7月25日、マイクロコンテンツ型の電子書籍『クラウドファンディング最前線』が発売になりました。希望小売り価格は242円。クラウドファンディングサービス『Cerevo DASH(セレボダッシュ)』を運営する家電ベンチャー・Cerevoの岩佐琢磨社長に、クラウドファンディングでガジェットづくりを成功させる秘訣、そこに潜む落とし穴までをロングインタビューで聞き出した電子書籍です。
聞き手を担当した広田氏に、インタビューを進めながら感じたことを聞いてみました。
↑Cerevoの岩佐琢磨社長。松下電器産業(現パナソニック)でネット家電を担当。その後、独立して起業する。ブログ『キャズムを超えろ!』の著者としても知られる。
■小規模生産によるニッチ製品の可能性を広げるクラウドファンディング
ここ数年、とがったものが生まれてくる場としてアツい視線を集めているのが、クラウドファンディングサービスです。
ネットで新しいイベントやプロダクトを提案して出資を集い、期限までに規定の金額に達したらプロジェクトを始めて、支援者に品物などを還元するという流れになります。作る側としては、事前に資金を得られるし、売れる数が確保できているので在庫を抱える危険を避けられる。支援側は、既存の企業が尻込みしてしまうような面白いアイデアに参加できるうえ、限定のアイテムや体験を得られるのがメリットですね。
代表的なサービスといえば、何と言っても米国の『KickStarter』でしょう。今までスマートウォッチの『Pebble(ペブル)』、Androidベースのゲーム機『OUYA(ウーヤ)』、3Dの世界に飛び込めるヘッドマウントディスプレー『Oculus Rift(オキュラス リフト)』など、マニアが一も二もなく飛びつくガジェットを生み出してきました。
クラウドファンディングサービスは、実は日本でもじわじわと浸透してきてます!! 中でも週アス読者なら、ガジェット専門の“Cerevo DASH”(外部サイト)はぜひともおさえておきたいところ。ハードウェアベンチャーのCerevoが、国内随一のクラウドファンディングサービス“CAMPFIRE”と協業してスタート。自社で提案したカメラ用の遠隔シャッター機器『SmartTrigger』や、無駄にカッコいいヌンチャク系ケース『iPhone Trick Cover』など、いくつかの製品を成立させてリリースしてきました。
↑SmartTriggerは、iPhoneで一眼レフを操作して遠隔シャッターを切れるアクセサリー。価格は7499円で、別途カメラに対応するレリーズケーブルが必要。
というわけで、そんなCerevoの岩佐社長に、クラウドファンディングでガジェットづくりを成功させるコツを聞いたのが本書です。誰しも「なんでこういう製品がないのかなー」と想像したことは一度はあるはず。じゃあ、クラウドファンディングで資金を集めれれば、意外と作れるんじゃない? そう思ったアナタはぜひ本書を手に取ってほしいです。
Cerevoは、ハードウェアベンチャーとして小規模生産に対応する海外工場とやりとりするノウハウを持ち、パソコンなしでネット中継が可能な『LiveShell』(外部サイト)などの製品を生み出してきただけあって、かなり具体的に踏み込んだクラウドファンディングの世界を語ってもらいました。
特に面白く感じたのは、金型などの初期投資を考慮して、クラウドファンディングにおけるプロジェクトの成立価格を設定しようという話。支援者が気軽に出せるようにと価格を安く設定しすぎると、あとで作れば作るほど赤字になってしまう。かといって高くしすぎては、買ってもらう機会を逃してしまう。クラウドファンディングにアイデアを出して成立すれば何でもできるわけではなく、事前にものづくりの戦略を立てておく必要があるということです。
ガジェットファンやクラウドファンディングって実際どうなの?と感じてるメーカーの人などにとっても、非常に興味深い内容になっています。ぜひ、手に取ってみてください。
『家電ベンチャーCerevoが語る クラウドファンディング最前線』
●希望小売価格 242円(税込み)
●配信開始日 7月25日より順次
●取り扱い電子書店
Amazon Kindleストア(販売ページ)
BOOK★WALKER(販売ページ)
●関連サイト
Cerevo(公式ページ)
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