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“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014

2014年01月09日 21時40分更新

 今年のLGブースは、事前段階から、とにかく触って話を聞いてみたいプロダクトが2つあった。2013年末に発表された、LINEで会話する家電UI『LG HomeChat』と、開幕前日のプレスカンファレンスで存在が明らかになったwebOS搭載テレビだ。

●LINEで話しかけると家電が答える『LG HomeChat』

“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014

 2013年末に「LINEで操作する家電=HomeChat」の報をきいたとき、ついにここまできたか、という気がした。ユーザー3億人を超え、そのうち8割近くが“日本国外のユーザー”というサービスに成長したLINEは、メッセージングサービスという段階から、どちらかというとインフラに近づいている。全体の2割以下という日本のユーザー数にしたって、アカウント数でカウントすると日本国内のスマホのユーザー数と同じくらいの数字になるくらいだ。
 そこまで普及しているのなら、LINEを使ってスマホをリモコン化してしまおうという発想は納得はいく。

 ブース内では、洗濯機や掃除機ロボ『Homebot』、冷蔵庫などを、設定済みのスマホのLINEから操作するデモが見られた。

 気になっていたのは、

・操作はどの程度の自然言語解析ができるのか
・LINEを家電システム内につなぎこんだとして、製品ごとにLINEアカウントを持つのか

 この2つだった。

 1つめについては、残念ながら現時点では自然言語ではなくコマンド式だった。話しかける家電ごとにサポートするコマンドが用意されていて、たとえば洗濯機に“status”とつぶやくと、洗濯機が自分の状態をスタンプ付きでリポートしてくれる。
 また、Homebotに“charge”とつぶやくと、自動的に充電ステーションに帰って行く、といった具合だ。
 当初のリリースでは“Natural Language Processing”となっていたので、自然言語解析の実装がまだできていないということだろう。

“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
拡大画面で見ると、「status」と話しかけると、洗濯機が「選択中止を実行中です。準備できたらおしえてね(スタンプ)」と答えている。
“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
「Charge」と話しかけると、Homebotが充電ステーションに帰って行く。日本語化するなら「ごはんよ!!」とかだとカワイイかも。

 スマート家電を買った際に、新しくアプリを増やすことなく“家電をLINEの友達リストに追加するだけ”というUIは、本質的にアリだと思う。
 だいたい、指示するのは「オンかオフか」と「いまの状態は」だけわかれば事足りる家電はそもそも多い。

 2つめは、このサービスの完成時には変わるのかもしれないけれど、友達に追加するのはLG HomeChat用の1つのアカウントだけだった。そのアカウントに向かって「Homebot」だとかの操作したい家電の名前をつぶやき、その後にコマンドをつぶやくことで操作する仕組みだ。

 これについては、技術的・規約的問題がないなら、家電ごとに個別アカウントをもたせてほしい。1つのアカウントに集約するとステータスログが洗濯機と家電とで混ざってしまうからだ。とはいえ、現時点ではβ以前のα実装のような段階なので、正式版になったら変わっている可能性は十分にある。

“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
1行目で“Homebot”とつぶやくことで、操作対象を掃除機ロボのHomebotに変更。同時に、Homebotが自分のお掃除モードや充電状態を教えてくれる。この調子で、iOSのSiriくらいの賢さになったら結構楽しそうな気がしますが、いかがでしょう?

●LGはなぜスマートテレビにwebOSを採用したか?

“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
カンファレンスで発表された、新世代のLGテレビのコンテンツパートナー。webOS環境でも、北米市場ではこれがないのはあり得ない『Netflix』のほか『Hulu』や『facebook』などもサポートする。

 1/6、LGのプレスカンファレンスで、本当にwebOSを採用してきたのはちょっとした驚きだった。LGがHPからwebOSの資産を買収したという報道が流れたのは2013年春。個人的には、「本採用は意外と速かった」という印象。今後発売する70%のスマートテレビに積極採用していくというのだから、相当な力を注いだ取り組みといえる。

 LGによれば、webOSに目をつけたのは、スマートテレビをつくるうえで、マルチタスクが快適に動くこと、“オープンプラットフォーム”であることによる開発のしやすさ、サードパーティの参入のしやすさなどがあるとのことだった。

 マルチタスク動作の必要性は、スマートテレビならでは。
 話を聞くまであまり考えたことがなかったけれど、例えばYouTubeを使っている最中に一時停止、テレビを少し見て、またYouTubeに戻って再生開始――という操作をしたとする。
 マルチタスクサポートがしっかりしていないと、YouTubeには戻れても、一時停止が保持されない(または見かけ上保持するために追加の処理が必要になる)。これでは都合が悪いというわけだ。

 サードパーティーの参入といえばアプリプラットフォームだが、現時点ではサードへの公開はしていない。この点についてはしばらく先の話になりそうだった。

 期間中、何度かwebOSを使っているデモンストレーションを見たけれど、このUIはなかなかよくできていた。UIデザインの見た目がダサくないし(重要ですよね)、世代を重ねて進化してきたというLG独自のマジックリモコンの操作感もなかなか優秀。

 webOSベースのおかげか、内蔵のCPUやメモリーが潤沢なのか、ブラウザーはかなり速い。ちなみに週アスPLUSのURLは予測変換込みで手入力したのだけれど、ストレス感は全然なかった。これはマジックリモコンの操作性が良好だということを示している。

“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
初期設定画面。好みはあるでしょうが、シンプルながらかなりスタイリッシュなのがおわかりいただけますか?
“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
webOSテレビのメイン画面。いわゆる、Palm時代のwebOSとはもちろんUIは別モノ。ただし、アプリケーションの構築はHTML5がベースになっているとのこと。
“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
マジックリモコンを操作して、週アスPLUSのURLを入力。残念ながら音声検索は機能しませんでしたが(仕向地ごとに言語DBが違うとのこと)、操作自体ははじめてでも使いにくさはなし。当たり前のことのようで、入力がしやすいとか、ブラウザーが速いとかが意外と難しいのがテレビのブラウザー。

 日本向け製品の担当によれば、まだ投入時期は言えないものの、今後発売される日本版のLGスマートテレビにも順次採用していくという。一般にLGの新製品の投入時期は春から夏あたりなので、その時期にひょっとすると、日本語化されて国内登場ということがあるかもしれない。

●そのほかのブースで気になったモノ

“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
世界初のオールインワンデスクトップ型のChromeOS機『Chromebase』プロトタイプのため、内蔵CPUなどの仕様は非公表。画面は21.5インチのフルHD IPS。価格も未定だが、いつ発売してもおかしくない仕上がりだった。
“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
最近話題を集めたLGスマホといえばこれ、『LG G Flex』。その構成パーツなどを見せている。ディスプレーはこんなに曲がった状態で普通に表示切り替えをしていた。バッテリーはこの曲がった状態のものを専用設計したとのこと。
“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
CES2014では、ライフログ系のウェアラブル機器『Laifeband Touch』も発表していた。これは最近流行のリストバンド型のセンサーで、スマホと連携。心拍数や走る速度、消費カロリーなどを記録できる。
“LINEで話す”家電とwebOS搭載スマートテレビを触ってきた(LG編):CES2014
色々なテレビ製品も発表。これは105インチで21:9の湾曲5Kディスプレー。個人的に湾曲ディスプレー自体にはあまり意義を感じていなかったのだけれど、これだけ幅広いパネルで視野を覆われると、没入感や奥行き感が出ていた。

●関連リンク
LG CES2014特設ページ

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