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au『HTC J One HTL22』をグローバル版『HTC One』と超比べてみた

2013年06月04日 20時00分更新

「ツートップじゃないけれどスマホ界では話題の『HTC J One』。グローバルモデルとどう違うの?」

 実は同じようでまったく違う!

 6月1日にauから発売された『HTC J One HTL22』。海外スマホ好きなら当然チェックしていたであろう『HTC One』の日本市場向け端末だ。

 グローバルモデルと今回発売されたHTL22のブラックメタルの2台を、一緒に触る機会があったのでチェックしてみた。

 細かなスペックは過去の記事を読んでもらうとして、発売前から日本向け端末はグローバルモデルと違うという話だったがパッと見ただけではわからない。しかし、改めて手に取るとスペックではわかりにくい部分が見えてきた。

au『HTC J One HTL22』をグローバルモデル『HTC One』と徹底比較
↑正面から見るとHTL22もグローバルモデルも同じ。表示されている言語が異なるので、違いがわかるという程度。

 まず外観。比べてみてすぐにわかる違いといえば、背面の印字が異なることだろう。グローバル版がBeats Audioの赤いロゴが目立つのに対して、au版のHTL22はロゴがグレーを基調にしたシンプルなイメージだ。認証関連の印字もHTL22にはないのでロゴと合わせて余計にシンプルに感じる。

au『HTC J One HTL22』をグローバルモデル『HTC One』と徹底比較
↑背面下部のロゴの違い。上がHTL22で、下がグローバルモデル。HTL22はモノトーンに近いので、キャリアのロゴも地味目。

 HTC Oneの特徴であるHTC UltraPixel CameraはHTL22でも同じ。しかし、LEDフラッシュの下にはおサイフケータイ対応であることを示すFeliCaロゴが入っている。グローバルモデルはボタン部に赤外線発光部(コンシューマー赤外線リモコン用)が実装されているが、HTL22ではデータ通信可能な赤外線ポートがカメラ下に配置されている。

au『HTC J One HTL22』をグローバルモデル『HTC One』と徹底比較
↑カメラ部の比較。右がHTL22で、左がグローバルモデル。カメラ周辺に色々と付いているのがおわかりいただけるだろうか。

 ロゴ以上に違いを感じるのは実機を持ったときだ。表面の質感や感触はどちらも同じ、サラサラとしたアルミニウムの上質なヒンヤリ感はキモチいい。違うのは大きさと重さ。持ち比べるとすぐに気が付くが、HTL22はグローバル版と比較するとひとまわり大きく重い。数値で比較するとグローバル版は137.4×68.2×9.3ミリ/143グラムに対して、HTL22は138×69×10.5ミリ/157グラムという差がある。

 大きさに関する疑問を解くのがHTL22独自の裏蓋脱着機構だ。本来開かないはずの裏蓋が日本国内版のHTL22では開く構造になっている。グローバルモデルではSIMカードスロットだった場所に、裏蓋開閉用のロックレバーがあり、操作すると裏蓋が開く。なかにはSIMカードスロットとマイクロSDカードスロットがある。グローバル版では背面下部に印字されていた認証ロゴは、HTL22では内部に隠されていた。もちろん技適もクリアしている。

au『HTC J One HTL22』をグローバルモデル『HTC One』と徹底比較
au『HTC J One HTL22』をグローバルモデル『HTC One』と徹底比較
au『HTC J One HTL22』をグローバルモデル『HTC One』と徹底比較

↑側面には裏蓋を開くためのロックレバーが装着されている。ここはグローバルモデルだとSIMカードスロットの場所だ。グローバルモデルに入っているSIMカードは中国チャイナユニコムのもので、日本国内ではローミングで使える。

au『HTC J One HTL22』をグローバルモデル『HTC One』と徹底比較
au『HTC J One HTL22』をグローバルモデル『HTC One』と徹底比較

↑ロックを解除すると裏蓋はこの方向で開く。裏蓋もアルミニウム製で質感は高い。裏蓋を外すと内部を見ることができる。内部シャーシは樹脂製だ。グローバルモデルにはないマイクロSDカードがSIMカードスロットの隣にある。カードサイズはグローバルはナノで、HTL22ではマイクロとサイズが違う。

 この構造を採用した理由としてはいくつか考えられるが、マイクロSDカードを脱着可能にするため、またメンテナンス性を確保するためではないだろうか(グローバルモデルを修理などのために分解するのは至難を極める)。

 そして、この構造のために部品点数が増え、背面部の厚さと重さが増したものと考えられる。2台を机に置いて真横から見ると、HTL22の背面の膨らみが大きいことがわかるだろう。数値で言えば背面以外もわずかに大きくなっていることから、HTL22は日本市場に合わせて投入されたまったくべつの製品と言っても過言ではない。むしろ、グローバルモデルにはないマイクロSDカードが使える点は大きなアドバンテージだろう。

au『HTC J One HTL22』をグローバルモデル『HTC One』と徹底比較
↑机の上にディスプレー側を下にして置いてみた。左がHTL22で右がグローバルモデル。0.8ミリの厚みの違いだが、比率で言えば約1割に近いので、見た目にも大きいことがわかる。

 また、キャリアがauということもあり、グローバルモデルとは異なるベースバンドモジュールが内蔵されている。そのため、ネットワークサービスを切り替える画面はそれぞれ異なる。HTL22では、CDMA2000 2100/800MHzへの対応はもちろん、2100/1500/800MHzに対応したトライバンドLTEとなり、現状のAndroid端末としてはかなり高速のカテゴリーに入る。

au『HTC J One HTL22』をグローバルモデル『HTC One』と徹底比較
↑ネットワーク切り替え画面もキャリアに合わせているため、グローバルモデルとは異なる内容だ。

 通信系でひとつ残念な点と言えば、内蔵する無線LANがグローバルモデルではIEEE 802.11 ac/a/b/g/nで最新のacに対応しているが、HTL22ではacが省かれたa/b/g/nの4つだけになっている。

 HTC Oneが持つ、シンプルかつスマートなデザインを優先させるならグローバルモデルだが、日本仕様であるHTL22も国内で使用するならば便利な機能が多く、多少のサイズアップは許せる気がする。なによりベースデザインを生かすように、注意したことがわかる作り込みが施されている点は好感が持てた。

●関連サイト
HTC One
HTC J One HTL22
EXPANSYSジャパン
製品販売サイト(EXPANSYSジャパン)

※著者および編集部は、技術基準適合証明(技適)を受けていない通信機器の利用を勧めるものではございません。通信機器は各国の法律に基づいて利用してください。各国の法律に反して利用しても、著者および編集部は一切責任を負いません。

(2013年6月5日4時45分追記)グローバルモデルのNFC対応について、また赤外線ポート対応について誤った記載がありました。お詫びして訂正いたします。

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