基調講演を行うサムスン・デバイスソリューションズのステファン・ウー社長 |
サムスンの2回目となる基調講演は、サムスン・デバイスソリューションズのステファン・ウー社長が登壇。チップセット、メモリー、ディスプレーについて、最新技術を語った。
前日に記者会見を行なっているが、CES2日目に基調講演として登場した。 |
モバイル業界で注目と言えば、やはりサムスンのチップセットだろう。ステファン・ウー氏は、『Nexus 10』などに搭載されている『Exynos 4 dual』が好調であることをアピール。さらに新製品として『Exynos 5 Octa』を発表した。これは、『ARM Cortex-A15』と『ARM Cortex-A7』を組み合わせたものだ。デモではEAのグラン・ローランド副社長が登壇し、レースゲーム『Most Wanted』を紹介。タブレット端末で高いグラフィック表現力をアピールした。
モバイル向けの8コアCPU『Exynos5 octa』を発表。「octa」の言葉に会場がわき上がった。 |
A7とA15を状況に応じて切り替えることで、ハイパワーと省電力を実現。 |
続いて登場したのがARMのウォーレン・イーストCEO。サムスン電子との提携によって実現した新しいアーキテクチャ『big.LITTLE』を紹介した。状況に応じて、ARM Cortex-A15とARM Cortex-A7を自在に操ることで、普段は電力の消費を抑えながら、ゲームや動画再生時には高負荷処理をこなすことが可能だ。4コア+4コアとなるが“従来のExynosの70%程度の省電力設計になる”という。
メモリーに関しては、HPのトレパー・シック上席副社長が登場。HPが展開する高性能省電力電力サーバー『Moonshot』において、サムスン製のメモリーを採用したことで、省エネ率89%を達成し、全体で63%のコストが削減されたという。
折り曲がるディスプレー「YOUM」。側面への表示も可能となる。 |
ディスプレーを曲げてみせるブライアン・バークレー上席副社長。 |
ディスプレーの分野では、サムスン電子サンノゼディスプレー研究所のブライアン・バクレー上席副社長がプレゼンを行なった。
観客が最も沸いたのが、サムスン電子が開発を進めているフレキシブル・ディスプレー『YOUM』を紹介したときだ。『フレキシブル』の名の通り、フィルム上で自由に形を曲げられるため、スマートフォンやタブレットに画期的なデザインをもたらせるという。
折りたたみや曲げて収納するものなど、多様なデザインを実現できる。 |
バークレー氏が紹介したのがディスプレーが本体正面だけでなく、曲がった状態で端末の側面まで伸びているというものだ。カバーをかぶせても、ふちの部分にディスプレーがあるため、メールの着信、テキストなどを確認できるようになっている。上映されたイメージビデオでは、画面を2つに折りたたんだものや、細長い棒状のものから丸まっているディスプレーが飛び出してくる、といったシーンが紹介された。
基調講演の最後にはビル・クリントン元大統領が登壇。観客は大いに盛り上がった。 |
基調講演にはビル・クリントン元大統領も登壇。これは、サムスングループが『クリントン・ファウンデーション』というアフリカを中心とした途上国の子どもたちへ支援をしている活動をサポートしているからだという。突然の元大統領の登場に会場は一気にヒートアップしていった。クリントン元大統領はインターネットやスマートフォンが途上国の発展に役立つことをアピール。さらに、昨今、アメリカで問題になっている銃乱射事件を受け、銃の所有禁止について訴えていた。
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