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“ハトマーク”も出品の超鉄道ブースオークションに参加者1000人超:超会議2

2013年05月09日 08時00分更新

 ニコニコ超会議2の数あるブースのなかで、一時的にブースが埋まって身動き取れないほど集客があったのが『超鉄道エリア』だ。引退したばかりの歴史的な車輌の部品販売から、各鉄道会社のグッズ販売まで、鉄道ファンが大いに盛り上がった『超鉄道エリア』の2日間をリポートする。

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■京阪旧3000系の公開解体買付けショーで『ハトのマーク』が70万円で落札

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『超鉄道エリア』の中でも一番盛り上がったのが、2日目4月28日のステージ『京阪旧3000系の公開解体買付けショー』だ。公開解体買付けショーとは、引退した鉄道車輌の部品の購入者を公開ライブ中継で募るイベント。京阪旧3000系に関しては、京阪電車の寝屋川車庫に留置してある旧3000系から中継が行われた。今回からは一部オークションも導入されたが、販売は基本的に抽選で行われる。買付参加者には予め自分の番号札が10枚渡される。そして欲しい部品を購入するときに、その番号札を入札箱に入れ、超鉄道エリアのプロデューサー向谷実氏が入札箱からランダムに引いて購入者が決定される。こうした抽選制度が導入されている背景には、鉄道部品が一部のファンの間で高値で取引されている現状がある。それに対して向谷氏が「思い入れのある車輌の部品を誰でも公平なチャンスでかつお買い得な価格で手に入れられるように」という思いから実現したもの。買付価格は送料込みとなっており、当選者が遠隔地の場合には購入価格よりも送料の方が上回る場合がある。そうなると、向谷氏側が送料分を補填しなければならないケースも発生する。とはいえ、向谷氏は本買付ショーをあくまで超会議のイベントの一貫と考えているため、特に儲けなどは重要視しておらず、むしろ運任せにすることで、その結果すらイベントの盛り上げ役にしているようだった。

 旧3000系の買付ショーでは、買付参加者だけでも1000人超、観覧も含めると、まさに『超鉄道エリア』が満杯になり通路さえも通りにくい状況になっていた。京阪旧3000系は車内にテレビがある”テレビカー”として長い間親しまれてきた車輌で、3月31日に引退したばかりだ。(京阪旧3000系や出品された部品の詳細に関してはこちらのリンクを参照して欲しい。)地元京阪地区はもちろんのこと、全国各地にファンが多い。予め購入できる部品が公開されていたこともあり、なんとか欲しい部品を手に入れようとファンがつめかけ、会場は熱気にあふれていた。

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 買付ショーのステージは向谷氏はじめ、コメンテーターとして、鉄道好きで知られるホリプロ 南田裕介マネージャー、車内アナウンスなどをDJ風にアレンジするグループ『SUPER BELL''Z』の車掌DJ 野月貴弘氏、司会進行役として『鉄道アナウンサー』ことホリプロアナウンス室 久野知美さんが登場。また、現地の寝屋川車庫での商品紹介は『音楽館』の横尾真梨子さんが務めた。いずれのメンバーも鉄道好きなため、旧3000系の車内で車掌が使う車内連絡ベルを鳴らしたり、座席の方向を自動で転換する装置を作動させて盛り上がったりと、買付ショーの参加者と一体になって旧3000系を楽しんでいた。

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 買付ショーに出品された部品の多くは2000円~3万円前後のものが多く、旧3000系の人気を考えるとほとんどの部品が破格の価格設定だった。ニコ生のコメントも、部品の価格が発表される度に「安すぎ」「価格破壊神!」などが流れた。人気が高かったのは、車内連絡ベル(3000円)や路線案内(5000円)、客室内温度計(2000円)、車内番号板(2万円)などの小物の部品。逆に人気がイマイチだったのが、貫通扉(客室―客室間)など、部品サイズが大きく重量のあるものだった。また、“テレビカー”の由来ともなった、32インチ地デジテレビとチューナーのセットも5万円で販売された。
 参加者のなかには、なんと旧3000系に乗務経験のある京阪の現役車掌の男性が登場。7万円の行先表示器(側面)+行先設定器(列車の種別と行き先を表示する部分)を引き当てた。向谷氏は「身内が購入するのはどうなの?と思う人も居るかも知れないが、それだけ自分の会社を愛しているということ」とコメント。観客からも拍手が上がった。また、購入者の中には鉄道好きのよしもと芸人 鈴川絢子さんなどの姿もあり、蛍光灯カバーを購入していた。さらに、ステージ中に自由民主党の石破幹事長と三原じゅん子氏が超鉄道ブースを訪れてステージに登壇。石破氏は鉄道好きということもあり、向谷氏と鉄道トークを繰り広げた。(後述)

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  買付ショーのハイライトを飾ったのが、旧3000系の前面に取り付けられ、京阪特急の象徴とも言える特急マーク“ハトマーク”と、同じく前面に取り付けられ、旧3000系を特急列車以外で運用する場合に特急マークを隠す“ハト隠し板”だった。他の部品が抽選だったのに対し、この2つは人気が高いためオークションとなった。“ハト隠し板”は5万円からスタート。最終的には11万円で落札された。最も人気の高い“ハトマーク”は10万円からスタート、最終的には二人の男性が競り合って70万円まで価格が上昇。ここで、さすがに高額になりすぎていると、向谷氏がストップをかけ京阪の担当者もそれに同意。決着はジャンケンとなった。見事“ハトマーク”を購入したのは、なんと“ハト隠し板”を購入した神奈川県の男性。“ハトマーク”と“ハト隠し板”がセットでひとりの男性に手に渡ったのには驚いた。

■巨大なE1系MAXロゴが落札! 新幹線公開解体買付けショー

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 1日目の4月27日はJR東日本の新幹線200系とE1系の公開解体買付けショーが行われた。新幹線の車輌部品がこのような形で販売されるのは世界初。出品された200系新幹線の車輌は、3月23日まで使われていた200系最後の生き残りで、さよなら列車『ありがとう200系』号にも使われたK47編成の先頭車『222-1510』だ。K47編成は東北・上越新幹線開業当時と同じカラーリングに戻された“リバイバルカラー”となっており、鉄道ファンのみならず人気の高い車輌だった。さらに、200系は東北・上越新幹線で最初に使われた車輌でもあり、0系新幹線とならぶ新幹線の代表的な車輌といえる。この鉄道史だけではなく、日本史にも残る歴史的車輌の部品ということもあり、会場は500人以上の買付希望者がつめかけた。ステージメンバーは旧3000系ステージと同じ、コメンテーターに向谷氏、野月氏、南田氏、司会進行役に久野さん、現地からの商品紹介は横尾さんが担当。

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 現地からの映像で会場を驚かせたのが、車輌の系統が全く違う200系とE1系が連結で留置されていたことだ。恐らく、中継がやりやすいようにというJR東日本側の配慮だろうが、200系とE1系が連結されている様子は前代未聞の光景であり、ニコ生のコメントも「おおおおお」という段幕で埋め尽くされていた。

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 部品の価格は2000円~7万円。1万円を切る価格の部品も多く、旧3000系と同様にかなりの破格な価格設定となった。中でも人気だったのは、非常灯(3000円)や製造会社の東急車輌やJR東日本と書かれた楕円車籍銘板(8000円)、車体から切り抜いた車番(7万円)、K47の編成番号が入った乗務員室扉窓(2万5000円)、車内案内図(3000円)だった。特に非常灯は国鉄時代から使用しているもので、国鉄を表す“JNR”のロゴが入っており、これには会場のみならずニコ生のコメントも「これはむちゃくちゃ欲しい」「やばw」「1万円でもいいだろ」などコメントが弾幕となった。さらに、200系新幹線のシンボルとも言える、前頭部の連結器カバー(5万円)やE1系の側面に描かれた“MAX”ロゴを切り出したもの(5万円)なども出品。これらは博物館に収蔵されてもおかしくない貴重な部品であり、会場は大いに盛り上がった。

■サプライズオークション EF81のナンバープレートが46万円に!

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 新幹線公開解体買付けショーの後にサプライズで行われたのが、EF81型電気機関車 57号機のナンバープレートのオークション。EF81型電気機関車は、交流と直流の両方に対応し、両区間をノンストップで運行できる寝台特急から貨物列車までけん引する日本の代表的な電気機関車のひとつだ。現在はEF510型にその座を譲りつつも寝台特急『あけぼの』や『トワイライトエクスプレス』、日本海縦貫貨物列車に使われており、ニコニコ超会議号もEF81が交代でけん引している。国鉄時代から使われている機関車だけに鉄道ファンの人気も高い。
 
 そのEF81の廃車となった57号機のナンバープレートが登場。会場からはこの日一番の歓声が沸き上がった。ニコ生のコメントも「すげー」などの弾幕で埋め尽くされた。オークションは10万円からスタートし、最終的には46万円で落札。落札した男性に伺ったところ「EF81はよく撮影していた思い入れの深い機関車。どうしても欲しかった」とのこと。

■鉄道縁日で各鉄道会社が新製品やレアグッズを競って販売

 超鉄道ブースでは、各鉄道会社などが、自社のオリジナルグッズを販売。しかも、超会議2限定のレアグッズもあり、こちらも見逃せない内容となった。

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 京阪電車は、旧3000系の引退記念のオリジナルグッズを中心に販売。また、トミーテックの1/150スケールの精密な鉄道模型『鉄道コレクション』の京阪600型1次車(特急色)は鉄道縁日で先行販売となったが、両日ともに早々に完売。

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 阪急電鉄はニコニコ超会議2限定の6300系オリジナルタオルや『鉄道コレクション 6300系 京とれいん』の先行販売などを行っていた。また、ステージでは、Nゲージのジオラマの販売や、実際に使われていた実物の列車種別を示すヘッドマークのオークションが行われ、6万6000円で落札された。このヘッドマークにはスペアのシールもついており、半円状の部分をめくると回送の札も出てくるファン垂涎の逸品。

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 鉄道ソーシャルゲーム『きまぐれ鉄道ぶらり旅』を運営する、アイテック阪急阪神は東北各地の私鉄のグッズを販売。東日本大震災で大きな被害を受けた三陸鉄道や、2012年3月31日で廃止された十和田観光電鉄の硬券付きドリンクなどレアなグッズが数多く販売された。また、青い森鉄道のイメージキャラクター『モーリー』の着ぐるみが登場。ステージでは、向谷氏や鉄道タレント斉藤 雪乃さんらと共に商品紹介を行った。

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 トミーテックは、同社が展開する鉄道会社の制服フィギュア『鉄道むすめ』のフィギュアの展示と、イベント限定販売のポスターなどのグッズの販売が行われた。

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 JR九州はニコニコ超会議2オリジナルデザインの台紙がついたICカード『SUGOCA』を販売。超会議が終わる頃には完売していた。

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  東急電鉄は『渋谷ヒカリエ』の1周年記念で登場したラッピング電車『Shibuya Hikarie』号の記念乗車券を販売。東急線各駅では既に売り切れたものだが、会場限定で販売された。

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 小田急電鉄は60000形特急車輌『MSE』のプラレールや同社車輌のNゲージの模型セット、デフォルメ模型『Bトレインショーティー』、Nゲージスケールの精密模型『鉄道コレクション』を中心に販売。

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 京急電鉄は実際に使われていた乗務員用の運行ダイヤやそれを元にした『じゆうちょう』など、ユニークなものがあった。

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 東京メトロでは、オリジナルグッズのほか、なんと廃車になった05系の車番部分を切り出したもの(2万円)を販売。さらに東京メトロの前身となった営団時代のシンボルマークなどをステージでオークション販売を行っていた。

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 東武鉄道では、切符券売機に使われていた案内板を6000円~7000円で販売。これも東武ファンなら欲しいレアな逸品だ。

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 向谷氏が代表取締役を務める音楽館は、向谷氏のプロデュースによるAKB48のメンバーが参加したニコニコ生レコーディングのCDやSUPER BELL''Z 野月氏のCDなどを販売。また、前年のニコニコ超会議号で配られた、ニコニコ超会議号がプリントされた箸『ハシ鉄』が販売されていた。

■石破氏に岡村氏などゲストが次々登場!

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 28日の超鉄道ブースには、さまざまなゲストが登場して人々を驚かせた。中でも旧3000系の買付ショー中に自由民主党の石破幹事長と三原じゅん子氏が来訪したときは、もともとの人も多さも手伝って、超鉄道エリアが人でパンクしそうになったほどだ。石破幹事長は鉄道好きで向谷氏とは同世代ということもあり、鉄道談義に花を咲かせた。
  向谷氏が「京阪の旧3000系ってご存知ですか?」と問いかけると、石破氏はスラっと「テレビカーってやつだよね?」と鉄道に関する知識も深い様子。向谷氏から鉄道は好きか?と問われると石破氏は「スゴイ好き」と強調。「自分は“乗り鉄”兼“飲み鉄”だ」と語った。向谷氏がニコニコ超会議号に乗ってきたことを説明し、「夜行列車はお好きですか?」と問いかけると、石破氏は「24系が一番好き。20系はちょっと寝台が狭いね。」とのこと。確かに20系では52センチだった寝台幅が24系では70センチとなって寝やすくなっている。まさに両方とも体験した“乗り鉄”ならではの感想と言えるだろう。また、向谷氏が「A寝台でないと身体がお辛いのでは?」と向谷氏が聞くと、「寝台が線路と平行ならB寝台でも大丈夫。電車寝台であったよね?」と石破氏。すかさず向谷氏が「583系ですね!」と切り返し、お互いに同じ趣味の者として通じ合うものを感じたようだ。ちなみに、三原じゅん子氏は「入っていけない話題ですね。スゴすぎます」とやや引き気味だった。
 向谷氏が「同世代だけに新幹線の開業、蒸気機関車も寝台全盛期もご存じなんですね?」と問いかけると、石破氏は、鳥取出身なのでと前置きし「SLはC57形が一番綺麗だった。D51もいっぱい走ってました。C62は見たことないですね。」と過去を振り返った。どうやら山陰本線の蒸気機関車を身近に感じながら石破氏は育ったようだ。さらに石破氏は「私は旧国鉄の24系が好き。北斗星がある間にできるだけ乗りたい。みなさん、できるだけ残しましょう!」と締めくくった。
 

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 また、『京急運転主任さんごっこ』のステージの最中には、お笑いコンビナインティナインの岡村隆史氏が来訪。東京に来てから電車は乗らないとのことで、ステージで何が行われているのか、イマイチついて行けてない感じではあったものの、京急運転主任さんのコスプレをして「少し電車に詳しくなりました」とのこと。

■京急の新品川駅が超新品川駅に! ツアー実施!

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 京浜急行は“運転主任”という列車の運行状況を管理しているスタッフがいる。“運転主任”は列車を駅で連結したり分解するときに指揮をしているため見かけることがある。この“運転主任”の制服を着て、本物の運転主任さんと、無線の掛け合いをして記念撮影できるのが『京急電鉄 運転主任さんごっこ(撮影会)』ステージだ。抽選で選ばれた参加者は、やや戸惑いながらも列車の分割や入れ替えなど、シチュエーション別の台本を読み、信号旗を振って記念撮影していた。
 また、京浜急行では、超会議2に併せて、品川駅北側に敷設されている、車両を留めておく留置線に付属する業務用ホーム、通称“新品川駅”を5月6日まで“超新品川駅”という駅名看板で設置。普段はお目にかかれないこの“新品川駅”だが、特別に招待されるイベントが実施される。ステージ中に抽選で5名が招待権を獲得した。

 超会議3の開催決定がドワンゴの運営スタッフから知らされると、ステージ上の向谷氏は「来年はもっとスペースの広い超鉄道エリアが欲しいよね?」と観客に呼びかけるなど、すでに超会議3の超鉄道エリアに対するやる気をみなぎらせていた。来年はどんなイベントになるかはまだ分からないが、向谷氏がプロデューサーを務めるかぎり、鉄道ファンの期待を裏切らない楽しい内容になりそうだ。
 

●関連リンク
ニコニコ超会議2公式サイト

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