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Apple基調講演20 まさかの失敗ネーミング? “新しいiPad”登場|Mac

2013年08月04日 20時00分更新

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 2012年3月6日に開催されたスペシャルイベント。メディアへの招待状にiPadと思しき画像が使用されていたことや、この1年前のイベントでiPad 2が発表されていたことから、iPad 3の発表だろうというのが大方の予想だった。

 フタを開けてみると、それは正解でもあり、また間違いでもあった。第3世代のiPadが発表されたのは確かだが、そのモデルが「iPad 3」という名で呼ばれることはなかったからだ。

■テンション高めのティム・クック

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 ホスト役はCEOのティム・クック。いつもは抑えめのトーンで淡々とスピーチするクックだが、この日は少しテンションが高め。この日の発表に対する並々ならぬ意気込みを感じさせた。

 まずはいつもの業績報告。2011年の1年間で、1億7200万台の「ポストPCデバイス」を出荷し、第4四半期においては売り上げの実に76%がポストPCデバイスによるものだと語った。
 

■ポストPC時代の覇権を狙う

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 ポストPCデバイスとは、iPhoneやiPad、iPod touchのようなモバイルデバイスのこと。一連のiOSデバイスの大ヒットにより、Appleは世界一のポストPCメーカーへと成長していた。この市場における地位をさらに盤石にするのがAppleの狙いであり、本イベントもそれに関係した内容というわけだ。
 

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 ただし、主役製品の紹介は後に持ってくるのがApple流。最初に紹介されたのは、iOSの最新版であるバージョン5.1だ。5.0では英、仏、独の3カ国語にしか対応してなかったSiriが、日本語を含むより多くの言語に対応した。また、iTunes in the Cloudが音楽だけでなくビデオコンテンツにも対応するようになった。
 

■第3世代のApple TV登場

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 続いて発表されたのは、第3世代のApple TV。ユーザーインターフェースは異なるものの、実はApple TVもiOSを搭載するデバイスであり、CPUにもiOSデバイスと共通の「Apple A」シリーズが使用されている。

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 今回のアップデートでは、フルHD(1080p)の動画コンテンツの再生に対応したほか、インターフェースも刷新された。ちなみに、デモを演じたのは、インターネット関連ソフトウェア・ サービス担当上級副社長のエディ・キューだ。
 

■お待ちかねの新型iPad登場

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 Apple TVのデモが終わると再びクックが登壇し、iPadに関する話題を持ち出した。過去1年に出荷されたどのメーカーのどのパソコンよりもiPadの販売台数が上回っていると述べ、いままさに「ポストPC」の時代が訪れようとしていることを示した。もちろんAppleとしては、この市場での覇権の維持・拡大を狙う。そのためにリリースされたのが、第3世代の新型iPadだ。
 

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 ただしこのiPadは、「iPad 3」ではなく「新しいiPad」(The new iPad)として紹介された。iPhoneが3G→3GS→4→4Sとナンバリングによって機種を区別しているのとは対照的だ。このネーミングにどんな意味があったのかは知る由もないが、結局「新しいiPad」という呼び名は、定着することなく消えることになる。なぜなら、このわずか7カ月後には第4世代モデル(iPad with Retina display)が発表され、極めて短命に終わったからだ。
 

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 新しいiPadの詳細は、クックに代わって登壇したマーケティング担当上級副社長のフィル・シラーが語った。主な特徴は下記の通り。最大のポイントは、超高精細な液晶モニターであるRetinaディスプレイを搭載したことだ。これにより、描画性能を従来の約2倍に高めた「Apple A5」プロセッサーが採用された。

●Retinaディスプレイ搭載
●クアッドコアApple A5Xプロセッサーを採用
●500万画素クラスのカメラ機能搭載
●手ぶれ補正付きフルHD動画の撮影をサポート
●音声入力機能搭載
●Wi-Fi+Cellular版のLTE対応


■iWorkとiLifeアプリもiOSに対応

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 さらに、iPadの画面に最適化されたiWorkアプリ(Keynote、Numbers、Pages)と、iLifeアプリ(GarageBand、iMovie、iPhoto)も発表され、当日からApp Storeで購入可能になった。結局今回の発表も、大部分はシラーに任されたことになる。
 

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 最後の締めはティム・クック。「今年はもっと色んな製品を出すから楽しみにしていてほしい」意味深なセリフを残し、講演を切り上げた。

 

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