超名作ロボットアニメ『装甲騎兵ボトムズ』が、今年30周年のメモリアルイヤーを迎えている。戦争もののロボットアニメなのに、第1話のサブタイトルが「終戦」でド肝を抜かれたチビっ子たちも、今や社会の第一線でバトリングを重ねるいい大人になっているはずだ。ここはひとつ、7月20日に発売されたばかりの“ボトムズコラボ腕時計”の製作工程を目の当たりにして、当時の熱気と興奮を取り戻していただきたい!(もちろんガワラ立ちで)
これが『装甲騎兵ボトムズ』腕時計だ!
ひと目見て“ボトムズもの”だとわかる3つ目のターレット調デザイン。時針・分針・秒針に分かれているトリプルムーブメントモデルだ。個別に電池交換が必要だが、それは大した問題ではない。ボトムズ名物次回予告で言うところの、「あえて火中の栗を拾うか!?」を体現しているに違いねぇ。
いよいよ制作現場に潜入!
ボトムズ腕時計は、吉祥寺にある手作り腕時計メーカー『JHA』が製作している。工房と併設の店舗では、手作りならではのデザインの腕時計が並ぶ。いいよコレいいよ。
工房に潜入すると、同社代表取締役の篠原氏を発見。今回のボトムズ腕時計をはじめ、アニメコラボの腕時計を自ら手がけている。さっそく、製作の経緯をインタビューしまくった!詳しくは以下。
「マーケティングなんかしない」
横江jpeg(以下J):アニメコラボの腕時計を作ろうと思った経緯を聞かせてください。
篠原氏:アニメの時計はたくさんありますけど、文字盤にキャラクターの顔やタイトルロゴがポンと載っているようなのが多いな、と思っていました。それではつまらないので、アニメの世界観に基づいた、登場キャラクターが身に付けていそうな時計を作りたいと思ったんです。それに、「私自身がアニオタだから」というのもあります。
J:すでに他作品の製品をいくつか販売されていますが、コラボ作品を選ぶ際のマーケティングは、どうされているんですか?
篠原氏:マーケティングなんかしないんです。私が、それを作りたいかどうか。元々ファンなら、その作品に何人くらいファンが居るだろうな、と知っていますから。その人たちに届けたいんです。今までコラボした『ビッグオー』や『LAST EXILE』も同じことで、マーケティング的な意味で“どこまで人気があるか”というのは関係ないです。
↑同社で発売中の『ザ・ビッグオー』と『カウボーイビバップ』のコラボ腕時計。ウガガッ!!こ、こんなの売ってたなんて……知らなかった~ッ!! |
J:今回『装甲騎兵ボトムズ』を選んだのも、前々から好きな作品だった、という出発点があるわけですね。
篠原氏:そうですね。「次はボトムズをやりたい」と思っていました。ボトムズは色々なシリーズがあって、歴史のある作品。私もいまだに好きだし、若い世代でも最近作品を知って好きになった人がいると思うので、そういう人たちに届けたいと思って作りました。特に若いファンの人達は、当時(1983~84年のTVシリーズ放映時)発売されたグッズを欲しいと思っても、手に入りませんからね。
“キリコモデル”にしなかった理由
J:製作するにあたって、注力したポイントはどんなところでしょうか?
篠原氏:アニメコラボの腕時計を作る場合は、(セオリーとして)主要キャラクターのモデルを作るんですが……キリコという主人公は、モノを大事にしなさそうだから(笑)。なので、作るのは“キリコモデル”じゃないな、と。それで、スコープドッグを前面に出そうと思いました。
J:素材はなにを使用されているんですか?
篠原氏:真鍮ですね。ある程度の硬さがあって、加工がしやすい。それに、素材そのものに味がありますから。使っているうちに自然と変色してレトロ感が出たりするのも、真鍮の良さですよね。
実際に目の前で作ってもらいました
取材班の常軌を逸したお願いが功を奏し、実際にボトムズ腕時計を作っていただきました。これがハンドメイド腕時計の真髄だ!!
↑先ほどの穏やかな雰囲気から一転、職人としての表情を見せる篠原氏。ポーズ指定で「ろくろを回してください」などと言い出せる空気ではなかった。 |
↑腕時計のベースとなる部分。JHAで製作した原型をカタ屋さんに渡し、鋳造してもらったもの。 |
↑小型ドリルでリューズを通す穴を開ける。トリプルムーブメントのため、一部工程の作業量は一般的な腕時計の3倍だ。 |
↑文字盤のパーツに磨きをかける。刻印されている数字はもちろんギルガメス文字。 |
↑ムーブメントに、文字盤とリューズを取り付ける。ムーブメントは大手メーカーのものを採用している。 |
↑手作り腕時計の製作において特殊工具はほとんど使わないそうだが、針やリューズを装着するときには専門の工具を使用する。 |
↑ムーブメントを真鍮製の本体に収め、リューズの軸を短くカットする。 |
↑裏蓋を閉じて、文字盤にカバーを被せれば本体の作業は完了だ(写真はカバー装着前)。ここまでの作業時間は約40分。速い。 |
↑革製のバンドも、型抜きから着色まで手作業で行なう。スコープドッグをイメージしたカーキ系の塗料を選択。 |
↑バンドの穴はハンマーで金具を叩いて開ける。流れ作業のようにガツガツと進められるが、これも手元の狂いは許されない精密作業だ。 |
↑完成!!1日の生産可能本数は「慣れもあるけれど、5~10本」とのこと。 |
さて気になるお値段は、2万2500円(税込み2万3625円)。これだけ労力をかけているのに、安すぎませんか?と尋ねると、篠原氏はこう答えた。「腕時計の値段はあってないようなもの。お客さんに納得して買ってもらえればいいんじゃないですか(その目は優しかった)」
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(c)サンライズ
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