こんにちは! 『Battlefield4』に備えてグラボを買い替えたら→“BF4はビデオメモリー3GB以上推奨ね”→即座に叩き売って買い直したぜ→“BF4に次期RADEON最適化バージョン来るで”→(絶句)という展開にもう泣きたいカツアキです。これからカミさんに3度目の買い替えをどう申告しようか考えると胸と胃がキリキリと痛みます。
さて今回はBattlefield4の話ではなく、ジサトラアキラ氏がレポートしたGIGABYTE製『GV-N760OC-4GD』(実売価格3万8000円前後、参考記事)についてです。
先のページでは『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』のプレイにはGV-N760OC-4GDがコスパ最強だぜ! という結論を出しておりますが、比較対象が同社のGTX770やGTX780というアッパーミドル~準ハイエンド級の高級グラボでした。
しかしコレを読んで、グラボ好きの私としては“GV-N760OC-4GDはリファレンス仕様のGTX760とどの程度良いの?”と感じた訳です。GTX760の激安品だとビデオメモリーは2GBと少なく(Battlefield4の推奨量以下!)、クーラーもだいぶチープなものが載っています。
一方GV-N760OC-4GDはクロックまわりが下表のようにガツッと盛られており、しかもクーラーは3連ファン採用の“WINDFORCE 3X”クーラーを搭載。検証なんてしなくても速いってことは十分想像がつきます。
↑GTX760のリファレンスボードは、ビデオメモリー2GBという点にも注目です。
という訳で、ジサトラアキラ氏のレビューとは別角度から、GV-N760OC-4GDを再検証してみました!
今回私が準備したのは以下のような環境です。
【検証環境】
CPU:Intel Core i5-4670K(3.4GHz)
マザーボード:ASUSTeK GRYPHON Z87(Intel Z87)
メモリー:Crucial BLT2K8G3D1608ET3LX0(PC12800 DDR3L SDRAM 8GB×2)
SSD:Intel SSD 335(240GB)
電源ユニット:オウルテック AU-850PRO(850W、80PLUS GOLD)
CPUクーラー:Thermalright Venomous X-rt Rev.SB-E
PCケース:Fractal Design Define R4
OS:Windows 8 Professional 64bit版
ドライバー:GeForce 327.23(WQHL)
いきなり本題に入る前に、まずは定番『3DMark』のスコアーで性能を見てみましょう。液晶ディスプレーは、今後フルHD(1920×1080ドット)以上になることもあるでしょうから、今回はWQHD(2560×1440ドット)の液晶を使いスコアーを見てみました。
リファレンスと比べ“Fire Strike”のスコアーは100ほどとさほど差がありませんが、より重い“Fire Strike Extreme”では差が200ほど広がり、重い処理を行なうことでの優位性があると見て取れます。
では本命のFF14の公式ベンチを使ってテストしてみます。今回は“最高品質”設定一本に絞り、そのかわり解像度をフルHDとWQHDの2通りにしてフルスクリーンモードでチェックしてみました。
フルHDで遂に1万スコアーを越えてきましたが、ここではスコアーの伸び率に注目しましょう。フルHD時はGTX760リファレンスに対し2%増、WQHD時だと4%増……ということは、解像度が高く、描画負荷が増すほどリファレンスよりGV-N760OC-4GDの方が快適、ということになります。
まだ私はFF14の世界ではヒヨッコ同然なのですが、将来高難度なダンジョン巡りをするなら、1fpsでも滑らかに描画をさせたいところではあります。より美しい画面でゲームを楽しみたいなら、GV-N760OC-4GDは確かに効果アリ! という結論で決まりです。
もうちょっと踏み込んでみる
しかし精々4%の性能向上しかないんだから、安いリファレンス仕様のGTX760でいーんじゃない? と考える人もいるでしょう。もちろん安さは大事ですが、最新GPUとチープなクーラーの組み合わせは安物買いの銭失いだよ、っていうちょっと踏み込んだ話をしたいと思います。
Kepler世代のGeForceには“GPU Boost”という自動OC機能がついていて、GPUに余裕があるときは(ほんの少しですが)OCして性能を稼ぐようになっています。この余裕というのは主に消費電力を見ていましたが、GTX760をはじめとする700番台のGPUになると、GPU温度も細かくチェックしはじめます。
要するにGPUが十分冷却できている状態なら、その分長くブースト状態が続く、という訳です。ブースト発動については、グラボ側のBIOSの設計や、Power Target設定などいろいろな要素も絡みますが、ここでは割愛します。
まず最初に”WINDFORCE 3X”搭載のGV-N760OC-4GDとリファレンスボードでは、どの程度冷却力に差があるか、ということをチェックしてみます。ここでは『トゥームレイダー』のベンチマークモード起動から、そのまま30分放置した時のGPUの温度変化を記録してみました。
トゥームレイダーは解像度フルHD、画質“Ultimate”統一し、PCケースの中に入れた状態で計測しました。元々密閉性の高いPCケースなうえ、ファンは最低速で回しているだけなのでGPU温度的にはかなり厳しい環境です。
また、温度等の監視は“HWiNFO64”を使用しています。
↑最初の2分間の温度の上がりかたの違いに注目!
アイドル時のGPU温度は、37~38℃と両者大差ありませんが、ゲームを起動してGPUに負荷をかけると、リファレンス仕様のGTX760は物凄いペースで温度が上昇します。リファレンスボードの最高温度である81℃に到達するまで1分もかかりませんでした。
しかしGV-N760OC-4GDでは、序盤の温度上昇が幾分緩やかなのに加え、最高温度も74℃とかなり低めです。30分継続して記録してもこの数値以上は出なかったので、これがWINDFORCE 3Xクーラーの実力といってよいでしょう。長時間ゲームしていても、リファレンスクーラーよりずっと安心できますよね!
次に同じシチュエーションでGPUクロックがどう変化するかを見てみます。
ひと目見て分かる通り、GTX760のリファレンスボードは最初の1分程度はかなり高クロックまでブーストしますが、2分を待たずにブースト量がガクッと落ち込みます。それに対しGV-N760OC-4GDはずっと高く、実測値で1175MHzを維持し続けました(この値は環境や個体差により上下する可能性があります)。
各々のグラボのスペックシート上に掲載されている“ブーストクロック”を薄い色の線で示していますが、GTX760のリファレンスボードは、ごく短時間(最長で10秒程度)ではありますがブーストクロック以下に落ち込むことがある、ということがわかります。
別にブーストクロックは“絶対保証クロック”ではないので、この動作でも問題はないのですが、フレームレートの微妙なうねりを生み出します。安定したゲーム環境を構築したいなら、GV-N760OC-4GDの方がより優れたチョイスである、と断言できます。
ちなみにファンノイズは、暗騒音は約34デシベル時に両者ともアイドル時約35.6デシベル前後、30分高負荷状態で放置した後は45.3デシベル前後と、数値的に決定的な差はありませんでした。
しかしリファレンスボードのクーラーはカラカラという音が耳障りなのに対し、GV-N760OC-4GDの方は低音成分多めの気になりにくいノイズでした。3連ファンであること、さらにGPU温度も低いことなどを総合的に考えると、長くゲームするのに適した設計である、といえましょう。
最後になりますが、GV-N760OC-4GDなら『Battlefield4』の推奨環境である“ビデオメモリー3GB以上”もバッチリクリアーしています。FF14用として買うのはもちろんですが、Battlefield4迎撃用としても十分魅力的といえるでしょう。「あああ、グラボ買い替えスパイラルに陥る前にこのカードに出会っていたら……!」とひとり悔しがる私でした。
●関連サイト
GIGABYTE
-
37,980円
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります