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イマドキの女子高生たちはメカトロニクスを操る ロボペンギン試験航行に潜入:動画追加

2014年03月19日 08時00分更新

 東京工業大学附属科学技術高校(東工大附属高校)システムデザイン・ロボット分野(機械科)の課題研究として、5人のチーム『TRYBOTS(トライボッツ)』が作ったペンギン型のロボット『もるペン!』をすみだ水族館のペンギンプールにて動作実験されました。

 追記:動画を追加しました。まずは実際に動いている様子をご覧ください。

もるペン!
もるペン!

 メンバーが手にしているのが、今回実験されるペンギン型ロボット『もるペン!』。大きさが普通のペンギンに比べて1.3倍くらい大きく作られています。重さは4キロ前後とのこと(組み立てにはだいたい10分~20分かかりました)。

 まず、このペンギンロボットについてメンバーの近藤那央さんにいくつかお話を聞きました。

――どうしてペンギンのロボットを作ろうと思ったんですか?

近藤那央さん(以下、近藤さん):「実は年間パスポートを持ってるくらい、すみだ水族館がすごく好きでその中でもペンギンの動きっていうのがすごく興味深かったんです。どうしてフリッパー(翼)があんなに小さいのにパタパタする上下運動だけであんなに水中を動けるんだろうって不思議で、作ったら何かわかるかもしれないって思ったんです」

――ペンギンを作っていくうえでイチバン苦労した点はどこですか?

近藤さん:「技術的な部分ではやっぱりフリッパー(翼)です。ボディーの部分では防水ですね。初めての試みでした」

――ペンギンのフリッパー(翼)は長さとか、やわらかさを再現するのは難しそうに感じましたがいかがでしたか?

近藤さん:「生物のさわり心地や質感などバランスを整えることを重視しました。ペンギンのフリッパー(翼)を実際に曲げたり図ったり、色々触らせてもらってより実物に近いものを作ろうと思いました」

――フリッパー(翼)の素材はでできているんですか?

近藤さん:「3層構造になっていて、まずポリプロピレンで写真の型をレーザーカッターで切りました。次にペンギンの骨がある部分に0.2ミリくらいの薄い鉄板を骨の形にしてはさみこみました」

――フリッパーとか、内部構造が重たい気がするんですが沈んだりしないんですか?

近藤さん:「実は逆に浮いてしまうことが問題なんです。中身の機構部分や電気系統などがタッパーの中に空気といっしょに入っているので、それが浮き袋代わりになってしまうんです。なので重りを1キロくらい積んでるんです。将来的にはもぐらせたいと思っているので、そうするともっと重りが必要です」

――フリッパー(翼)自体は上下運動だけですか?

近藤さん:「そうです。単純な上下運動だけなんです。このフリッパー(翼)のしなりで、ねじれて、その動きによって勝手に水をかいてくれてうまく進んでくれます。形と硬さが重要で、硬さは下敷き2枚分くらいの硬さで結構やわらかいんです。これは触らないとわからなかったです」

――3Dプリンターも使ったとお聞きしましたが、どの部分で使ったんですか?

近藤さん:「モーターを止める台を作りました。実は構造上段差や隙間があったのと、力がかかって回る部分なのでぴったりと固定しなければいけない場所でした。でも、きちんと止めるものもないので、作ろう!という結論に達し、そこで3Dプリンターの出番でしたね」

――3Dプリンターはもともとよく使っていたんですか?

近藤さん:「3Dプリンターはもともと学校にあって、いままでも無い部品などは3Dプリンターで作っていたので」

――今後はこのペンギンロボットどういうふうにしていきたいですか?

近藤さん:「もっと小型化して、もぐれるようになりたいですね。機会があればすみだ水族館で販売もしてみたいです。ペンギンって見れば見るほど“かわいい”というのがなくなって“リスペクト”になってくるんですよ。なんであんな美しい曲線なんだろうとか、なんでこんなに泳げるんだろうとか……。ペンギン自体、生物学的には調べられているんですが、例えば私たちのような工学的な部分などではまだまだ調べられていないんです。ロボットもほとんど作られていないので、もっとペンギンと泳がしてペンギンの反応や海水プールでの運用などを探っていきたいです」 

 実際に運用テストの前に、まずは水槽で動かせてみることに。

もるペン!

 リモコンを使いフリッパー(翼)を動かして動作確認。海水と水道水の違いで動きも変わるらしく、海水のほうがうまく動く予定とのことでした。

もるペン!

 ちなみにこの水槽、バックヤードのペンギンのお部屋にあります。ペンギンたちが興味津々で実験を見つめていました。

もるペン!

 いざ、実際のペンギンプールでの試験航行の瞬間です。実際のペンギンプールはこんな感じです。

もるペン!
もるペン!
もるペン!

 最初こそペンギンたちが逃げて行ってしまいましたが、『もるぺん!』に近づいてくるペンギンも出て来ました。

 正直最初見るまでは、イメージがつかなかったんですが、実際に動いているのをみるとペンギンと変わらないくらいスムーズに泳いでくれて、私自身感動しました。もっとスムーズな動き、潜水などの改良されるとのことなのでとても楽しみです。

もるペン!

 最後にみんなで、成功の記念撮影。

 今後の進化に期待したいです。そして、『もるペン!』の実際に動いた動画などは随時アップしていきますのでお楽しみに!

●関連サイト
『TRYBOTS(トライボッツ)』フェイスブックページ

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