し伝えられている通り、Windows XPが日本時間の4月9日にサポート終了を迎えます。しかし「まだ十分に動いているし、慣れているXPを使い続けたい。なぜ新しいOSに乗り換える必要があるのか」と思っている人もいるのではないでしょうか。
XPのサポート終了に関して、一部の穿った見方をする人の中には「マイクロソフトとPCメーカーが仕掛けた新しいPCの販促キャンペーン」という声もありますが、大きな間違いです。サポート終了後にXPパソコンを使い続けるのはリスクが高いことなのです。
発売から12年が経過しているXP
今回終了するのは「延長サポート」のほう
マイクロソフトの製品サポートには、「メインストリームサポート」と「延長サポート」の2種類のサポートが各最低5年間ずつ用意されています。メインストリームサポート期間中は全面的なサポート体制で、セキュリティ以外にも新機能の更新など、あらゆる面からのサポートが約束されます。それを過ぎると延長サポートへと移行します。この延長サポート期間にも無償サポートとして、「セキュリティ更新プログラム」の提供は継続されています。今回、XPのサポートが終了するのは、この「延長サポート」のほうです。
いくらXPが普及しているからといって、マイクロソフトは公的機関ではなく民間企業であり、OSは製品です。古い製品に関して、永久にメーカーが無償サポートを続けていては、ビジネスとして成り立たないことはわかるでしょう。これまでマイクロソフトは12年間もサポートを続けてきたのです。
マイクロソフトの製品サポートは、メインストリーム5年、延長サポート5年であわせて10年間が基本スパン。XPとビスタはすでにメインストリームサポートは終了しており、延長サポート期間に入っている。 |
XPパソコンを使い続けると
サイバー攻撃を受けるリスクが増大
マイクロソフトの延長サポートが終了しても、すぐにXPパソコンが使えなくなるわけではありません。しかし、セキュリティ更新プログラムの提供が行なわれないということは、悪意のある人がサイバー攻撃を企てたとき、防ぐ手立てがないということです。
セキュリティ更新プログラムは、OSに空いている穴をふさぐ役目を担っています。セキュリティーの抜け道を狙って、悪意のある人がサイバー攻撃を仕掛けてきたことがわかると、すぐにマイクロソフトがその抜け道をふさぎます。そうすると、悪意のある人はさらに新たな抜け道を探して……このイタチごっこが延々と続いてきたわけです。サポートが終了するということは、抜け道をふさぐ人がいなくなり、OSに穴が空いたままになるということです。
外部メーカーのセキュリティソフトは、マルウェアやコンピューターウイルスを見つけ出すことはできますが、そのチェックの目をかいくぐられたときに侵入を防ぐ手立てはありません。
現在のサイバー攻撃は金銭目的が9割を超えているといわれています。個人を標的とする場合は、偽サイトで個人情報を詐取してオンラインバンキングから不正送金をするといったケースが、2013年には14億円にのぼっています。
今回のXPサポート終了に際して、XPパソコンから新しいパソコンへの移行方法を解説した本が発売されています。『アスキーパソコン倶楽部 XPからの乗り換え最終便! パソコンの引っ越し完全ガイド』(関連サイト:Amazon)です。XPパソコンの中のメールやアドレス帳、写真、お気に入りなどの個人データを新しいパソコンに移しましょう。さらに、最新のWindows 8.1パソコンやOffice 2013の使い方も紹介していますので、新しい8.1パソコンに乗り換えても安心して使い始められます。
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