デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’12/第18回AMDアワードの受賞式が明治記念館で開催された。AMDアワードとは平成24年1月1日~12月31日の間に日本国内で発売・発表されたデジタルメディアコンテンツ、および最新デジタル技術を駆使して制作された作品に与えられる賞となる。
第18回AMDアワード大賞/総務大臣賞は、アニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』が受賞。ジブリ以外のアニメ作品ではなかなか国民的に支持されるものが少ないなかの大ヒット記録、さらにその圧倒的な描写力が評価された。
これまでも『サマーウォーズ』や『時をかける少女』などの感動作品を生み出してきた細田守監督は、『おおかみこどもの雨と雪』をつくるうえで、手書きの風合いをとても大事にしたという。そのためには非常に高いデジタル技術が必要になったことも明らかにした。今後は「この作品をとおしてアニメーションの可能性について、世界に届けられるような作品をつくるにはどうしたらいいか、考えたい。世界の広さ、おもしろさを共有できるものをつくれたら」と大きな目標を掲げた。
AMD理事長賞は、電子書籍用ファイルフォーマット規格『EPUB 3』。縦書きやルビなど、日本語の基本的な機能がサポートされ、世界中の対応端末で日本語の電子書籍を読むことができるようになった功績を称えての受賞だ。
「電子出版においてページをどうめくるか、どのように動くかということばかり言うが、そんなことはどうでもいい話」だとしたうえで、「デジタルの本が当たり前になった際に、このデータがどうやって残っていくのかというのが一番大事なことであって、今後、紙の本と同じように、図書館などで生きていくように土台を作っていかなければならないということだと思う」とIDPF(国際電子出版フォーラム)の萩野氏。「ひとつひとつ前進させていくことに誇りをもってやっていきたい」とコメント。
功労賞を受賞したのは国立国会図書館。1990年代から図書資料のデジタル保存に率先して取り組み、世界中のどこからでも所蔵資料をネットを通じて検索できるとしたほか、歴史資料や画像、音源をもデジタル化して公開。その成果を称えての受賞となる。
新人賞となる江並直美賞は、ライゾマティクスの真鍋大度氏が受賞。
真鍋氏が手がけ、テクノポップグループPerfumeを世界的に有名にしたPerfume Global Projectは、ネット上にオリジナル楽曲と振付のモーションキャプチャデータを配布し、プログラマーによる二次創作を促したプロジェクト。ジャンルを問わず斬新なデジタルアート作品を発表し続ける、たぐいまれな才能を称えられた。
リージョナル賞は、熊本県で野菜の生産をしつつ、行政や企業と組み、農産物に関して積極的に情報発信していく活動『合志あぐっと!ねっと』が受賞した。
三山氏は「熊本県はくまもんばかりが有名になっていますが、熊本もおいしい野菜がたくさんありますのでよろしくお願いします」と笑いを誘い、今後はさらに活動をひろげていきたいと語った。
そのほか、年間コンテンツ賞‟優秀賞”を受賞したのは、以下作品。
●『EOS C300』キヤノン
●『宇宙兄弟プロジェクト』コルク&講談社モーニング編集部
●『ゴールデンボンバー』ユークリッド・エージェンシー
●『しゃべってコンシェル・しゃべってキャラ』NTTドコモ
●『とびだせ どうぶつの森』任天堂
●『ドラゴンクエスト10 目覚めし五つの種族 オンライン』スクウェア・エニックス
●『パズル&ドラゴンズ』ガンホー・オンライン・エンターテインメント
●『メルセデス・ベンツ「NEXT-CLASS」キャンペーン』博報堂/AOI Pro.Inc/Production I.G.,Inc.
最後に、ビジュアル系のエアバンドという独自のスタイルで躍進し、ニコニコ動画などネット時代ならではのプロモーション活動が評価された受賞者、ゴールデンボンバーのコメントを紹介する。
鬼龍院翔 「入るときのテンションを完全に間違えたなって思ったけど、メンバーも頑張ってるからボクも頑張った」「ボクは生粋の2ちゃんねらーだったのでとっててもうれしい。パソコンばっかりやっていてよかったなと思います」
歌広場淳 「ゴールデンボンバーが下りはじめたら、この間フルーツパーラーをオープンしたので、そっちのほうで頑張っていこうと思います。」
喜矢武豊 「賞をいただくたびに、なんにもやってないぼくは心が苦しくなるんで、是非早いうちに解散させまして、自分ひとりで生きていけるように頑張っていきたいと思います。」
樽美酒研二 「またボクのブログ本が出るので、買っていただけると、またワンランク上のマンションに住めることになるので、よろしくお願いいたします」
■関連サイト
AMD Award
Perfume official global website
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5,239円
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