5月15日にニューシングル『らへん』をリリースする近藤晃央さんに、楽曲に関する想いを伺いました。また、インタビューとともに“心がウキウキする5曲”や愛用ガジェットに関してもお話頂きました。ボリュームたっぷりの内容をお楽しみください。
"発想の転換"を伝える
――新曲『らへん』は柔らかさのなかに憂いを含む楽曲ですね。
近藤 これは僕が音楽を始めたばかりのころにつくって、ずっとストリートライブで歌いこんできた曲なんです。自分ひとりでつくり上げてきたつもりでしたが、今回プロデューサーに亀田誠治さんを迎えてさらに成長させることができたと思います。
――どのあたりに成長の跡や違いを自身で感じますか?
近藤 新しく2番の歌詞を加えたことで、曲のもつ意志がはっきりしたんです。もともと曲の軸となる歌詞に"疲れたから会わないんじゃなくて 疲れたから会いたい"という部分がありました。今回"寂しいから会いたいんじゃなくて 会いたいから寂しい"という言葉が加わったことで"発想の転換"がわかりやすく伝えられた気がします。同じことを考えても視点を変えればネガティブにもポジティブにもなる。考え方次第で、どんな辛いことだろうと、前向きに気持ちが変わるんだときちんと歌えたと思うんですよ。
――すべては考え方次第だと。
近藤 そういう気づきを聴いてくださるかたに与えることができたらいいですね。とはいえ、この曲はすごく明確なことを言っているわけではなくて。日々感じている、ぼんやりした部分の核心にちょっとずつ迫る。そんな曲なんだとも僕は思っているんですよ。
常に同じことを歌っている
――歌われていることは日常に付随する出来事が中心です。
近藤 まさに日常そのもの。歌詞にある願いのような部分は自分にとっての後悔から生まれた言葉だし、満たされている部分は記憶し残しておきたいと思った経験。実際に起こったことと、起こしたかったけれど、起こらなかったことを歌詞に書くことが多いです。僕は常に同じことを歌っているとも言えますね。
――常に同じ=表現するうえでの核の部分ということですか。
近藤 日常に重ねていくうえでの"ふつう"、"あたり前のこと"、そのなかに転がっている宝石のように輝いているものを忘れさせないために歌うというか。『らへん』で言うならば自分のエゴを貫いていった先に見えたのが自分以外の誰かだった。それを気づかせてくれた人に恩返しがしたい気持ちだとか。それは家族や恋人、友人など人生を生きるうえで必要であり、守り、どんな状況でも関わり続けていく相手のことなんです。そういう大切な存在に対する"想い"がどの曲にも詰まっていると。曲を聴けば、それぞれの相手が思い浮かぶはず。自身に当てはめて聴いてもらえると嬉しいです。
■今回インタビューの際に、プレイリストも制作して頂きました。近藤さんがウキウキしてしまう楽曲とは!?
【プレイリスト】
【お題】
心がなんだかウキウキする5曲
選曲:近藤晃央
僕のなかでは、ウキウキ=アップテンポではなく、聴いていて気持ちいいものならなんでもという感じ。耳が喜ぶ音にウキウキします。
【1曲目】
Aimer
『RE:I AM』(シングル『RE:I AM EP』収録)
同じレーベル。デビューしたてのときにテレビで聴いて知りました。新作はサウンドが新鮮なんですよ。
【2曲目】
サカナクション
『Aoi』(アルバム『sakanaction』収録)iTunes
サカナクションさんとはエンジニアさんがいっしょですすめられました。アンセム的な部分が好きです。
【3曲目】
大橋トリオ
『サクラ』(アルバム『plugged』収録)iTunes
歩きながら聴くのにいいなって。サビの部分にキュンとするフレーズがあって、なんだかワクワクする。
【4曲目】
The Strokes
『All the Time』(アルバム『Comedown Machine』収録)iTunes
ロックをわかりやすく提示していると思います。今の時代にフィットするような音で表現していますね。
【5曲目】
クリープハイプ
『社会の窓』(シングル『社会の窓』収録)iTunes
PVがとにかくすごい。自分たちを冷静に見る、視点がおもしろい。日本語を高い温度で歌っています。
【愛用の機材はコチラ!】
ORANGE CR3 MICRO CRUSH ミニギターアンプ
もともとヘッドとキャビをもっていましたが、あまり使わず楽器がかわいそうで売ったんです。でも寂しいので痕跡としてミニチュアを買いました。
【ニューシングル】
近藤晃央
『らへん』
"日常"を豊かに歌で響かせる
誰もが何気なく過ごす日常を、柔らかく、そして感情豊かに歌で昇華。大切な誰かへの愛と願いが込められた、ここ"らへん"が描かれている。
●初回盤1200円、通常盤1000円 ●5月15日発売 ●デフスターレコーズ
【プロフィール】
2012年『フルール』でメジャーデビュー。テレビアニメの主題歌にセカンドシングルが起用されるなど話題に。『TOHOシネマズメッセンジャー』に起用され注目を集めている。
●関連サイト 近藤晃央オフィシャルサイト
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります