低価格なのに高スペック! …で中国で大人気のシャオミ(Xiaomi/小米)、その最新モデル『Mi3』をいじってみました。
無印良品のようなパッケージ |
中国製のシャオミ『Mi3』、さぞかし怪しいんじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、初代モデル登場後から人気は上がりっぱなしで、いまではシャオミの名前を聞くだけでハイスペックな製品が思い浮かぶほど中国ではメジャーな製品になっています。しかしその製品の実力に反してパッケージはシンプル。これは製品の隠れた実力を表わしているかのようです。
落ち着いたボディーカラー |
『Mi3』のボディーは側面がカーブしており手にしっかりフィット、持ちやすい形状をしています。側面は右側だけにボリュームと電源ボタンを備えています。そしてディスプレーの左上にはブランドである“mi”のロゴが入っているのがアクセント。この“mi”のロゴはシャオミのあらゆる製品に入っています。
カメラはソニー製の1300万画素ユニットを採用 |
ハイスペックな各社の部品を使って性能を高めながらも、原価に近い価格で販売するのがシャオミのビジネスモデル。採用している部品のメーカー名もWebの製品ページで堂々と公開しています。メインカメラは1300万画素ですが、これはソニー製。またLEDのデュアルフラッシュはフィリップス製とのことで、これらは他社のハイエンドスマートフォンでも採用されているものです。そして顔とも言える5インチフルHDのディスプレーはシャープ、またはLGエレクトロニクス製。値段が安いからと言って、無名メーカーの部材をかき集めているわけではないのですね。
Xperia Z1とサイズはほぼ同じ |
iPhone5とXperia Z1とサイズを比較してみました。Mi3は同じ5インチサイズのXperia Z1とほぼ同等の大きさです。実際に持った感じもZ1のようです。ただ最近のXperiaシリーズは側面に丸い電源ボタンを備えているので、横から見たルックスはMi3のほうがすっきりしています。
厚みはわずか8.1mm |
Mi3のサイズは144×73.6×8.1mm。高さこそXperia Z1と同じですが、幅と厚みはZ1よりも小さくなっています。防水機能はないものの、クアッドコアCPUと3055mAhの大容量電池を内蔵してこのサイズは大したものでしょう。
SIMカードは標準サイズ |
厚みがスリムなMi3はトレイ式のSIMカードスロットを搭載しています。引き出してみるとなんだか大きく感じるのですが、標準サイズのミニSIMカード用のスロットなんですね。海外では多くのスマートフォンがマイクロSIM対応になっていますが、中国ではまだまだミニSIMが多いのでこうなっているのでしょう。できればマイクロSIM用のトレイも別売して欲しいところです。
使いやすく快適操作の“MIUI”を搭載 |
今回レビューしているモデルは通信方式が中国独自の3G方式、TD-SCDMA対応版。W-CDMA版は追って発売予定ですが、この2モデルで搭載するCPUが異なっています。TD-SCDMA版はTegra4(クアッドコア1.7GHz)、一方W-CDMA版はSnapdragon 800(クアッドコア2.3GHz)となります。おそらくSnapdragon版のほうが動作は速いのでしょうが、今回のTegra4モデルでも画面のスクロールやアプリの起動、ブラウザーの利用などにおいてかなり高速に動いてくれます。それはAndroid OS上に独自のカスタムUI“MIUI”を搭載しているからです。
シャオミは元々はカスタムROM屋 |
彗星のように現われたスマートフォンメーカーと思われがちですが、シャオミは端末製造を手がける前は大手メーカースマートフォン向けのカスタムROMの開発を行なっていました。メーカー品をより快適に使えるカスタムROMを作り続けていくうちに「だったら自分たちで端末を作っちゃったほうがいいんじゃないか」ということで登場したのがシャオミのスマートフォンなのです。MIUIはiOSライクな階層のないメニュー構造で、クラウドサービスの統合や便利なウィジェットも多数提供されているなど使い勝手も高いのですが、それ以前にとにかく動作がきびきびしているのです。
さくっとメモリーを解放 |
MIUIの使いやすさはいろいろなところで見ることができます。たとえばホームボタンの長押しで起動中のアプリアイコンが表示されますが、メモリー利用量と、一瞬でメモリーを解放してくれるボタンも同時に表示されます。システムが重くなってもこれならすぐに復帰させられますね。このようにMIUIは実際に使うことを考えられた機能も多数搭載しているのです。お仕着せで操作が重くなるようなものは一切搭載していません。
Google Playはないけど一般的なアプリは入れられる |
ちょっと使っただけでもMi3の操作は心地よく、もう大手メーカーのスマートフォンを使う必要はないかも、なんて思わせてくれるかもしれません。ただし中国販売品のためGoogle関係のサービスが使えないという弱点があります。とはいえ独自のアプリストアを搭載していて、そこからメジャーなアプリをインストール可能。ちなみにシャオミは香港と台湾でもオンライン販売を行なっており、そちらの製品はGoogleサービス搭載しているので購入するなら香港版や台湾版がよいかもしれません。
手袋操作にも対応 |
そのほか、タッチパネルの感度を上げているので手袋をしたままでも操作が可能です。これで防水機能もあればもう完璧かもしれませんが、日本以外の市場では防水需要が少ないのでこの点は次の機種でも望みは薄そうです。
スペックどおりのカメラ画質 |
カメラはさすがソニーのモジュールを採用しているだけあって画質は問題ありません。スマートフォンのカメラとしては一般的な機能を搭載。女性向けの“美顔撮影モード”も備えています。他社のカメラ機能特化モデルにはさすがに敵わないかもしれませんが、端末全体の操作性などのバランスを考えると必要十分なスペックと言えます。
スペックは大手メーカーのハイエンドクラスなのに安い! |
Antutu Benchmarkでベンチマークを測ったところご覧の数値を叩き出しました。実際に触ってみるとこの数値以上にサクサクと動き、とにかく使っていてストレスを感じることがありません。それでいて価格は1999元(約3万3000円)です。もちろんこれは単体価格で、2年契約やらオプションがどうしたなんてものは一切いりません。RAMもたっぷり2GB、内蔵ストレージは16GB。他社製品の同スペック端末と比較するとかなり安いことがわかるでしょう。そう、シャオミは「安かろう悪かろう」という中国製品のイメージの払拭だけではなく、「世界一速い製品」、「世界一高品質な製品」、そして「世界で最も正直な価格」を目指して常に製品を開発しているのです。
Nexusよりも快適かもしれない |
動作が快適なスマートフォンと言えば、最新のOSを搭載しメーカーカスタマイズもされていないグーグルのNexusシリーズが思い浮かびます。ところがシャオミのスマートフォンに搭載のMUIUはAndorid OSとの互換性を100%保ちながら快速・快適操作を追及していて、ユーザーのフィードバックを受けて毎週アップデートを繰り返しています。そのため同じスペックの他社品よりもさらに快適に動いてくれるのです。
シャオミの製品はオンラインでの予約販売がメインのため現在は入手しにくいのが難点ですが、いずれはアジア各国にも販路を広げ購入しやすくなるでしょう。中国製だろうとか、値段相応のものだろう、なんて思って最新モデルのMi3に触ると驚くこと間違いありませんよ。将来はシャオミの製品がNexusとして出てくるかも、なんて思わせるほど爆速なシャオミのスマートフォン。SIMフリー端末が続々登場する日本にもぜひ上陸して欲しいものです。
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