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ゲーム実況向け無料キャプチャーソフト『ロイロゲームレコーダー』を徹底検証

2013年09月06日 09時30分更新

 高速動画編集ソフト『Super LoiloScope 2』で有名なロイロが、PCゲーマー向けに、プレイ動画用キャプチャーソフト『ロイロゲームレコーダー』を無料で提供開始。特に使用制限もなく、誰でもダウンロード利用ができるため、早速、試してみた。

■現実的なCPU負荷で高品質の動画キャプチャーができる!

『ロイロゲームレコーダー』は、DirectXやOpenGLで動作する任意のゲーム画面をリアルタイムにキャプチャーできるソフト。現時点ではMJPEG(モーションJPEG)でのエンコードに対応しており、ファイルサイズは大きいものの、その後の編集・再エンコードに適した高画質でのキャプチャーが可能となっている。

ロイロゲームレコーダー

↑『ロイロゲームレコーダー』のメイン画面。ロイロシリーズらしく、シンプルにまとめられている。

ロイロゲームレコーダー

ゲームを起動後に、キャプチャーするゲームを指定しておこう。

ロイロゲームレコーダー

↑解像度はフルHDからVGA解像度まで幅広く設定可能だ。

 デフォルトのエンコード品質設定は“80”。CPUにCore i7-2600Kを搭載する私のPCでは、特に重いゲームでない限り、キャプチャー中もゲームの動作はスムーズだった。

ロイロゲームレコーダー

↑品質を変更することでファイルサイズと画質の調整ができる。

 キャプチャー時の負荷は解像度とフレームレート、エンコード品質の選択で変化していくが、筆者環境でのCPU利用率は、品質80%時の概算で以下のような結果となった。

 1080p/60fpsの場合 CPU利用率30%
 1080p/30fpsの場合 CPU利用率15%
 720p/60fpsの場合 CPU利用率20%
 720p/30fpsの場合 CPU利用率8%

 1080p/60fpsの場合はややゲームに重たさが出てくるものの、1080p/30fpsや720p/60fpsであれば、十分に実用圏内のパフォーマンスを保てる。エンコード品質を“99”に上げるとゲームのプレイに多少の違和感が生じるため、品質はデフォルトの”80”のままで問題ないだろう。画面は80で十分キレイだし、ゲーム動作に大きな支障をきたすこともなく、満足できる。

品質99(最高画質)のゲーム画面
ロイロゲームレコーダー
品質80のゲーム画面
ロイロゲームレコーダー
品質60のゲーム画面
ロイロゲームレコーダー
品質40のゲーム画面
ロイロゲームレコーダー
品質20のゲーム画面
ロイロゲームレコーダー
品質10のゲーム画面
ロイロゲームレコーダー

 720p/60fpsと品質80で動きの激しいゲームをキャプチャーした場合、録画ファイルサイズは、1分で700MBほど。例えば録画用に1テラバイトのHDDを用意した場合でも、1300分ほど(約21時間程度)の録画が可能な計算だ。もちろん、品質を下げれば、ほぼ比例してファイルサイズは下がる。さほど画質にこだわらなかったり、自分の記録用に利用する程度なら、品質20でも構わないだろう。品質20は1分で240MBほどだ。

 H.264でのリアルタイムレコーディングに対応した定番キャプチャーソフト『XSplit』を使った場合、圧縮率はずっと高いが、『ロイロゲームレコーダー』と同等の画質を得るためには、何倍ものCPUパワーが必要となる。また、劣化なしの高品質で録画できる『DxTory』では、出力されるファイルサイズが『ロイロゲームレコーダー』の数倍になるため、『ロイロゲームレコーダー』は画質とファイルサイズ、CPU利用率のバランスが優れたソフトと言える。

■細かい設定不要でマイクの音も録音できる

 ゲーム実況動画向けに、マイク録音機能も装備している。設定はシンプルで、マイクの使用ON/OFFと音量をチェックするだけ。あとは、視聴者に声が聞こえやすくなるよう、ゲームの音を若干抑えるといった機能も選択可能だ。

 ほかのキャプチャーソフトではマイク入力の設定が複雑だったり、PC環境によってはマイクからではなくステレオミキサーを通じて録音しなければ音を拾えないこともあるため、このあたりの面倒くささをうまく解決しているのもいい。

ロイロゲームレコーダー

■YouTubeアップロード機能もついている

 キャプチャーした動画は、ウィンドウ上部にある“YouTube”ボタンから、即座にYouTubeにアップロードすることができる。このとき再エンコードが行なわれるが、特にオプションを指定することはなく、最後まで自動で行なってくれる。

ロイロゲームレコーダー

 画質など調整したり、カット編集などを加えてアップロードしたい場合は“編集する”ボタンを押すと、同社動画編集ソフト『Super LoiloScope 2』が呼び出される仕組みだ。こちらは価格9800円の有料ソフトだが、30日間は試用できる。

ロイロゲームレコーダー

↑『Super LoiloScope2』は、タイムライン編集ができる、非常に軽快な動画編集ソフト。

 とはいえ、『ロイロゲームレコーダー』で録画した動画は汎用性のあるMJPEGなので、ほかの一般的な動画編集ソフトでも扱える。編集はほかのお気に入りのソフトがあるから、という人でも、キャプチャー用として利用する価値は大いにある。

■ 将来の機能強化にも大いに期待

 『ロイロゲームレコーダー』はまだとてもシンプルなキャプチャーソフトだが、開発元のロイロは継続的なアップデートを計画しているというので、更なる進化にも期待できる。現在もMJPEG以外のコーデック対応について検討中で、対応して欲しいコーデックや、動作上の問題の改善、機能強化の要望など、FacebookのLoiloScopeコミュニティー上で意見を募集するという。

 ゲーム用のキャプチャーソフトは複数存在しているが、使いやすく、必要な機能をピンポイントで備えたソフトとして定番の1本になりそうだ。

■関連サイト
ロイロゲームレコーダー
XSplit Broadcaster 
Dxtory(日本語版) 

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