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アップルがiPhone5cを市場投入する意味(石川温氏寄稿)

2013年09月14日 19時00分更新

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 iPhone5cがついに発表され、日本でも9月13日から予約受け付けが開始された。事前の噂どおりの5色展開、価格もアメリカで2年縛りなら99ドル、日本では実質負担額0円からと、魅力的な設定がされてきた。

 当然のことならが、アップルとしては100ドル以下の値付けでシェアを伸ばすAndroidに対抗する意味合いが強いのだろう。iPhone5cは世界中で販売されるだろうが、主力となるのは中国やインドと言った新興国になることは間違いない。

 発売当初の価格は16GBモデルで549ドルと決して安くはないが、iPhoneは世界中で中古品の流通が盛んであるため、中古市場ではかなりインパクトのある価格設定になるだろう。

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 一方、日本ではどうだろうか。

 過去を振り返ってみれば、iPhone5であっても、MNPであれば16GBで一括0円で売られているところが多かった。日本市場において、端末の価格はあってないようなものだ。2年縛りの分割、しかも24ヵ月に渡って割引が設定されているため、端末代金を払っている感覚は海外に比べると薄い。「安く買える」といっても、日本市場ではあまり魅力に感じない。

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 その点、日本市場で盛り上がりを見せそうなのが5色のカラー展開だ。

 これまで、iPhoneに興味を示さなかった女性層を中心に一気に人気が出そうな雰囲気がある。しかも、アップルオリジナルのカバーまで用意してきた。「カワイイ!」といって、iPhone5cを手に取る女子が相次ぎそうだ。

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 iPhone5sが3色、iPhone5cが5色で計8色展開ということは、それだけ家電量販店やショップのスペースを占領することになる。3キャリアを扱う家電量販店であれば、それぞれiPhoneコーナーが設置される。

 つまり、Androidの展示を押しのけ、8色のiPhoneが並ぶと言うことは、それだけ利用客の印象に残りやすいということだ。

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 まさにアップルは今回、“ツートップ戦略”を仕掛けてきたように思う。従来からのiPhoneユーザー、特に2年間縛られていたiPhone4Sユーザーに対してはiPhone5sを投入しつつ、すでにiPhone5を購入しているユーザーに自慢できるべくシャンパンゴールドを用意。まだケータイで満足している層にはiPhone5cを訴求する。

 NTTドコモが夏商戦で、すでにスマホを使っているユーザーには『GALAXY S4』、ケータイユーザーには手軽な価格で購入できる『Xperia A』を投入した構図に似ている。

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 アップルにとって、やはりシェアを伸ばしたいというのがいまの目標であるだけに、価格を抑えて、スマホデビューをためらっているユーザーに手を差し伸べるという意味でもiPhone5cへの期待は大きいのではないか。13日から事前予約を受け付けたのも、iPhone5cが先であるのもうなずける。

 iPhone5cは、まさにシェアを一段と広めるという意味でもキラー端末になることだろう。

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iPhone5s&5cまとめ

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