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艦これと業務用にSurface 2を買いましたが、なにか?

2013年10月28日 13時30分更新

Surface2
↑『Surface 2』(左)、『Surface Pro 2』(右)。

 2013年10月25日、米国などから3日遅れで国内でも発売となったSurface 2とSurface 2 Pro。気になっている読者も多いのではないだろうか。

筆者の保護欲をビンビンに刺激したSurface RTの後継機

 筆者がSurface 2を購入したのは、日本での発売がすっごく遅れた挙句、Windowsストアのアプリの揃いが悪く、名前もWindowsで、インターフェースもWindowsで、デスクトップ向けソフトが使えない点がクリティカルに良くない印象をユーザーに与えてしまい、その結果、不憫路線をひた走ることになったSurface RTのユーザーだったからだ。

 Surface RTを購入した理由は、不憫なデバイスは保護しなくてはならないという謎の使命感によるもの。Medias Wを見て「保護しなきゃ!」と思った同志諸君にはきっと伝わるだろう、あの使命感である。あと、まず同じデバイスを持っている人とエンカウントしないと判断したことも理由のひとつだ(少なくとも週アス編集部との打ち合わせで、自分以外のSurface RTユーザーを見たことがない)。

Surface 2
↑2世代目ARM版Windowsタブレット、Surface 2はけっこうねらい目である。

 といっても、Surface RTは業務とちょっとしたエンタメには十分な性能だったと思う。筆者は、iPadをApple発表会のストリーミング配信を見守るためだけのツール、Androidタブレットをお風呂で動画を楽しむだけのツールにまで降格させた実績がある。それに対して、Surface RTはWindowsベースの環境への組み込みやすさ、メインPCやサーバーとの連携のしやすさは圧倒的で、なにかと都合がよかったからだ。

 ともあれ、発表会でのSurface 2ハンズオンはとても好感触だった。それもあってSurface RTのときと同様に衝動買いをしたというわけだ。なお、購入時、Surface 2のカードをレジ担当に渡したところ、Surface RTが出てきたことも付け加えておこう。ほんと、不憫な子である。

 Surface 2の見た目は、Surface RTからほとんど変更されていない。物理サイズでは0.1ミリ薄くなったり、横幅が1ミリサイズダウンしたり、重量が約4グラム減といったびみょうな変化に留まっている。

 大きく変わったのは、デフォルトカラーがシルバーに変更された点とキックスタンドの角度が2段階に変更された点。キックスタンドの角度は24度と40度に設定可能で、Surface RTでは非対応に近かった膝上・ごろ寝オペレーションに対応可能になった点が大きい。ブラックからシルバーにカラーが変更されたのは、従来機とそっくりすぎるためだと思われるが、傷が目立ちやすい感じなのでどうしたものか、である。ちなみに堅牢性については、マイクロソフトらしい作りでやたら頑丈だ。

Surface 2
Surface 2
↑キックスタンドの角度は2段階になった。よりだらだら操作が可能だ。
Surface 2
↑キックスタンドの角度が増えたことで、膝上作業にもそこそこ対応した。といってもこういった部分はノートPCのほうが上だ。
Surface 2
↑手持ち操作はいちおうできるはできるが、タブレット状態のほうが圧倒的にいい。
Surface 2
↑キックスタンドを40度の状態にした場合、けっこう奥行を取るため、狭い机だと厳しくなる。
Surface 2
↑Type Coverを愛用中。こうしてみるとただのノートPCっぽくも見える。

 スペック的な部分をみると、10.6インチのフルHD液晶(1920×1080ドット、IPSパネル)、SoCにTegra 4を採用。ようやくiPadやAndroidタブレット、またはx86版Windows 8とAtomを搭載するタブレットに並んだ。ちょっと不憫度が下がってしまい、個人的にはおもしろくないのだが、スペック的に使えるデバイスになったのは素直にうれしい。

Surface 2
↑フルサイズのUSB3.0端子を搭載しているため、PCのUSB機器を流用できる点にも注目。
Surface 2
↑地味な部分だが、付属の充電器はLEDの場所が見直され、充電中かどうか確認しやすくなった。Surface RT付属のものは充電端子頭頂部にLEDが小さくあるだけで、すごくわかりづらかった。

 さて、性能チェックに移ろう。グラフィック性能については、まだゲームタイトルが少ないため、なんとも言えない部分はあるが、へヴィなFlashゲーム“艦これ”が快適に動くかどうかが、いまとてもアツい。Officeアプリケーションの存在もメリットだが、比較的大型で比較的軽くて比較的安くて、Flashをサポートしている最新デバイスはSurface 2のみである。多くの提督が、椅子に座ってだけでなく、好きなポージングで遊びたいと思っているだろう。出先での“ちょっとプレイ”もいいし、みんなでサッと持ち寄ってワイワイ遊びやすいのもタブレットならではの魅力といえる。

Surface 2
↑Windows RT 8.1のウェブブラウザーは、デスクトップUI側のInternet Explorerとスタート画面側のInternet Explorerがある。インターネットオプションの設定はシェアしているのだが、プログラムとしては別物になっており、スタート画面側のInternet Explorerはとても動作が軽い。
Surface 2
↑まぁあれですよ、ぬいぬいこと、不知火たんとお外でもいっしょだからいいの!
Surface 2
↑3DMARKのDevice channelデータを見ると、Surface 2とSurface RTのスコアー差は写真の通り。

 艦これプレイ比較のベンチマークレギュレーションとしては、筆者がASCII.jpで勝手に策定したものを採用した。レギュレーションや参考データは、こちら(関連記事)を見てもらうとして、さっそくチェックしてみよう。

●Surface 2(Windows RT 8.1)
スタート画面:30秒
デスクトップ:32.5秒

●Surface RT(Windows RT 8.1)
スタート画面:38.1秒
デスクトップ:36.8秒

 接続先のISPから、艦これサーバーまでの経路もあるため、上記は参考値になるが、Surface 2の場合、スタート画面版のInternet Explorerでは、演習を除いてストレスなく遊べる結果になった。上記ベンチマークレギュレーションの場合、33秒を過ぎたあたりから、もっさり感が強くなるため、Surface 2の30秒という時間はストレスを感じにくいものになる。各種操作を見てみると、演習時が最も重く、Android端末でプレイしている感覚だった。これは処理データの多さが問題だと思われる(逆に深海棲艦艦隊が6隻の場合は、それほど処理速度は落ちない)。

 建造や開発時、艦娘ドロップ、戦闘結果といったシーンはエフェクトが派手なぶん、やや重たい印象。NUCをはじめとして最近のCPUの場合は、最速値となる27~28秒がデフォルトであり、それらのPCと比較するとちょっとひっかかりを覚えるだろう。また、Nexus 7(2013)は、1分13秒であり、Surface 2での艦これは、FlashをサポートしていないAndroidでプレイするよりもはるかに快適な環境だとわかるハズだ。

Surface 2
↑スナップ機能を使えば、ウェブブラウズしながら遊べる。
Surface 2
↑動画を見ながらもOK!動画によっては艦これがちょっと重くなることもあるが。
Surface 2
↑デスクトップ側のInternet Explorerは負荷が高めになる。CPU使用率は50~70%が当たり前だ。
Surface 2
↑スタート画面側のInternet Explorerの場合は、CPU使用率が38~50%になるため、タッチUIも考えるとこちらのInternet Explorerの使用がデフォルトになるだろう。

 さて、Surface 2が艦これでは比較的快適に動作することは十分にわかっていただけたと思う。Surfaceシリーズの背面はとても目立つ上に、フラットなので痛化しがいがある点も踏まえると熱心な提督諸氏は、すぐに飛びついても問題ないが、艦これ以外の用途も考えるとちょっと立ち止まってしまうだろう。上述しているが、Windows RTの弱点はx86版Windowsデスクトップ向けのソフトが使用できない点に尽きるし、ストアアプリの無さは致命的だ。メインPCとしても活用したいと考えると、そこはSurface 2 Proのフィールドなので、Surface 2では厳しく、やはりサブ的な存在になる。

Surface 2
↑スペックアップの恩恵で、写真のプリチェッカーとしても使えるようになった。Surface RTのときは4912×3264ドットの写真を数枚開くだけでビューワーアプリが落ちる始末だったが、Surface 2では超余裕になった。
Surface 2
↑ストレージの少なさ(最大64GB)がネックなので、写真や動画を持ち運ぶという場合は、マイクロSDカードスロットを活用しよう。
Surface 2
↑取材や打ち合わせのときは、スナップ機能を使用してOne Note×ブラウザーを基本として、状況に応じてPDFを表示したり、録音したりといった具合だ。
Surface 2
↑今回の作業環境はこんな感じ。まともなテキストエディターがないので、Notepad Classicにしているが、長文は苦手くさいのでWordに戻りそう。
Surface 2
↑写真の加工はKVADPhoto+が、いまのところけっこう使える。

 筆者の場合であれば、即原稿作成をしなくてもいい取材の場合や打ち合わせはSurface RTのみで、One Noteでメモりつつ、関連情報を検索や録音・録画が多い。自宅の場合は、リモートデスクトップでメインPCを操作したり、サーバーから動画を再生したり、SkyDrive上のオフィスファイルを表示してサブモニターといった運用が中心。このあたりを別途アプリのインストールをすることなく実行できるのは、Windowsならでは。タブレットとしてフル活用することを考えると、リテラシーの要求値は高めだが、その点は大きな武器だと言える。ただ、Windows 8発表時に日本マイクロソフトは機能のプッシュに終始し、利用体験の提案をサボったツケか、そのあたりのメリットはあまり認識されていない。まぁそんな不憫さを楽しみつつ、今後マイクロソフトがどんな活用プランを提案してくるか楽しみにしながら、艦これをやりつつ動画を見たり、SNSをしたりは余裕なので、みんなでSurface 2を愛でててあげてほしい。来週にはiPad Airに蹂躙されていそうだが、そんな不憫なところがいいんですヨ?

Surface 2

 最後に、Surfaceシリーズの背面はほどよくフラットであり、キックスタンドを立てた場合も大変よく目立つ。つまり、秘書艦と一緒にお出かけもできるわけなので、購入したら、ここの(関連サイト)のデータを元に背面をデコってみよう!

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