ソニーがプレス向けにAVアンプの体験会を開催した。AVアンプはホームシアターや5.1chのサラウンド再生用と思われがちだが、最近は再び“高音質”に着目し、あらゆるソースの音源をHi-Fiオーディオ譲りの高音質で再生するためのものという側面も強めつつある。
10月25日に発売された『STR-DN2030』は、直販価格5万9800円というAVアンプとしてはエントリー向けの価格帯でありながら、そんな最先端の思想を実現する高音質で多機能な製品だ。
↑体験会はソニーのホームエンターテインメント事業本部HAV事業部音響設計部主幹技師、金井隆氏の視聴室で行われた。“かないまる”(http://kanaimaru.com/)として知られる方だ。
↑ソニーのAVアンプ『STR-DN2030』。PCにUSBで接続して、高音質での音楽再生にも利用できる。ソニーストアの直販価格は5万9800円。
↑本体のアナログ設計は、2010年発売の『TA-DA3600ES』(発売当時は12万5000円前後)と同一だ。
STR-DN2030の特徴として改めて注目したいのが、音の良さだ。それも、PCでの音楽CDのステレオ再生や、ネットワーク上のPC内にある音楽ファイルを再生する“ネットオーディオ”でも活用できる。
Windows PCなら、Windows Media Player標準で起動しているDLNAサーバーの音源も再生できる。またiOSとAndroid用のアプリ『ES Remote』なら、電源やボリューム、入力切り替えといったリモコン操作、さらにDLNAにアクセスして再生することも可能だ。デモでは実際にiTunesでWAV形式で取り込んだCD音源を視聴したが、ソニーの高級CDプレイヤーに匹敵する“ピュア志向”な音で鳴らす。もちろん、AAC、MP3、WMAといった圧縮音源も再生できるので(ALACには非対応)、よりカジュアルな音楽試聴の用途に使うのもアリだ。
“e-onkyo music”(外部サイト)などで配信されている“ハイレゾ”と呼ばれる最大192kHz/24bit音源のFLAC、WAVの音源では、5.1chのマルチサラウンドの視聴も可能とオーディオへの発展も可能だ。
↑テレビに表示する本体GUIからは“Watch”、“Listen”など目的別にメニューを呼び出せる。
↑iOS、Android用の操作アプリ“ES Remote”では設定の一部を除いてすべて本体GUIと同じ機能を操作可能だ。
↑DLNAでPCやNASに保存した音源を視聴可能。ネットワーク再生は音質面に有利で普通のPCでも高級CDプレイヤー並の音質を出せる。
STR-DN2030の特徴としてAVアンプには珍しい映像・音楽のネットワークサービスにも対応している。映像配信ではブラビアとも共通する“YouTube”、“Video Unlimited”、“U-NEXT”など、音楽配信では“Music Unlimited”、“ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール”への接続にも対応。PCディスプレーをテレビがわりにしている人にとっては、映像配信や音楽配信に一発でアクセスできるメディアプレーヤーとして使いこなしてもいい。
これらのなかでも面白いのが、“ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール”だ。視聴時には、ベルリンフィルの拠点である、実在するヴィンヤード型のコンサートホールを再現するモードに自動で切り変わる。
ホームシアターのみならず、PCオーディオ、ネットワークオーディオ、そしてメディアプレーヤーにもなる。STR-DN2030は格安ながら従来のAVアンプのイメージを覆す、マルチに高音質をエンジョイできるモデルなのだ。
↑AVアンプからもYouTubeへのアクセスに対応。レスポンスは問題ない速さで、メディアプレーヤーとして利用可能だ。
↑“Music Unlimited”の音源を本格的なシステムで聴ける。
↑“ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール”では、本体の“コンサートホールモード”までも連動。
●関連サイト
STR-DN2030 製品ページ
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48,470円
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64,599円
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25,252円
※12月7日0:00追記 STR-DN2030の説明について、「PCとUSBケーブルで直結すればPCオーディオにもなる。“アシンクロナスモード”対応で、Windows環境では専用のASIOドライバーにより高音質再生も可能だ」との文章はTA-DA5800ESの機能であり、STR-DN2030の機能ではないため削除いたしました。
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