アメリカのApp Storeにマイクロソフト謹製のiPhone版Officeアプリ『Office Mobile for Office 365 subscribers』が登場しました。
現状、残念ながら日本のApple IDではダウンロードできないので、現地特派員からのレポートを掲載します。
まずは、気になるOfficeファイルの再現性について。(それぞれ左がiPhoneアプリ版、右がPC版Office2010での表示)
Word
Excel
PowerPoint
Wordファイルは2段組の表示をサポートしていない点を除けば、ほぼきちんと表示されています。とくに、Officeのキレイなグラフなや“SmartArt”がちゃんと表示されるのは、さすが純正といったところ。
次に、アプリ内編集機能を各ファイルごとに見ていきましょう。
Word
●できること
・テキストの編集
・フォントの書式変更(太字など、背景色、文字色、サイズ)
・SkyDriveへの保存
・テキスト検索
●できないこと
・画像や表などの挿入
・ドキュメントサイズの指定
など
全体的に単純なリッチテキストエディターという印象。ビューワーもしくは既存のファイルのテキストに少し手を加える程度の使い方ができそうです。
Excel
●できること
・セルへのテキストの編集
・セルの書式変更(太字など、単位、背景色、文字色)
・グラフの作成(縦棒、横棒、折れ線、円、面、散布図)
・関数の入力
・並び替え
・フィルターの適用
・SkyDriveへの保存
●できないこと
・グラフの書式変更
・オートフィル
・画像の挿入
・罫線の書式設定
・マクロ関連
など
基本的な関数はだいたい使えるのがうれしい。オートフィルやマクロ実行などができないので、多めのデータや複雑な作業には向かないが、家計簿をつける程度ならピッタリ。
PowerPoint
●できること
・スライド内テキストの編集
・ノート内テキストの編集
・スライド順序の変更
・スライドの非表示設定
・SkyDriveへの保存
●できないこと
・画像や表などの挿入
・オブジェクトの移動
・全体的な書式の変更
・アニメーションの設定・変更
・スライドの追加・削除
など
こちらもWordと同じく、ビューワーもしくはカンタンな手直し程度なら使える。ただ、アニメーションなどはけっこう忠実に動くので、AirPlayなどを利用してプレゼンを実行するには優秀。
全体的に未実装の機能が多い点やiPadに非対応な点など、PC版Officeの代替案になるにはまだまだといった印象でした。ですが最大の利点は、“純正”ということ。Officeファイルをキチンと表示できるというだけでも、安心度はまったく違います。
日本での展開開始やOffice365ユーザー以外も利用できる単体アプリでの販売方式が待たれるところです。
(●6月17日9時15分追記)
米MSの公式ブログ(関連サイト)によると、6月18日(火)より29言語に対応、135の市場で公開と記されています。アプリ本体の言語はスクリーンショットにある通り日本語がすでに含まれており、現在確認中ですが、日本での正式リリースは間違いないでしょう。
●関連サイト
App Store『Office Mobile for Office 365 subscribers』(英文)
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