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新型iPad miniのRetinaディスプレイは目に毒である(石川温氏寄稿)

2013年11月13日 16時18分更新

 「見てはいけないモノを見てしまった気がする」
 12日、突然、オンラインで発売開始となったiPad mini Retinaモデル。実際に手に取ってみて、あれこれ使い始めているが、これは危険だ。特に、すでにiPad miniを使っているユーザーには目の毒と言えるだろう。

iPad miniR

 iPad mini Retinaモデル、想像通りであるが、本当に液晶が美しい。アイコン下にあるアプリのタイトル、ウェブ記事、iBooksのフォントなどあらゆる文字が綺麗なのだ。社会人になってからというもの、雑誌記者として、印刷物のあらゆる文字を凝視してきた。自分の書いた原稿の文字をじっと睨み、誤字脱字がないかチェックしてきた日々であり(とはいいつつ誤字脱字は多いのだが)、大日本印刷さんや凸版印刷さんには足を向けて寝られないほどお世話になってきた。
 そんな自分であるが、iPad mini Retinaモデルを見て、本当に印刷物のようなフォントの美しさに驚いてしまった。
 もちろん、iPhone5やiPhone5s、iPad Retinaモデル、iPad AirとRetinaディスプレイは使い続けてきているのだが、iPad miniという7.9インチという片手でもすんなりと持てる大きさで、この解像度はかなりのインパクトを持っているように思う。
 iPad miniが発売されたとき「これで、Retinaだったらなぁ」という夢と希望が、ようやく叶えられた。1年間、「後継モデルはRetina対応なんでしょ」と不満タラタラに使い続けてきたわけだが、iPad mini Retinaモデルの登場によって、夢は現実のものとなった。
 今まで以上に新聞、雑誌、書籍、マンガはiPad mini Retinaモデルで読む時間が増えていきそうだ。

 冒頭の「見てはいけないモノを見てしまった気がする」というのは、初代iPad miniユーザーとしての感想。今回、iPad mini Retinaモデルを触った後で、比較のために初代iPad miniを起動させたが、もう画面の解像度が荒すぎてまともに直視できない目になってしまった。思わず、ドットのひとつひとつが見えるんじゃないかというぐらいだ(ちょっと大げさか)。
 人の目の慣れというのは恐ろしいもので、いいものに見慣れると、とたんに過去のもののアラが目立ってしまうようだ。
 実際に操作をしてみても、その差は歴然。iPad mini RetinaモデルはA7チップを搭載していて、実にサクサク動くのが気持ちいい。巨大な画像ファイルだろうと俊敏に開くことができる。一方の初代iPad mini、iPad mini Retinaモデルを触った後だと、操作をしていてもモタモタとしていてストレスを感じてしまうほどだった。「こんなに遅かったかな?」と首をかしげたくなるほどだった。
 初代iPad miniユーザーが店頭などでiPad mini Retinaモデルを触ってしまったら、迷わず欲しくなるだろう。もし、最初から買う気がないのなら見てはいけないし、触ってはいけない。ちょっとでも触れれば、財布に手が伸び始める。初代iPad miniユーザーからすると、iPad mini Retinaモデルはそれくらいのインパクトがある。

iPad miniR

 現在、自分が借りているのはiPad mini Retinaモデルのセルラー版だ。やっぱり、iPad miniはセルラー版のほうがいいと思う。いつでもどこでも持ち運べる携帯性が大きな魅力であり、ささっとネットにつなげる利便性は計り知れない。

 ただ、気になるのが在庫状況だ。ネットもしくは店頭で予約してからでないと買えない状況を見る限り、しばらくは入手困難な雰囲気がある。「買いたい、でも買えない」という歯がゆい日々がしばらく続くのかも知れない。

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