スマータブルコンボケース |
↑発売中の週刊アスキー4月30日増刊号にもれなく付いてくる。5インチまでのスマートフォンと7インチ前後のタブレット端末を一緒に入れられる“コンボ”ケース。タブレットが入っていない状態で、二つ折りにしてコンパクトにできるのも画期的だろぉ? |
──スマータブルコンボケース付録号、まずまずの出だしだそうで。
おかげさまで、かなりの歯ごたえ……じゃない、手ごたえです。ただ、私がイケる! って感じたときは、最終的にイケてないことがこれまで多かったので、周囲には過度な期待をせぬよう触れ回っております。
──ネガティブなんですね。
ネガティブですが、ポジティブなネガティブなんですよ。ハードルを下げておけば、いざというとき安心じゃないですか。これは過去に恋愛などを通じて学んだことです。
──『スマータブルコンボケース』という名称は、これまでの付録とちょっと感じが違います。
名称は揉めましたね。スマホ+タブレット=スマタブ→スマタブ折りたたみとか、わかりやすいものを連想していたのですが、なんかピンと来ない……。途中、“コンボ”ってキーワードを編集部のカクッチが提案してくれて、コンボドライブとかあったし業界的にも通りがいいよねってことで『スマタブコンボ』に決まりかけたんです。そしたら、角川アスキー総研の遠藤さんが「コンボなんて食い物のセットみたいじゃん」って。すると今度、ホント急に宮野編集長が「スマータブルコンボケースだっ」と言い出し。寝ないで考えてくれたのか、私が〆切りとわめくので苦し紛れに発しただけなのか甚だ疑問ですが、遠藤さんも「お〜、ソレだ!」なんて。コンボが食い物みたいって言いましたよねと伝えたら「そんなことは絶対に言ってない」と……ハイ、出ました古きアスキーの社風。
──大丈夫ですか? アナタはいま、チャレンジャーになってませんか? スマホとタブレットが一緒に入るという企画はいつ、どのようにして?
企画というか仕様の〆切りが昨年、ウルトラマウス付録号が発売する2ヵ月前の10月前半でした。たいてい付録号が発売するころ、次の付録でヒィヒィ言っている(よって実はいまもこんなインタビューを受けている暇はない)のですが、中国工場の旧正月などもあり、スマータブルコンボケースはかなり前倒しの進行でした。企画自体は、まさにいま人間とガジェットとの間にあるべきモノは何かを追求したら、自ずと湧いて出た……というのはウソで、最初はただの7インチタブレット用ケースだったんです。こんな。
──シンプルですね。この穴は?
端子用の穴です。タブレットを入れたまま充電できたら便利かなぁと。企画時は、まだiPad miniなんて空想上のモノでしたが、ホラ、私くらいになると人並み外れた予知能力が働きますからね。大(Dock端子)は小(マイクロUSB)を兼ねるの原理で大きめの穴をケース下部に設けようと。まぁ結果的にはLightning端子だったわけですが……。
──中途半端な予知能力ですね。ってか、iPhone 5でもうLightningを採用してたじゃないですか。最終的に穴はやめられて。
穴問題は最後まで引きずりましたね、未練たらたらで……恋愛でもそうなんですケド。縫う箇所が増えるので製造コストが増すのと、端末によっては中央に端子がないというのが、まぁおもな理由です。代わりに、もうひとつくらいファンクションが欲しいなって思い……。
──スマホ用ポケットですか。
スマホ用ってか、まぁルーターでもモバブでもケバブでもなんでもいいんですが、いつも一緒に持ち歩きたいモノって必ずあるでしょう? そこで、カンガルーのポッケにヒントを得……というのはいま思いついて言ってますが、まず、とりあえずつけてみたのがコチラ。
──楯だったんですね。
“縦”ね。さらにタブレットを入れていないときコンパクトにできないかなぁと、試行錯誤の末に思いついたのがグルグル巻けるしくみ。
──おお、いいじゃないですか!
ただ、グルグル巻くとシワができちゃってね……。そもそも素材自体からシワをなくすことが当初から課題だったのですよ。シンプルなタブレットケースにカンガルー的ポッケのほうが安全策ではありました。ただ、ちょっと芸がねぇなと……。
──やはりゲイか……。
昨年の出来事なので記憶があいまいな部分もあるのですが、「二つ折りにしてみては?」って、おそらく私が言い出したと思うんです。違うかもしれませんが、まぁ、ジョブズも人のアイデアをよく自分のモノのように話したって言うじゃない? なので、ここは私ってことで。
──……人望薄いでしょう……。
二つ折りはブレイクスルーでした。そこからはとんとん拍子で決まっていきましたね。色はヨゴレやシワの見えにくい黒に、アクセントとして縫い目を赤にしようと。だた、ポケットの方向と微妙なサイズ調整は〆切間際までウジウジ悩んでましたケド。
──ポケットの方向とは?
タブレットの口と同じ方向に口を開けると、ポケットが浅くなるので私は横にしたかったのです。ただ、これがスタッフに不評で。折ったときにフタにならないし、意味ないじゃん? バカじゃん? メディア王って(笑)と、さんざんでしたが、すっかり引っ込みがつかなくなっちゃって……。
↑向かって“横に開く”ポケットの試作サンプルは、地下の倉庫で永遠(とわ)の眠りについたのであった……。 |
──無駄にプライド高い人にありがちなエピソードですね。サイズは?
大きさは、あらゆる7インチ周辺タブレットと最近の5インチスマホに合わせたかったのですが、まぁそんなことは不可能なので、人気モデルを参考にベストな値を割り出しました。
↑ミリ刻みで複数サンプルをつくり、来る日も来る日も荒波に向かってあらゆる端末を出し入れし、吟味に吟味を重ねてサイズを決定。 |
──iPad miniに合わせたって言ってませんでしたっけ?
それは結果論といいますが、先ほども申し上げましたが、企画段階ではiPad miniはまだ世に出てなかったんですよ。それなのにピッタリなのは、もう運ですね。メディア王になるべくして生まれたというか……。
──はいはい。では、最後に最も苦労した点を。
これはもう、やはり素材選びですよ。先ほども言いましたが、とにかくシワ問題に悩まされて。絶対にチープな素材にはしたくなかった。例によってコストとの戦いですわ。いくらメディア王アックン・オッペンハイマーとはいえ、無制限にコストをかけられるわけではございません。予算内で最高の素材を求め、各地を旅し、研究を重ね、息抜きと称し豪遊→結局経費がかさみ、いまや地下の倉庫の隣の部屋すら追い出されそうになっておりますが、最終的に採用した生地にはホント満足しております。
↑切磋琢磨の末、選び抜かれた上質な素材で仕上げましたスマータブルコンボケース。スタッフ一同、真心を込めてお届けするモノであります。 |
──リスキーですね。言い残すことは?
週アスの付録って、本誌記事、パッケージ、PRイベント、PR動画までセットでひとつの表現なんです。今回、とくに動画の挿入歌が力作で、シングルカットしたいとレコード会社数社からオファーが来る予知夢を見ました。あと、ソーシャルで一緒に盛り上がってくれるみんなたちも我々の一部。虚構新聞さんまで絡んでいただいたりして、ホント光栄ですわ。
──あと、自問自答の開発秘話(コレ)ですよね。
そうですね。いつも話したいことだけ聞いてくれるので自分大好き。最後までお読みいただいた皆さま、ありがとうございます。ホント、お暇なんですね。今週号、お買い求めいただきましたか甚だ疑問ですが、売り切れる前にぜひ、ゲットしていただけましたらと。Amazonにまだ少し在庫がございますので、どうかポチッとなと。心よりお願い申し上げます、もう二度とこんな無理は言いません……。
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