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道行く人と気軽に共闘 『The Elder Scrolls Online』を体験

2014年02月08日 13時00分更新

 既報通り(関連ページ)、ベセスダ・ソフトワークスから4月4日に日本でも発売が予定されている『The Elder Scrolls Online(以下、ESO)』。同シリーズは全世界でカルト的な人気を誇るファンタジーRPG『The Elder Scrolls(以下、TES)』の世界観を元にしたシリーズ初のオンラインRPGだ。今回、メディア関係者に向けて先行公開されたバージョンを遊ぶことができたので、ファーストインプレッションをお届けしよう。

『The Elder Scrolls Online 英語版』
日本国内版情報(関連サイト)
実売価格 5980円(税抜) (4月4日発売予定)

『The Elder Scrolls Online 英語版』ベータテストプレイレビュー

↑『The Elder Scrolls』の世界がMMORPGに!

 TESシリーズは神々と多彩な種族が織りなす重厚な歴史を描く骨太のファンタジーで、最近の作でいうと異世界の扉を巡る騒動を描いた『The Elder Scrolls IV: Oblivion』や、龍の血族による冒険譚を描いた『The Elder Scrolls V: Skyrim』が有名。日本でもヒットしたため耳にしたことがある人も多いだろう。

 しかしそれらで描かれたのは、広大なTESワールドを構成する“タムリエル大陸”のほんの一部だ。それがこのESOでは大陸全土をゲームフィールド化した。数千人のプレイヤーが一同に集まっての協力プレイや大規模戦闘(RvR)を楽しめるMMORPGとなり、PCとMAC、PS4、Xbox Oneで遊べるようになるということで、ファンの期待度はうなぎのぼりだ。

『The Elder Scrolls Online 英語版』ベータテストプレイレビュー

↑TESはハードファンタジーな世界。古の預言書、“星霜の書”に予言された歴史に関与していく。

■定番の牢獄スタートも、なんとここは死の世界?

 今回公開されたのはESOのPvE(AIのモンスターを倒すMMORPGの基本的な要素)を楽しめるバージョンだ。筆者はおよそ十数時間、レベル11近辺までのクエストを堪能できた。

 キャラメイクでは、本作の舞台がTESワールド全体ということで自分の種族を9種類の中から、そして基本職を“ドラゴンナイト”、“ソーサラー”、“ナイトブレード”、“テンプラー”の4種の中から選べる。

『The Elder Scrolls Online 英語版』ベータテストプレイレビュー

↑種族・職業を選んだら体格や顔つき、髪型などをいじってゲームスタート。

 Skyrimをやりこんだ筆者としてはモチロン、北方の偉大なる種族“ノルド”を選択。ノルド男児なら職業は戦士系のドラゴンナイトだ!というわけで超ありがちキャラでスタート。

 さて、TESシリーズは毎作、主人公が牢獄に捕らえられているシーンから話が始まっていたのだが、本作でもキャラメイクを終えると、そこは薄暗い牢獄。もはや安心感すら覚える定番のスタートだが、なんとここは死の世界。

 ESOの舞台は、The Elder Scrolls=“星霜の書”に記された長大な歴史の第二期にあたる。Skyrimの1000年くらい前のお話だ。邪神モラグ・バルはタムリエル大陸より膨大な人々の魂を捕らえ、邪悪な事業のための労働力としていた。その事業とは、彼の庭である異世界コールドハーバーから巨大な“アンカー(錨)”をタムリエルに伸ばし、現世を異世界に取り込んでいくこと。プレイヤーの分身となる主人公は、ほかの大勢と同じように、モラグ・バルに捕らえられた魂のうちのひとつだった、というわけ。

『The Elder Scrolls Online 英語版』ベータテストプレイレビュー

↑やっぱり牢獄からのスタート。とりあえず、ここを脱出する方法は?!

 そんな事情を教えてくれるのは、しょっぱなにホログラム的な姿で現れる謎のおじいさん“プロフェット”と、脱獄中の主人公を助けてくれる大柄な女戦士“リリス・タイタンボーン”。強い魂をもつとプロフェットに認められたプレイヤーは、彼と彼女の導きによってこの異世界を脱出、再び現世に肉の体をもって生まれることになるのだ。

 この序盤の展開は本作のチュートリアル的な要素になっていて、戦闘とキャラビルドの基本中の基本を無理なく学べる。ちょっとしたボス戦も用意されているがキツイ部分はプロフェットが助けてくれるので、突破そのものはカンタンだ。しかしプロフェットの身代わりとして、リリスはコールドハーバーに居残るハメになってしまう。この状況を何とかするのが、ここから先しばらくのメインシナリオだ。

 ……目が覚めるとそこは、スカイリム地方のある小島、ブラックロック島。スカイリムを含むタムリエル大陸の北方はEbonheart Pact勢力に属しており、ちょうどこの頃、西方のDaggerfall Covenant勢力による総攻撃にさらされようとしている。

 プレイヤーはそんな状況に巻き込まれつつ、ブラックロックなどでスカイリム風情を堪能し、次いで海を渡りモロウィンド地方で本格的な冒険を繰り広げていくという流れになる。各地方で全く異なる景観が広がるタムリエル大陸をいちどに楽しめてしまうのは、本当に贅沢!

『The Elder Scrolls Online 英語版』ベータテストプレイレビュー

↑目が覚めるとそこはスカイリム……。ちょっとしたデジャブに感動しつつ、初めての冒険に出発。

■通りすがりのプレイヤーと気軽に共闘できるシステム

 さて肝心のゲームシステムについて見てみよう。探索や冒険の大きな流れとしては、NPCとの会話で得られるクエストを順次すすめていくという、MMORPGの王道を踏襲するスタイルだ。ブラックロック島に入ってからはメインクエストのほかに沢山のサブクエストも用意されていて、丁寧に全部プレイしていると広大な島全体をだいたい踏破してしまうほど。

 クエストの中にはかなりキツ目のボス戦もあり、ソロプレイではどうやっても勝てない!ということもある。そんなときは近くにほかのプレイヤーがいないか見てみよう。本作のメインフィールドは全プレイヤーが共有する典型的なMMO空間になっていて、パーティーを組まなくてもモンスター相手に共闘することが可能だ。ただ、宝箱やアイテムドロップはひとりひとり個別に得られるようになっており、奪い合いには発展しないのでご安心を。

 もちろん、パーティー単位で挑戦できるインスタンス制のダンジョンも存在するが、序盤は行きずりのプレイヤーと成り行きで同じボスキャラをぶん殴る程度の、ゆる~い連携がむしろ気楽でいい。会話の必要すらなく、なんとなく目と目で通じ合う(そして同じ敵を殴りだす)、用が済んだら別々の方向に走り去る程度の協力プレイ。固定パーティーを組んで、タンクやDPS(ダメージ源)などの役割を決めて、緻密な連携で強大なモンスターを何とかする……みたいなのはもっと先の話だと思う、多分。

『The Elder Scrolls Online 英語版』ベータテストプレイレビュー

↑偶然同じ場所にいた名も知らぬプレイヤーと一言も言葉をかわさぬまま中ボス的キャラをフルボッコに。

 戦闘そのものはまさにTESスタイルだ。マウスの左クリックで攻撃、右クリックで防御という操作が基本で、敵の攻撃方向から身をかわしたり、タイミング良くガードすることで攻撃のチャンスを得られるなどアクション性が高い。これに加えて5つのスキルスロットに覚えたスキルを割り当てて1~5のボタンで発動するというスキームだ。

 マウス左ボタンを長押しするとチャージ攻撃が発動し、タメの時間が必要な代わりに1発が重い攻撃を繰り出せる。これは敵も同じことをやってくるのだが、攻撃判定が出る前にじゃっかん予備動作があるため、集中していればしっかりガードできる。チャージ攻撃をガードされるとよろめいてしばらくスキができるので、すかさずカウンターでチャージ攻撃を食らわせればダウンを奪え、さらに数発の追い打ちが可能だ。

 このほか、敵もスキル攻撃を使ってくるのだが、これも予備動作がある。そのあいだに素早くマウスボタン両押しによるバッシュ攻撃を食らわせば、スキル発動が妨害された上に、しばらく行動不能状態となり、これも反撃に利用できる。

『The Elder Scrolls Online 英語版』ベータテストプレイレビュー

↑戦闘では、敵の予備動作をよく見て、適切なカウンターアクションを取ることが重要。

 本作の戦闘ではこのように、敵のモーションに応じてガード/バッシュを適切に選択し、反撃機会を作ることが重要だ。逆にいうと単にクリック連打で殴りまくるだけでは簡単に相手の大技を喰らい、どんどんダメージを受けてしまう。そうすると格下の敵にも殺られかねないバランスとなっているため、すべての戦闘で気が抜けなく面白い。このあたり、まさに『TES』らしいゲームバランスだ。

 王道系MMORPGとしては必須のクラフト要素もTESスタイル。プレイヤーは街の商店街などにある施設を使って鍛冶、縫製、調薬、エンチャントなどを行ない、自分の装備を製作・強化できる。

 その仕組みはSkyrimあたりによく似ていて扱いはシンプルだが、基本素材にプラスアルファとしてレアな特殊素材を加えることで、より有利な特性をもった装備をつくれたりするあたりが本作における拡張ポイント。例えば武器類の強化には“ドワーフのオイル”というアイテムが必要だが、レベル10時点の筆者はまだ見たことがない。特に上位のレア素材は将来、プレイヤー間で高値で取引されることになりそう。

『The Elder Scrolls Online 英語版』ベータテストプレイレビュー

↑足りない装備部位は基本的に自作。要らない装備を分解して素材化することもできる。

■英語力は必要だが、膨大なクエストと演出で『TES』ワールドを堪能

 こうしてノルド戦士としてのキャリアをスタートした筆者だが、最初の数時間のうちにはモラグ・バルの住処である異世界、スカイリムの一地方であるブラックロック島、そしてモロウィンドの一地方へと旅路を進めていくことができた。

 次々に現われる全く違った景色はTESワールドならではの旅情を誘って楽しげだが、その中で用意されたクエストも、タムリエルに息づく神々のいたずらや、各種族の個性溢れる生活様式や振る舞いが随所に込められていて、“星霜の書”に記された奥深い世界観の中にグイグイと没入させてくれる。

 オブリビオンゲートを通じて異世界を探検するイベントも序盤から豊富で、出し惜しみなくTESワールドを堪能させてくれる印象だ。

『The Elder Scrolls Online 英語版』ベータテストプレイレビュー

↑タムリエル大陸は地方毎に全く異なる文化圏が構成されていて、冒険が進むほどに様々な風景を楽しめる

 惜しむらくは、その世界を語る会話ダイアログやたくさんの寸劇が、すべて英語であること。正直なところ英語をカタコトレベルでしか把握していない筆者のようなプレイヤーにとっては、直面するイベントを丁寧にひとつひとつ紐解いていくのはややつらい。この世界特有の表現や、独特な言い回しも多い。このあたりは日本で販売するベセスダ・ソフトワークスのサポートに期待したいところだ。

 とはいえ、英語がある程度理解できていればクエストの進行に支障はないし、スカイリムやモロウィンドの風景を楽しみ、各地方独特の種族やモンスターたちと戯れているだけでも、シリーズのファンにとっては感涙モノ。やがては帝国中心部のシロディールや、その他、これまでのTESシリーズで描かれてこなかった広大な世界が待ち受けているかと思うと、本作を本格的にプレイするのが実に楽しみだ。

『The Elder Scrolls Online 英語版』ベータテストプレイレビュー

↑時折挿入されるイベントシーンの寸劇は字幕がないため、英語力が高くないと完全には理解できないだろう。

『The Elder Scrolls Online 英語版』
―30日間ゲームプレイコード付き―
予約特典:5日間のアーリーアクセスとExplorer's Pack
●日本国内版情報 http://bethsoft.com/ja/games/the_elder_scrolls_online
●公式サイト http://www.elderscrollsonline.com
●販売 ベセスダ・ソフトワークス
●開発 Zenimax Online Studios
実売価格 5980円(税抜) (4月4日発売予定)

対応機種 : PC/Mac
対応言語 : 音声、字幕ともに英語
同梱内容 :日本語ミニマニュアル、Registration Code (30日間ゲームプレイ付きアクティベーションコード)

必要環境
●PCシステム要件
・必要システム
OS: Windows XP 32-bit
CPU: Dual Core 2.0GHz同等
メモリー: 2GB
HDD: 空き容量60GB
ビデオカード: DirectX 9.0対応512MB RAM搭載(NVIDIA GeForce 8800、ATI Radeon 2600同等以上)
サウンドカード:DirectX互換
インターネット: ブロードバンド接続

・推奨システム
OS: Windows Vista/Windows 7/Windows 8 64-bit
CPU: Quad Core 2.3GHz同等
メモリー: 4GB
ビデオカード: Direct X 11対応2GB RAM(NVIDIA GeForce 560 Ti、ATI Radeon 6950同等以上)

●MACシステム要件
・必要システム
OS: Mac OS X 10.7.0以降
CPU: Intel Core2 Duo
メモリー: 4GB
HDD: 空き容量60GB
ビデオカード: Intel HD Graphics4000、NVIDIA GeForce GT 330M、ATI Radeon HD 6490M同等以上、ディスプレイ解像度1024×768以上
インターネット: ブロードバンド接続

・推奨システム
CPU: Intel i5
ビデオカード: NVIDIA GeForce GT 650M、ATI Radeon HD 5770同等以上

© 2014 ZeniMax Media Inc. The Elder Scrolls® Online developed by ZeniMax Online Studios LLC, a ZeniMax Media company. ZeniMax, The Elder Scrolls, Bethesda, Bethesda Softworks and related logos are regi

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