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同じAtomでも性能が違う?Win8.1タブレットの熱制御の秘密

2013年11月28日 00時10分更新

Intel DPTF

 インテルは、Silvermontを採用したタブレット用の最新Atom Z3000シリーズ(開発コードネーム:Bay Trail-T)についての説明会を行なった。

Intel DPTF

 Atom Z3000シリーズは、エイサーやデル、東芝、レノボといったメーカーがWindows8.1の8インチタブレット、ASUSが10インチ2in1をリリースし、話題を呼んでいる新世代SoCだ。Z3770、Z3770Dといったラインアップがあり、末尾にDが付くモデルはいずれもメモリーがシングルチャンネル動作となる。

Intel DPTF

 22nmプロセス製造技術による微細化で、タブレット用の小さなパッケージでもアウト・オブ・オーダー型の設計が実現でき、処理効率が従来のAtomよりも向上。AES-NIなどの拡張命令が20以上追加。ネットブック世代とは比べ物にならないぐらいの進化を遂げている。と、ここまでは以前より明らかになっている情報だ。

Intel DPTF

 説明会では、新たにAtomの特徴としてIntel Dynamic Platform&Thermal Framework(Intel DPTF)の詳細が明らかになった。DPTFは前世代のAtom(開発コードネーム:Clover Trail)から採用している熱設計に関する技術で、BIOSレベルでタブレット内のプロセッサーや無線モジュール、ディスプレーといった熱源を監視して、動的にパワーを管理する仕組みだ。デバイスマネージャーやタスクマネージャーで、DPTFうんぬんとあれば、有効になっているとのこと。

Intel DPTF

 ファンレスが基本のタブレットでは、SoCのほか、ディスプレーバックライトやボディー表面の温度、バッテリー、無線モジュール(ひんぱんに通信すると発熱)などの発熱源がある。それらの熱の影響を受け、プロセッサーの処理速度が落ちやすい。もちろん各モジュールのレイアウトやボディー素材によっても変わる。それゆえ、同じ型番のAtomを採用しても、おのずとそのタブレット筐体の熱設計マージンが変わり、結果、最大速度で駆動できる時間にも差が出てくる。端的に言ってしまえば、DPTFはそのマージン内で最大パフォーマンスを引き出すための技術だ。

Intel DPTF

 インテルはDPTFをメーカーに提供している。DPTFは30ほどのパラメーターがあり、メーカーは自社のタブレットのどの部分がどの温度に達したら、プロセッサーの処理速度を落とすかなどの細かな設定が可能で、出荷後もBIOSアップデートでDPTFの値は変更できる。つまり、BIOSアップデートで、性能が向上するうんぬんとあれば、DPTFのパラメーターが変更された可能性が高いということだ。

 このため、Atom Z3000シリーズで同じ型番のCPUを搭載していても、製品によって性能がばらばらになっていても、不思議ではない。さらに追求するならば、製品によって最も高速で動く時間が長くなる室温が違う可能性だってある。当初は性能が横並びだと思われてきたWindows8.1採用8インチタブレットだが、ここにきて価格やサイズ/重量以外の細かな動作パターンも検証していきたいところだ。

Intel DPTF

 ちなみに、プロセッサーの処理速度を落とさないようにDPTFをタスクマネージャーなやデバイスマネージャーで削除したり、無効化するとタブレット自体が動作しなくなる恐れがある。温度が上がり続ければ、当然故障率が高まったり、メーカーが想定していない動作に陥る可能性が高くなるので、いじらない方が賢明だ。

Intel DPTF
Intel DPTF

 最後に、DPTFの説明をした平井氏(モバイル&コミュニケーションズ事業部カスタマー・テクノロジー・ソリューションプラットフォーム・ハードウェア・エンジニア)は、タブレットのユニークな活用事例も紹介。それは、タブレットをノートPCのセカンドディスプレー的に使う方法。それは『wormhole switch JUC400』(アスキーストアで絶賛販売中)というUSB HIDケーブルを両機に挿して、ノートPC側のキーボードとタッチパッドを共有するというもの。このケーブルのスゴイところは、ノートPCでコピーしたものをタブレットにそのままペーストできるなど、まるで1台のPCのように使えるところ。インテル社内でも1、2を洗争うガジェット好きの平井氏オススメする逸品だ。

■関連サイト
インテル

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