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Apple基調講演11 iPhoneに続くキラーデバイス、初代iPadデビュー|Mac

2013年05月19日 21時00分更新

 このイベントは、2010年1月27日に開催された。例年であれば、年頭のMacworld Expoで発表されたであろう内容だ。しかし、アップルは2009年を最後に同エキスポへの参加を中止。本社内の会場で、独自に製品発表会を開催するスタイルに切り替えた。メインスピーカーは、もちろんスティーブ・ジョブズ。2009年9月の休養明け初のイベントでは、まだ病み上がりの印象を否めなかったジョブズだが、本講演では力強くスピーチする姿を見せ、人々を安心させた。

 ジョブズはいつもの前振りとして、自社の業績を報告。直近の四半期だけで156億ドル(約1兆5000億円)の利益を計上し、ソニーやサムスン、ノキアを抜いて世界一のモバイル機器メーカーになったと述べた。初代iPhoneが発表されたのが2007年1月。その後たった3年でこの偉業を達成したことになる。もちろんここで言う「モバイル機器」には、iPodシリーズやMacBookシリーズも含まれる。

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■早々に披露された目玉製品のiPad

 続いてジョブズは、いきなり本イベントの目玉製品を披露した。初代iPadだ。「スマートフォンとノートPCの間を埋める製品とは何か、我々は考えた」とジョブズは言った。そして「狙いとしては(Windows勢が出していた)ネットブックも同じだ。だが、ネットブックはスマホにもノートPCにも劣る、中途半端な製品だ」とも。スマートフォンとノートPCの間に位置し、スマホやノートPCよりも優れた部分を持つデバイスとは何か。それがiPadだ、とジョブズは豪語した。その前からAppleがタブレットを開発しているという噂は出回っていたため、サプライズという点ではやや弱かったが、それでもジョブズ自らが発表した新ジャンルのデバイスに、観衆は沸き立った。

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■新しいSDKとiPad専用アプリ

 iPadの概要について、デモをまじえつつひとくさり論じると、ジョブズは壇上を下りた。価格や発売日などの誰もが知りたがる情報は伏せたままに、だ。ジョブズ一流の「焦らし」テクは、この講演でも健在だったわけだ。続いて壇上に上ったのは、iPhoneソフトウェア担当上級副社長のスコット・フォーストール。iPad用アプリの開発に対応した新しいSDK(開発キット)が当日からダウンロード可能なことを述べると、主要なサードパーティーの代表者を壇上に招くと、彼らが密かに開発していたiPad向けアプリのデモを演じさせた。gameloft社、New York Times社、EA社などのメジャーどころが、魅力的なコンテンツを紹介。人々がiPadは単なる「デカいiPhone」ではないことを理解するのに十分な内容だった。

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■iBooksとiBookstore

 フォーストールのスピーチが終わると、再びジョブズが登壇。今度は「iBooks」アプリおよび、電子書籍配信プラットフォームのiBookstoreを紹介した。音楽をiTunes Storeで、アプリをApp Storeで買うように、これからは電子書籍をiBookstoreで購入し、iBooksで管理する。これからそういう時代になることを予感させた。実際に2010年は、日本でも「電子書籍元年」として出版業界が沸いたが、実際に日本でiBooksやiBookstoreがまともに使えるようになったのは、ごく最近のことだ。

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■シラーによるiPad向けiWorkアプリのプレゼン

 続いてスライドに表示されたのは「iWork」のパッケージだった。「Keynote」「Pages」「Numbers」の3本のiWorkアプリのiPad版を開発し、各9.99ドルで単体販売するという。各アプリのプレゼンは、マーケティング担当上級副社長のフィル・シラー。iPadのタッチインターフェースに最適化されたiWorkアプリを、エレガントにデモンストレーションした。

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■チャレンジングな価格設定で猛アピール

 講演の締めは、やはりジョブズ。DockやカバーといったiPad専用の純正アクセサリーを紹介したあと、いよいよiPadの価格を発表。最も低価格なWiFiの16GBモデルが499ドルとわかった瞬間、会場は喝采に包まれた。WiFiモデル、WiFi+3Gモデルのリリース時期が発表され、iPadの紹介ビデオが上映されたところで、約1時間半の講演は終わった。なお、ジョナサン・アイブほかAppleの幹部が登場するこのビデオは、日本のAppleファンが作った「広島弁」バージョンが、iPadそのものとともに一時期話題となった。

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