中国メーカー製のスマートウォッチが市場に少しずつ出てきました。サムスンの『GALAXY Gear』やソニーモバイルの『SmartWatch 2』など、(中国にとっての)海外メーカーから続々と新製品が登場するなか、はたしてどの程度の実力なのでしょうか? 北京の展示会で実機を見てきました。
中国発のスマートウォッチ、Geak Watch |
北京で開催された中国最大の通信関連展示会『PT/Comm Expo 2013』でスマートウォッチを大々的に展示していたのはGeak社。同社は6月にスマートフォンで市場に参入、親会社は電子書籍の配信などを行なっているコンテンツ企業で、ハードウェアの製造コストが下がったことにより“Geak”ブランドでスマートフォン市場に再参入。合わせて投入したのがスマートウォッチの『Geak Watch』です。
オーソドックスなデザイン |
Geak Watchのデザインはスマートウォッチとしては一般的なオーソドックスな形状をしています。ディスプレーは1.55インチ、240×240ドット。本体部分の厚みは約8mm。CPUはシングルコアの1GHzとのこと。AndroidスマートフォンとはBluetooth4.0経由で接続するほか、WiFiも内蔵しています。また生活防水とも言えるIPX3にも対応。
ステンレス製のバックパネル |
時計の背面はステンレス製で“GEAK”のロゴが美しく刻印されています。ただし長時間はめていると汗ばんでしまうのが少し気になりました。本体の質感もじゃっかん中国クオリティー。1999元(約3万1600円)の価格相応というところでしょうか。なおバッテリーは500mAhのものを内蔵。
本体左にはヘッドホン&充電端子 |
充電はマイクロUSBではなく、本体左側面にあるヘッドホン端子部分を兼用して利用します。この形状であれば腕にはめたまま充電もできるのですが、防水対策がどの程度されているのかちょっと心配になるところ。
時計の上にショートカットアイコンも表示 |
通常の待ち受け時はアナログ時計の表示となりますが、側面のボタンを押すことで4つのショートカットアイコンをその上に表示することも可能。よく使うアプリを登録しておけばワンタッチで起動することも可能です。
画面は左右スワイプで切り替え |
時計の待ち受け画面から、左にスワイプするとショートカットやRSSリーダーの画面に、右へスワイプするとアプリアイコン画面に切り替わります。アプリ起動時に元に戻るには右側面のボタンを押すだけ。なおOSはAndroid 4.1そのものなので、右の2つのボタンはAndroidスマートフォン同様に“戻る”、“メニュー”それぞれの機能に対応します。
プリインストールアプリの一部 |
プリインストールアプリはスマートフォンでも一般的なものが入っています。ただしGoogle Playやマーケットアプリが入っていないので、一般的なAndroidアプリをそのまま入れることはできないようです。もっとも画面解像度が低いのでAndroidアプリをそのまま入れても動かないものが多いでしょう。
言語設定には日本語もあり |
設定を開くと、Andorid OSの標準的な設定画面となります。ためしに言語を開いてみるとそのなかには日本語もありました。ブースの説明員によると展示品は製品版ということで、市販されているものもこのように日本語ロケールが入っているようです。
日本語メニューで利用可能 |
プリインストールアプリのうち、Android標準と言えるものは日本語メニューで利用することができるようです。しばらく操作してみましたが、タッチパネルの反応や製品の質感などはまだ大手メーカーに一歩及ばないという印象を受けました。とはいえこのような製品を中国の新興メーカーから出せる時代になったということは、今後他社からも様々な製品が出てくることが期待できそうです。
OEMメーカーのスマートウォッチも |
スマートフォンのOEM/ODMメーカーとして有名なUmeox社は、アメリカのスタートアップOmate社が現在予約を受け付けているスマートウォッチ『True Smart』を展示していました。Umeoxは5.6mm厚と世界最薄のスマートフォン『UMEOX X5』を開発するなど実力のあるメーカー。このTrue Smartもその実力を買われて製造を行なっている模様です。
カメラも内蔵、防水防塵性も高い |
OSはAndroid 4.2、CPUは1.3GHzデュアルコアを搭載。BluetoothでAndroidスマートフォンと接続できるほか、本体は3Gの通信機能を内蔵し単体でAndroid端末としても利用可能。ディスプレーは1.54インチ(240×240ドット)で、カメラは500万画素。IP67の防水防塵に対応。価格はRAM512MB/ROM4GB版が249ドル(約2万4000円)で、すでに予約を受け付けているとのこと。
Android腕時計は進化がない模様 |
一方、小型のAndroid腕時計を出しているメーカーもありましたが、こちらは昨年の夏ころにすでに発売された製品。OSはAndorid 2.2のままで動作も緩慢。ベルトデザインを新しくして出展していましたが、来場者の反応はイマイチでした。1年前なら注目された製品なのでしょうが、Geak Watchなどを見てしまうと、いまとなっては古い製品と感じてしまいます。
謎のスマートウォッチの看板も |
ほかにもスマートウォッチもどきと言えそうなBluetooth連携の腕時計型デバイスを出展するメーカーもいくつかありました。それらのメーカーの何社かはすでにスマートウォッチの開発もしているとのこと。一方で製品は出展せず製品イメージの看板だけを展示するというフライング出展だけに留まっているメーカーもありました。中国メーカーが多数参入することで、スマートウォッチ市場はこれから大きな盛り上がりを見せるかもしれません。
(2013年10月8日18時17分追記)本記事の最後の2段落に編集上の誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります