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HTC J Butterflyの充電スタンドを500円で作ってみた:週間リスキー(写真追加)

2013年03月01日 08時30分更新

【注意】
作業時の事故や自作した充電スタンドによる、本体やそのた機器の故障など、筆者および編集部とも責任を負いかねます。
すべて自己責任でお願いします。

 5インチの大画面にフルHD液晶、サクサクと動くクアッドコアCPUを搭載するだけでなく、防水・おサイフ・ワンセグ・赤外線まで全部入った『HTC J Butterfly』。薄型で持ちやすいということもあって、購入されて使っている方も多いのではないでしょうか。
 しかし、防水機構が逆にアダとなることもあるようです。充電のためにUSB端子のキャップの開閉が必要なのですが、ちょっと手荒に扱うとキャップに負担がかかってしまって……。
 案の定、しばらくすると掲示板やツイッターなどでキャップが外れたという悲鳴を見かけるようになってきました。

ツイッター上でも悲鳴が……
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USBのカバーが取れてしまって、修理に持ち込む方がそれなりにいたようですね。

 そんなことはメーカーもお見通しだったのか、ちゃんと背面には充電用端子があり、当初はUSBのキャップを外さなくても充電できる専用クレードルが予定されていました。しかし、本体が発売されても、クレードルはなかなか発売されません。
 世界向けに製品を作っているHTCなので、海外用のクレードルを輸入すればなんとかなるか、などとも考えるわけですが、充電用端子があるのは日本モデルだけらしく、絶望的に……。そんな諦めムードの漂う中、自分で充電スタンドを自作したという猛者が2ちゃんねるに現われました。下敷きをハサミで切って作ったという手作り感満点なものですが、このアイディアは素晴らしいです。

 これを見たハード松村が、たまたま編集部へ打ち合わせに来ていた私になれなれしく話しかけてきました。

松村「ねえねえ、こーゆーの作れない?」
わたし「位置合わせが大変そうですが、そんな難しくないんじゃないですか?」
松村「そっかー。難しくないなら、よろしく!」
わたし「え?」

とまー、こんな感じのやり取りの後、なんでか作ることになりましたとさ。

2ちゃんねるに自作した人も登場
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出ないなら作ってしまえということで、自作した強者が登場。ハード松村いわく「神かと思った」
ベッドタイプの充電台
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強者の人は、クレイドルというよりもベタっと置くベッドタイプをつくりました。

 前置きは長くなりましたが、さっそく作ってみましょう。
 まずは材料を集めます。必要なのは、マイクロUSBのコネクター、線材、ベースとなるスタンドの大きく3つ。なるべく手間をかけずに作りたかったので、コネクターはサンハヤトの『CK-37』という変換基板を使いました。基板上にすでにコネクターが実装されているので、半田付けがすごく楽になります。線材は、外径1.22ミリの耐熱ワイヤー。そして100円ショップで買ってきた汎用の携帯電話スタンドです。このスタンド、実はHTC J Butterflyの横幅とぴったりなのでオススメです。

コネクターと線材
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なんでもないケーブルですが、ケーブルの“しなり”が重要になります。
汎用の携帯電話スタンド
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100円ショップにて購入。本体持ち込んで実際に合わせてみることをオススメします。

 まずはスタンドの加工から行ないます。といっても、本体を当てて充電用端子の位置をマークし、そこに1~1.2ミリくらいのドリルで穴をあけるだけです。1ミリだと結構な精度が必要ですが、1.2ミリだとちょっとくらいずれても大丈夫なので、こちらがオススメです。なお、HTC J Butterflyにカバーを付けている場合は、カバーにも穴をあけておきます。先にカバーに穴をあけ、それをガイドにスタンドの穴の位置をマークすると、ちょっとだけ楽です。

カバーに穴をあける
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充電用の金属で背面を傷つけないよう、カバーは必須。透明なプラスチックカバーが空けやすいです。
スタンドにも穴
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カバーをスタンドに置いた状態でスタンドに印をつけ、1〜1.2ミリの穴をあけます。

 次は、充電端子の加工です。『CK-37』についていたピンヘッダーを取り出し、中央の2本と両端の合計4本を抜いてしまいます。ラジオペンチなどでつかんで引っ張れば、簡単に抜けます。そして、約8センチに切った線材を半田付け。この時、ピンヘッダーに対して直角に半田付けするのがポイントです。

ピンヘッダーを加工
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USB変換基板に付いてきたピンヘッダーから、不要なピンを抜き取ります。
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ケーブルをカット
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今回は8センチぐらいがちょうどいい長さでした。
ケーブルにピンを固定
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ケーブルをピンにハンダ付け。直角に付けるのがコツです。

 続いて、コネクターと半田付け。VCCが5V、GNDが0Vのことなので、線材を間違えないようにして付けます。半田付けが終わったら基板の裏に両面テープを貼って、ケーブルを“いい感じに”曲げておきましょう。あとはピンをスタンドの穴に通せば、ほぼ完成。表からピンを指で押して、バネのように戻ってくるように調整します。ちなみに、わざわざ線材に耐熱品を選んだのは、このバネのような動きをさせるためです。通常の線材だと柔らかくてすぐ曲がってしまいますが、耐熱品は少し固めなので、いい感じに戻ってきてくれるわけです。

コネクターにハンダ付け
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ケーブルとコネクターをハンダ付け。この場合は右がプラスでした。逆につけると危ないので注意。
基板の仮留め準備
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基板の裏に両面テープを貼っておきます。
ケーブルを曲げる
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文章で表現しづらいのですが“いい感じ”にケーブルを曲げます。

 位置合わせとケーブルの曲げ調整がうまくいったら、基板を両面テープで貼ります。両面テープは貼り直しがききますので、ケーブルの調整と一緒に納得がいくまでがんばりましょう。納得できたら、基板をグルーガンで固定。これで完成です!

両面テープで仮留め
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ケーブルが適度なテンションを保てる位置を探し、コネクターを仮止め。
コネクターを固定
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グルーガン(ホットボンド)などで固定。

 USBケーブルでスタンドと充電器を接続。HTC J Butterflyの本体を置いて、無事に充電が開始されれば成功です。カバーに厚みがあるとピンが届かないこともありますので、その時は長めのピンヘッダーに交換するなどの工夫をしてください。ちなみに、線材が邪魔だからといって、テープなんかで止めたらダメです。バネがわりなので、固定しちゃうと意味がなくなりますヨ。

充電できてる!
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ショートや逆向きでないことを確認したら、そっと載せると…… 成功!

 充電スタンドといっても、5Vの電圧を端子にかければおしまいっていうだけなんで、原理は超簡単です。工作の難易度としても結構低めですので、純正クレードルの発売が待てない!っていう人は作ってみるのもおもしろいですよ。

 

量産化も……
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ハード松村に試作品を見せたら量産を頼まれ作成中……。
こんなのも製作
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スタンド持ち込みの相談も受けました。ポストペットのスマホ台を充電対応に。メーカーとかアレですけど、いいですよね。


【追記】
 ひとまずの完成をみたのですが、接触が悪いという苦情が……。左右のピンが連結しているため、どちらかが接触するともう片方が浮く、といったことがたまに起こっている模様。そこで、ピンの連結を中央で割り、左右が独立して動くように改良しました。これで接触不良率が大幅に減少できたはず……。
 断定できない理由は、実機持ってないから。もともと頼まれモノでしたしね。

分割してみました
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左右のピンを独立させて動くようにしたことで、クレイドルへの設置がちょっとずれていても充電しやすくなったはずです。

最後にもう一度お約束です。
作業時の事故や自作した充電スタンドによる本体の故障など、筆者、および編集部とも責任を負いかねます。すべて自己責任でお願いします。

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