さて毎年恒例の、1年でもっともワクワクするイベントの1つ、アップル世界開発者会議『WWDC 2013』のシーズンが到来。ということで、例年にならって開幕前レポートのお時間です。
昨年は、初日の基調講演でMacBook Pro Retinaが発表され、iOS6の初披露、OS X Mountain Lionの正式発表などが大ネタだった。そんなことを思い出しながら昨年の記事を見ていてつくづく感じるのは、この業界の1年がいかに激動かということ。
たとえば昨年、壇上でiOS6のデビューを「どうだ」と言わんばかりにプレゼンテーションしたミスターiOSのスコット・フォーストール氏(当時上級副社長)は、その5ヵ月後に退任し、今年はその姿はない。Mapアプリ等に端を発するiOS6の問題からの事実上の更迭といわれる。今年はもうあの「ドヤ顔」を見られないなんて。
↑WWDC2012で壇上に立つスコット・フォーストール氏。iOS開発の中心を担って来た重要な人物だった。
さらに製品に目を移せば、WWDC2012から今日までの1年の間に、大きなものではiPhone5、iPad mini、iMac(そうiMac! 美しくすばらしい新デザインなのに、なぜこんなに影が薄くなったのだろう?)、MacBook Pro 13 Retina、そして最も直近ではカメラのない廉価版iPod touchが発表された。
何が言いたいかというと、熱心なアップルウォッチャーでなくともわかるとおり、製品としてはWWDCで発表されるモノよりも、それ以降に登場するものの方がよっぽど多いということだ。
それでもあえて発表の可能性を考えれば、
- MacBook Air Retina =可能性大。ハズレの場合はHaswell搭載のみ?
- Mac Pro =どうやらありそう
- iPhone5S =発売時期を匂わせる程度?
- 廉価版iPhone =まったくもって不明
- iPad mini Retina =まだ先でしょう
- iWatch =本当に出たら面白いけどね
といったところだろうか。特にiOSでバイスについては、先日の価格改定で新価格になってしまった(=継続販売する意図が強い)ことから、日も浅いこの時期の製品デビューはないと見るのが自然。
一方でMacBook Air Retinaの素地は十分に整っている。Proとの棲み分けは?という議論はあるけれど、Windowsの世界ではUltrabookの高解像度化が盛んだ。東芝のdynabook KIRAなんて仮想MacBook Air Retinaそのもののスペック(Haswell搭載ではないけれど)。KIRAの存在は、Retinaモデルは価格レンジでも十分にAirのターゲットに収まることを証明している。ここまで役者が揃って、アップルが手をこまねいて見てはいないのではないか?
●iOS7は今後のアップルにとって重要な意味を持つ
もっとも、個人的にWWDC2013での最注目は、iOS7だ。スキュアモーフィズムからフラットデザインへ、などと見慣れない言葉で語られ始めたアレだ。(関連記事:WWDC直前だけどアップルのことを一方的に予測する by 遠藤諭)
噂どおりリアル風アイコンからタイル状UIに変わるのだとすれば、ここまで大規模なiOSのアップデートは初のこと。そして、これに合わせたUIや機能デザインの根本的な変更こそが、今のiPhoneには必要だと僕は考えている。
プラットフォームとしてのiOSが揺らいでいる、と言いたいわけではない。それどころかiOSはよっぽどのことがない限り、スマートフォンのナンバー1プラットフォームであり続ける可能性は高い。ここまでしっかりとハードと周辺、アプリの消費サイクルが成立したプラットフォームは強い。2000年頃、まるで無敵に見えたWindowsのように。
ただし、強いプラットフォームであることと、人々のライフスタイルを変えるような特別な存在であり続けることはイコールじゃないということだ。さらにこの点で考えると、iOSの“特別さ”がどんどん水や空気のようなものになり停滞感が漂い始めているのが、2007年の初代iPhoneの登場から6年の間に起こっていることだとも言える。
3年前のiPhone4登場時、Retinaディスプレイは完全に革新的な技術と実装だった。スマートフォンでこの高解像度がこの速度で動くのか、と驚かされた(関連:WWDC2010発表直後のハンズオン記事)。
しかし今、Androidではそれを超える448ppiの5インチフルHDディスプレーが当たり前になっている。つまり、ハードウェアでの差別化はどんどん難しい時代に入って来ている。
そういう時代に、iPhoneを”リベラルアーツとテクノロジーの交差点”たらしめるのはOSであり、それゆえにiOS7の進化がどちらの方向に舵を切るのかが重要になってくる。
スマートフォンの世界で、このまま成熟したプラットフォームという意味で”Windows化”していってしまうのか、それともここで大きな揺り戻しを加えるのか?ということだ。
これらはすべてWWDC2013初日、日本時間では6月11日(火)の午前2時からの基調講演の中ですべて明らかになる。
週アスのWWDC取材といえば、もはや恒例となった生中継。もちろん今年も例年どおり現地からの動画生中継を実施予定だ。今年は、メインチャンネルの配信プラットフォームをニコニコ生放送に変更して、Ustreamはサブチャンネルとしての配信とする予定。ニコ生中継はこのページで実施するので是非ブックマークを。
注目のイベント開始まであと2日間。深夜の生中継後は週アスPLUSで全力記事投下、さらに週刊アスキー本誌でも大きく取り上げて行く予定。どうぞお楽しみに。
●関連サイト
WWDC2013公式ページ
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