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CES2014で見つけた次に来そうなガジェットまとめ

2014年01月15日 12時00分更新

 今年も様々な新製品が発表されたCES2014。大手メーカーだけではなくスタートアップ系の企業からも面白い製品が多数展示されていました。その中から気になった製品をご紹介しましょう。

CES2014ガジェットまとめ

↑Displairの『空中モニター』、実用性は近い。

 空中に煙幕を張りそこにディスプレイ出力を投影させるというロシアのDisplair。写真に見える下の白い装置から煙を上に放出し、背面側にはPCに接続されたプロジェクターが設置されています。同社は昨年のCES2013にも出展していたのですが、表示というとおぼろげながら何かが写っているなんて状態でした。ですが今年はご覧のように大きめのアイコンとその下の文字が読めるまで製品が完成されつつあります。

CES2014ガジェットまとめ

↑空中に文字が書けるぞ!

 空中にあるペイントソフトのアイコンを指先で突き、さらにブラシを突いて指先を動かすと空中に字が書けました!これくらいのことが出来ればトイ的な製品としてはすでに十分なクオリティーかもしれません。中国のメーカーと製品化を進める動きが始まっているようで、より精細な表示ができる製品が来年のCES2015に出展されているでしょうね。期待したいです。

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↑歯みがきもスマホで管理する時代が来た。

 Kolibreeの電動歯ブラシは、歯ブラシを口の中でそれぞれの歯にどのように当てたのかをモーションセンサーを使って記録。ワイヤレス充電可能なドッキングステーション経由でスマートフォンアプリにそのブラッシングデータを送信できます。アプリではどの歯がうまく磨けていないかをグラフで視覚的に見ることが出来るわけです。敵を倒しながら正しい歯磨きを覚えていくようなアプリも将来は投入したいとのことで、これからは歯磨きするたびにスマートフォンを起動するのが楽しくなりそうです。

CES2014ガジェットまとめ

↑家の中での“動き”を見ることができる『マザー』。

 Kolibreeの製品のように“インターネットにつながるもの”すなわちIoT(Internet of Things)関連の製品がCES2014では増えていました。しかも“いかにもハイテク、最新機器”なんて外見ではなくインテリアとしても通用するなデザインのものが多かったのも特徴です。Sen.seの「マザー(Mother)」もそんなIoT製品。Mother本体はインターネットへ有線で接続。一方『クッキー』と呼ばれる小さいチップにはモーションセンサーが内蔵。マザーができることは“クッキーが動いたら、それを専用のスマートフォンアプリに通知する”というもの。

CES2014ガジェットまとめ

↑この『クッキー』をバンドなどであらゆるものに固定。

 利用例では、子供のカバンにクッキーをつけておき、帰宅すると居間に置いてあるマザーが感知してスマートフォンに通達。あるいはおばあちゃんのピルケースにクッキーをつけておき、薬を飲んだら(ピルケースを動かしたら)同様にスマートフォンに通達など、クッキーが動くとそれを瞬時に知ることができるデモがされていました。ということは、例えば玄関の新聞受けにつけておけば新聞が入れば通知、窓の風鈴につけておけば風が強くなれば通知、猫の首輪につけておけば夜中だろうが自宅に戻れば通知、冷蔵庫のドアにつけておけば誰かがあければ通知など、様々な応用方法がありそうです。マザー本体は複数のクッキーを識別できるので、家じゅうにクッキーをつけまくればあらゆる動きを認知できるようになります。

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↑タイのスマートウォッチはデザインに注力。

 マザーはこれまでにないタイプの製品のため、どうやって使うか最初は迷ってしまいそうですね。ということでもっとわかりやすい製品をご紹介しましょう。CES2014にはスマートウォッチゾーンが新設されたほどあちこちでスマートウォッチを見かけたのですが、タイのWellographの製品は素材にもこだわっています。

CES2014ガジェットまとめ

↑高級素材を作った“本物”の質感。

 本体はアルミの削り出し、ディスプレイはサファイアグラスなので傷もつかず、そして他の金属パーツはステンレススチールを採用。IT製品であるまえに、時計としてちゃんとしたものを世に送り出したかったそうです。

CES2014ガジェットまとめ

↑メモリ液晶で消費電力を低減。

 このスマートウォッチは心拍計や歩数計を搭載するなどフィットネス用途も考えられているとのこと。運動時にもそのまま腕にはめることを考えると傷のつきにくい素材の採用は必須だったといいます。またディスプレイ表示はシンプルなモノクロ表示。電子ペーパーのように見えますがこれはメモリ液晶を採用しているとのこと。そのため液晶よりも消費電力は少なく、電子ペーパーと異なり暗いところでも表示が見えるそうです。

CES2014ガジェットまとめ

↑巻き取り式充電台もあるワイヤレス給電。

 電磁波を一切出さない独自方式というKirk H&Jのワイヤレス給電『iNPOFi』は、Qiとは異なり1社だけで各社のスマートフォン用の充電カバーを出すなどがんばっています。製品は昨年から販売されていますが、近いうちにぜひ出したいとサンプルを見せてくれたのが写真にある巻物状のブツ。必要な時だけ引き延ばして利用できる同方式対応の充電台だそうです。持ち運び時に場所もとらないし厚みも薄いとあって、製品化されたらぜひ使ってみたいものです。

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↑指紋認証はもう古い!これからは『耳ロック』だ!

 スマートフォンのロック解除、iPhone5sの指紋認証は便利ですがたまにうまく反応しないこともありますよね。またAndroidのロックパターンもちょっとタイミングが合わないと最初のドットを認識しないなど解除に手間取ってしまうこともあります。いずれも問題なのは“指先”を使うこと。ならば別のものを使っちゃおうということで開発されたのがDescartes Biometricsの『ERGO』です。

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↑耳の設置と腕の動きで認証。

 ERGOはAndroid用のアプリで、すでに発売中とのこと。インストール後はスマートフォンを持って耳にあてると本人認証を登録できます。認証に利用されるデータはディスプレイにタッチされる耳の形状と腕の動き。なので他人のスマートフォンをロック解除しようと思い、その人が寝ているときにこっそりとスマートフォンを耳にあてても「腕の動きが違う」ってことで認証されないんです。これ結構実用性ありそうだと思いませんか?

CES2014ガジェットまとめ

↑王道ともいえるファーウェイのSDカードサイズ端末。

 このようにスタートアップ系の新興企業の様々な製品が出展されたCES2014でしたが、大手メーカーの製品も紹介しておきましょう。筆者が最も気に入ったものといえばファーウェイのSDカード型データ端末『UltraStick』。2013年秋のCEATECで試作品が発表されましたが、CES2014では動作モデルが展示されておりUltraStickに対応したタブレットに入れてデータ通信が行われていました。今回はW-CDMA 3バンド対応のデモ機も展示されていましたが、現状では周波数対応を増やすとサイズがどうしても大きくなってしまうとのことですが、説明員によると「数年以内には完全SDカードサイズのLTE対応版も出したい」とのこと。期待しましょう。

CES2014ガジェットまとめ

↑冷蔵庫の中身がどこからでも見れる。

 最後に紹介するのは中国はチャンホン社のスマート冷蔵庫。扉にはAndroid OS搭載のモニターが内蔵され、庫内の温度管理や入れた食料の入力と管理、さらには冷蔵庫の前でメールを読んだり動画を見たりとAndroid端末として使うこともできます。まぁこの程度のことならばすでにサムスン電子やLGだけじゃなく、中国メーカーからも同様のスマート冷蔵庫が出ています。ところがチャンホンの冷蔵庫には“食品映像”という他社にはない機能が備わっているのです。

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↑冷蔵庫にカメラはこれからのトレンド?

 冷蔵庫のドアを開けると何やら金具のようなものが4箇所についていますが、これらはいずれもカメラ。扉のモニタから“食品映像”アプリを起動すると、扉を開けなくても冷蔵庫の中身をモニタに映し出して見ることができるのです。これで無駄に扉を開けることもなくなり省エネにもつながりますね。しかもスマートフォンと接続して外出先からでも冷蔵庫の中を見れるようにする予定とのこと。スーパーに行って「そういやキャベツって冷蔵庫にあったっけ?」と思ったら、スマートフォンですぐに確認できちゃうわけですね。この機能はぜひ他社も追従してほしいものです。数年後、冷蔵庫のスペックに“庫内カメラ1300万画素x10台”なんて書かれる時代がやってくるかもしれませんよ。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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