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性能と信頼のサンディスクにUHS-II対応SDカードについて語ってもらった

2014年03月04日 10時00分更新

 CP+ではデジタルカメラやレンズの新製品に加え、新世代の記録メディアも多数発表された。なかでも注目はサンディスクが発表した『サンディスク エクストリーム プロ SDHC/SDXC UHS-IIカード』だ。

 この製品は“UHS-II”に対応し、読み込みが最大毎秒280MB、書き込みが最大毎秒250MBと、SDカードとしては世界最高速度を実現。また、UHSスピードクラス3に対応し、最低書き込み速度は毎秒30MBと、4Kビデオなどの大容量動画も確実に記録できるとしている。今回、この新製品の特徴などについて、サンディスクのリテール製品マーケティングディレクター、Susan Park氏に話を聞くことができた。

サンディスク エクストリーム プロ SDXC/SDHC UHS-IIカード
↑サンディスクのリテール製品マーケティングディレクター、Susan Park氏。

●まず、今回発表された製品の特徴を教えてください。

Susan Park氏「最大の特徴は、なんといっても速度です。UHS-I対応の従来モデルは、読み込み速度が最大95MB/秒だったのに対して、今回発表した新モデルは読み込み速度が毎秒280MBと約3倍に向上しています。書き込み速度も毎秒250MBと非常に高速ですので、RAWとJPEGの同時撮影を行なう場合でも、超高解像度で高速な連写が可能となります。また、動画撮影、特に4Kビデオのような高解像度の動画撮影では、一定の書き込み速度が要求されます。このカードでは、最低毎秒30MBのコンスタントな書き込み速度を保証していますので、4K動画の撮影にも余裕で対応できます。そして、保存されたデータの転送も高速に行なえます。読み込み速度が従来の3倍に高速化されてますので、PCなどへのデータの取り込みも従来より約3倍高速となります。これによって、データの転送もスピーディーに行なえることになります」

サンディスク エクストリーム プロ SDXC/SDHC UHS-IIカード
↑UHS-II対応でSDカードとして世界最高速度を実現する『サンディスク エクストリーム プロ SDHC/SDXC UHS-IIカード』。16GB、32GB、64GBの3モデルが用意される。
サンディスク エクストリーム プロ SDXC/SDHC UHS-IIカード
↑USB3.0接続のUHS-II対応SDカードリーダーライター『サンディスク エクストリーム プロ UHS-II リーダー/ライター』を利用すれば、撮影データを高速にPCへ転送できる。

●まだUHS-II対応機器は非常に少ないのですが、そういった中でUHS-II対応製品を発表したのはどういった狙いがあるのでしょうか。

Susan Park氏「これは、鶏と卵どちらが先か、という議論と同じです。対応カードが存在すれば、カメラメーカーも最新のテクノロジーを採用した製品の開発を進めるための動機付けになるはずです。今は確かに対応機器は少ないですが、今回の発表が需要喚起につながると思っています」

●今回、UHS-II対応によって転送速度が大きく向上しました。これまでは、速度ではCFにアドバンテージがありましたが、今後はUHS-II対応の高速なSDカードの登場で、ハイエンドカメラでもCFではなくSDカードの採用が進んでいくと思われますか?

Susan Park氏「今回の製品では毎秒280MBの高速な転送速度を実現しましたので、市場のCFと比べても高速だと思っていますし、競争力があると思います。ただ、プロ向けの製品では、毎秒300~400MBというように、より高速な速度が要求される場合もあります。そういったニーズに対応するためにCFast対応製品も投入しています。ですので、様々な選択肢の中で最適なものが採用されていくことになると思います」

●UHS-IIでは接続端子が増えていますが、従来との互換性も確保されていますので、UHS-II非対応の機器でも利用できると思います。そういったUHS-II非対応機器で今回の製品を利用した場合の利点はどういったものがありますか。

Susan Park氏「PCなどへの転送速度が速いという点が大きな利点ですね。データの取り込みが高速に行なえるという点は大きな利点になると思います。カメラ内部での転送速度は、カメラ側の仕様によって決まりますので、今回の製品を利用したからといって、より高速な連写が可能になるというようなことはないでしょう。ただ、後方互換性を確保していますので、製品を問わず利用できるという点も大きな利点と考えています」

サンディスク エクストリーム プロ SDXC/SDHC UHS-IIカード
↑UHS-IIでは、従来の端子の下側に6個の新たな端子が設けられる。従来との互換性も確保され、UHS-II非対応の製品でも問題なく利用できる。

●容量が16GB、32GB、64GBと3種類となっていますが、4Kビデオの撮影などを考慮すると、より大容量のモデルがあってもいいと思います。このあたり、より大容量なモデルの投入などはありますか?

Susan Park氏「過去の製品の進化を見ていただいてもおわかりだと思いますが、我々は年々速度や容量を進化させてきています。今後の製品展開については、今回はお話しできませんが、当然市場の需要などを見極め、適切な容量を適切なタイミングで展開して行きたいと考えています」

●今回の新製品は最上位モデルのエクストリーム プロシリーズですが、それ以外の下位シリーズでも、今後UHS-IIへの対応を進めていく予定でしょうか。

Susan Park氏「それについては、今後カメラメーカーがどういったレベルの製品をUHS-IIに対応させていくかという部分がカギになります。UHS-Iの場合でも、当初はハイエンドのデジタル一眼レフなどから採用が始まりましたが、現在ではローエンドの製品でもサポートされていますので、UHS-II対応についても同様に、カメラなどの機器での対応状況を見て判断することになります。UHS-IIは、現在はハイエンドの製品での対応となっていますが、今後どういった製品でUHS-IIが対応していくのかという点は、我々も大きな関心を持って見ています」

●ところで、UHS-II対応のSDカードは、ひと足早く東芝が昨年発売していますが、そちらとの違いはありますか?

Susan Park氏「東芝の製品はUHSスピードクラス1の対応ですので、我々の製品のほうが高速です。また、ブランド力も我々のほうが強いと自負しています。そういった意味で、我々の製品は大きな魅力を備えていると考えています」

●サンディスクの製品では東芝と協業し、東芝製のNANDフラッシュメモリーを採用していますが、東芝の製品との違いはどういった部分にありますか。また、サンディスクの従来モデルとの違いはどういった部分でしょうか。

Susan Park氏「まず、コントローラーは我々の自社開発のものを採用していますので、その部分が大きく異なります。NANDフラッシュメモリーの製造については、確かに東芝と協業しています。しかし、製品によって最適化を施していますので、全く同じものが搭載されているとは言えないと思います。従来モデルとの細かな違いについては言及できませんが、当然テクノロジーとしての進化がなければ高速化はできません。NANDフラッシュメモリーのサプライヤーは限られますが、NANDフラッシュメモリーをベースとしたメモリーカードなどに製品化したときのクオリティーは千差万別です。当然、従来モデルとはコントローラーも異なりますし、総合的に進化していると言えます」

●SDカードがこれだけ高速になると、PCのストレージを増量する用途としても魅力があると思いますが、そうなるとPCのSDカードスロットでもUHS-IIへの対応が必要になります。ただ、PCのSDカードスロットはUHS-Iへの対応もなかなか進んでいません。PCでUHS-IIの速度を引き出すには、今回同時に発表されたUHS-II対応のUSBリーダーを利用するしかありませんので、内蔵ストレージ増量という用途での利用はかなり難しいと思われます。こういった状況についてどのようにお考えでしょうか。

Susan Park氏「ウルトラブックなど、内蔵ストレージ容量が限られているものでは、SDカードはストレージを強化する手段として大きな魅力があると思います。そういった意味で、PCでも高速化への対応を進めていってもらいたいと思っています。ですので、各種の啓蒙活動を通じて、PCメーカーへも働きかけを強めていきたいと考えています」

サンディスク エクストリーム プロ SDXC/SDHC UHS-IIカード
↑USB接続のリーダーライターではPCの増設ストレージとしては使いづらいので、PC内蔵SDカードスロットのUHS-II対応が求められる。

●最後に、日本のユーザーへのメッセージをお願いします。

Susan Park氏「今回の新製品のような、高性能な製品を提供することによって、カメラメーカーも高速な連写を実現するなど、新機能を搭載していくキーになると思っています。そして、そういった新機能をユーザーのみなさんに活用してもらいたいというのが、私たちの考えです。我々サンディスクは、性能や信頼性という点で、ユーザーのみなさんに確固たるお約束をしています。今後も、皆さまに信頼される製品を提供していきたいと思っています」

 ちなみに、『サンディスク エクストリーム プロ SDHC/SDXC UHS-IIカード』の価格は、64GBが6万5000円前後、32GBが3万6000円前後、16GBが1万8500円前後と高価だ。しかし、4Kビデオなどの高ビットレート録画といった、高速な書き込みが必要な製品が増えれば、徐々に安価になっていくだろう。サンディスクはMWC2014では世界最大容量となる128GB Class10のmicroSDXCカードも発表(関連記事)、スマホやタブレットの大容量化にも意欲的だ。

■関連サイト
サンディスク製品情報

(2014年3月4日21時56分追記)記事初出時、誤字がありました。お詫びして訂正します。

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