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Windows8はセキュリティーが強化されてウィルス対策ソフト不要って本当?

2012年12月07日 13時00分更新

 10月26日に登場し、話題となっているWindows8はタイル型のスタート画面といったユーザーインターフェースの大きな変更が目を引くが、実は標準で備えているセキュリティー機能もパワーアップしている。その中心が『Windows Defender』だ。

「Windows Defender!? あんなのスパイウェアぐらいしか防げない、オマケみたいなものでしょ」と鼻で笑ったアナタ、それはWindows7版までの話である。Windows DefenderはWindows8版から、マイクロソフトのウィルス対策ソフト『Microsoft Security Essentials』の機能が合体し、統合セキュリティーソフトとして生まれ変わった。市販のセキュリティーソフトと同様に、パソコン全体のウィルス検知や駆除が可能。新たに登場したウィルスのパターンファイルも自動更新され、ウィルスやスパイウェアといった悪意あるソフト(以下、マルウェア)の脅威を総合的に防いでくれるスグレモノのソフトなのだ。

Windows8はセキュリティー強化され、対策ソフトいらずか?
↑セキュリティーソフトをインストールすることなく、パソコン全体のウイルススキャンと駆除ができる。

 また、新たにELAM(Early Load Antimalware)ドライバーと呼ばれる機能が搭載されている。この機能は、PCが起動する際にほかのどのソフトよりも早くウィルス対策ソフトを起動し、マルウェアの脅威を未然に防ぐ役割を持っている。


 Windows8は、マイクロソフトが提供するストアから新しいUIに対応したアプリをインストールできるのも特徴だ。そうした新しいUI上での脅威の対策もきっちり取られている。新しいUI上でアプリは、“AppContainer”と呼ばれる保護された領域(サンドボックス環境)で動作する。そのため、システムが不正に操作される危険性を防げる。


 ほかにもInternet Explorer9より導入されている、危険なサイトなどを開く際に警告を表示する“SmartScreen”など、ネット上での危険に対する保護機能もあり、Windows8はある程度外部からの脅威に対抗できる手段を有していると言える。

Windows8はセキュリティー強化され、対策ソフトいらずか?
↑“SmartScreen”は、メールや大型掲示板のリンクから悪意あるサイトへアクセスしようとすると表示される。

●8の機能だけで安全と過信は禁物

 とはいえ、Windows8の標準機能だけで、あらゆる脅威から守りきれるとは限らない。最近の大きな事件と言えば、遠隔操作ウィルスだ。感染して犯人に乗っ取られたパソコンから、犯罪予告を書き込まれてしまった結果、いわれのない逮捕や冤罪事件にまで発展したのは記憶に新しいところだろう。


 オンラインバンキングのニセ画面を装い、暗証番号などを盗み取るマルウェアも、ご存じの方は多いのではないだろうか。本物のオンラインバンキングにアクセスすると、その上にニセ画面が開くため、ついつい信じてしまうだろう。また、知り合いや取引先や公的機関などを装ったニセメールを送りつけ、添付したマルウェアを開かせるという標的型攻撃も世間を賑わせている。これらの被害はどれも明日は我が身、ガクブルしてしまうばかりだ。

Windows8はセキュリティー強化され、対策ソフトいらずか?
↑情報処理推進機構『IPA』のWebサイトでは、オンラインバンキングのニセ画面を表示するウイルスの注意喚起などを行なっている。

 さらには、感染経路も日に日に多様化しているからタチが悪い。最近では、TwitterやfacebookといったSNS経由での感染が増えている。たとえばTwitterなら、リツイートなどでタイムラインに流れてきた知らない人のつぶやきに貼り付けられたURLを思わずクリックしたら感染なんてことも。Facebookに投稿されたURLも、知り合いだからといって、100パーセント安全とは限らない。


 このような手の込んだウィルスの被害に遭わないためには、自己防衛も不可欠だ。たとえば、海外のアヤシイWebサイトからファイルをむやみにダウンロードしてダブルクリックしない、メールやSNSの投稿内のURLを脊髄反射でクリックしないなどである。もちろん、OSはじめ各ソフトを常にアップデートし、セキュリティーホールをマメに修正することも必要だ。


 そういった「Windows Defender+自己防衛が難しい!」という人には、有料の市販セキュリティーソフトはまだまだ必要だ。市販セキュリティーソフトは、ファイル単位でのウィルススキャンを右クリックからできたり、USBメモリ挿入時の自動スキャンができたりと、Windows8の標準機能ではできないこともカバーしてくれる。はたまた、パソコン付属のウェブカメラを乗っ取り、のぞき見するウィルスなど、ある機能を狙い撃ちしたマルウェアに対応したソフトもある。


 近年マルウェアの脅威は、Androidなどのスマホやタブレットへと急速に広がっている。Macも人ごとではなく、『Flashback』というウィルスが世界中で猛威をふるっている。そうした、ウィンドウズ以外の脅威もまるごと防ぐことも考え、その他のセキュリティーソフトの追加導入を考えてみるのも、自分を守る手段のひとつだということを覚えておこう。

●関連サイト
マイクロソフトのPCの保護に関するページ
IPA(情報処理推進機構)

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