Appleが発表したプロフェッショナル向け音楽制作アプリ「Logic Pro X」(1万7000円)。今回は、Logic ProをiPadからコントロール可能なアプリ「Logic Remote」(無料)、さらにLogic Pro Xのライブ演奏用アプリ「MainStage 3」(2600円)と一緒にリリースされた。
Logicファミリーの最新版は、いずれも操作性を意識したユーザーインターフェースを採用し、音質のブラッシュアップはもちろんのこと、音楽制作のワークフローを効率化する新機能が搭載されている。約4年ぶりのメジャーアップグレードとなるLogic Pro Xの新機能を中心に、レポートをお届けしよう。
最新機能を満載したDAWアプリ「Logic Pro X」
「Logic Pro X」の最も大きな変化は、ダークカラーを基調にした新インターフェースだ。Final Cut Pro Xなどにも通ずるシングルウィンドウ・インターフェースに特化した設計と、Retinaディスプレイといった高解像度モニターで高い視認性を発揮する大きめアイコンデザインを採用し、直感的、かつ快適な操作性を実現している。
今回はユーザーインターフェースが大きく変更されたが、必要な機能が削られることはなく、各機能のメニューにアクセスしやすい、または操作しやすいレイアウトに組み替えられた。Logic 5以降で制作したプロジェクトデータとの互換性を保つ。
従来まで同製品に含まれていたシンセサイザーやキーボードのコレクションをさらに拡張し、新搭載の「Bass Amp Designer」を含む1500以上の音源やエフェクトパッチが加わった。
中でも注目すべきは、楽曲に合ったドラミングスタイルやテクニックで自動的に演奏してくれるバーチャルセッションプレイヤー「Drummer」だ。本機能はセッションにDrummerトラックを追加し、希望のジャンルとドラマーを選択するだけで、誰でも簡単にオリジナリティーとグルーブに溢れたドラムまたはパーカッション演奏を再現できる。
「Drummer」機能の搭載には、一流エンジニアであるボブ・クリアマウンテン氏が関わっているとのこと。これまで複数のドラムループを重ねて制作していたようなリズムトラックも、素早く作成できるようになった。
さらに、外れたボーカルの音や録音済みのメロディーといったオーディオデータの修正が可能な「Flex Pitch」機能、クリエイティブなフレーズを無限に生み出せる「アルペジエータ」をはじめとする9種のMIDIエフェクト・プラグインが装備されるなど、これまでの音楽制作の手法を覆す機能が搭載されている。
また、ひとつの動作で複数のプラグインやパラメーターを操作してサウンドを素早く調整できる「Smart Control」や、複数のトラックを整理してひとつにまとめ、複雑なアレンジを加えられる「Track Stacks」といった機能も、より効率的な録音・編集作業を実現する進化ポイントだ。
任意のオーディオ・リージョンを選択し、「Flex Pitch」モードを選択するだけで、トラックの変換は完了。その状態でピアノロールを開けば、画面上にオーディオピッチも表示され、MIDIデータ同様に音程調整ができる。
プリセット音源のレートやオクターブレンジを調整してオリジナルのサウンドを作れる「アルペジエータ」。入力したMIDIデータをリアルタイム処理して、ベロシティーの調整や転調、ループを加えることも可能だ。これらは従来のLogicでは 「エンバイロメントウィンドウ」と呼ばれる別画面で作業する必要があった。
なお、システム条件はOS X 10.8.4以上で、64ビットAudio Unitsプラグインのみをサポートする。
Logicを遠隔操作可能なiPadアプリ「Logic Remote」
iPadのマルチタッチをフル活用し、Mac上の「Logic Pro X」を遠隔操作可能なiPad用リモートコントロールアプリ。再生や停止といった基本的な操作だけでなく、ミキサーボードから音量/パン/ソロ/ミュートといった詳細な音のコントロールができる。なお、1台のマシンに対して遠隔操作できるiPadは1台となる。
「Logic Remote」はiPad上に表示されたミキシングボード/ピアノの鍵盤/ギターのフレットボード/ドラムパッドなどを操作することで、Mac上の仮想インストゥルメントを自在に演奏できる。
ステージ演奏に特化したライブアプリ「MainStage 3」
以前からのLogicユーザーにはなじみの深い、ライブ演奏用アプリの最新版。「Logic Pro X」との互換性を持つ80以上の音源/エフェクト/MIDIプラグイン/Audio Unitsプラグインを搭載する。Logic Pro XやGarageBandからダイレクトに設定を読み込み、そのままステージ上で演奏できる。
接続したハードウェアを使ってプラグインの再生とコントロールが可能だ。また、ライブ演奏時のフルスクリーンインタフェースはカスタマイズでき、演奏中にユーザーが必要な機能だけを表示できる。
Logic Pro X(Mac)をダウンロードする
Logic Remote(iPad)をダウンロードする
MainStage 3(Mac)をダウンロードする
駆け足となったが、最新のLogicファミリーの新機能を紹介した。このほかの新機能やより詳しい操作方法は、MacPeople10月号(8月29日発売予定)で紹介する。
●関連サイト
Apple(Logic X Pro)
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