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21年ぶりに長渕剛の写真集を刊行!さまざまな「未来」が見える

2013年08月06日 15時00分更新

 長渕剛が21年ぶりに写真集を発売した。東日本大震災後、多くの日本に生きる人々が己が今できることは何かを考えた、あのとき長渕剛が人間として、またミュージシャンとしてどう行動したのかがこの写真集には克明に記録されている。音楽を通じて、その場所に生きる人に力を与え、笑顔にする姿。支援活動をする自衛隊を激励する姿。ステージからではなく、観客と同じ目線で歌を届ける姿。ページを開くだけで、写真に記録された真実が、胸に迫ってくる。

長渕剛写真集「未来」

 当時はいろいろな形で娯楽が消えた時期でもあった。まずは日常生活を取り戻すことが先決であり、音楽や楽しみを求める声も少なく、批判も噴出し、色彩と音がない時だったと思う。そして、日本が置かれている状況が把握され、人々が少しずつ落ち着きを取り戻し、前に向けて進もうとしたときに、音楽が必要とされたのも事実だ。
 震災直後、多くの表現者が自身の無力を実感し、今自分は何をするべきなのかと活動に関して思い悩んでいたと、私が取材した多くのミュージシャンがおっしゃっていた。自らの思いを作品に投影、復興ライブ、チャリティー、ボランティア……“できることから始めよう、自分ができることはなにか”と表現者に限らず多くの人が考え、自発的に行動していた。そのなかで、長渕剛は長渕剛にしかできないライブを選んだ。写真に刻まれた時間はとても純粋であり、音楽が音楽である瞬間、歌が歌である意味がそこにはある。

 震災は現在進行形でまた続いている。その事実を絶対に忘れないためにもこの写真集が刊行されたのではないかとも思う。当時思い描いた「未来」と、今見える「未来」を照らし合わせる機会を与えてくれる本書。今だからこそ見える真実がここにはある。必見だ。

長渕剛写真集 2011-2012『未来』
発行 ぴあ
A4版 140ページ
発売中

■関連サイト
長渕剛公式HP LIVE ON

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