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ソニーとオリンパスが提携! 医療とカメラ事業で協業

2012年10月01日 13時30分更新

 ソニーとオリンパスによる資本、業務提携契約についての記者会見が10月1日に開催された。資本、業務提携については、すでに9月28日に両社からプレスリリースが出されており、本記者会見はその説明会的な内容となった。

ソニー×オリンパス

↑会見には、ソニー社長 平井一夫氏(左から2番目)とオリンパス社長 笹宏行氏(左から3番目)がそろって登壇。

 今回の提携の概要は、ソニー側からオリンパスへ500億円の出資を行ない、医療事業合弁会社の設立とカメラ事業の協業が行なわれるとのこと。
 なかでも両社が注目しているのが、医療事業。ソニーは現在の経営方針として、“新規事業の創出/イノベーションの加速”をかかげており、医療事業はそのコアとなる位置づけ。オリンパスは医療機器の開発技術に強く、特に内視鏡に関しては世界でもトップクラス。これに、ソニーがもつイメージング技術や4K、3Dといった映像処理技術と組み合わせて、新しい医療機器や事業の開発を進めていくのが狙いだ。

ソニー×オリンパス

↑両社の技術を組み合わせて、3Dの内視鏡システムなど、これまでにない技術の開発を進めていきたいとのこと。

 一方のオリンパスは今後も医療機器の開発と提供を進めていくため、合弁会社との競合も懸念されるが、それでも現在の悪化した財務状況を改善し、安定した会社経営が期待できる。
 出資された500億円のうち、250億円は4Kや3D技術を使った医療機器開発に使用。150億円は、新興国での医療器具のトレーニング施設やサービスにあて、残りを新しい合弁会社での資金にするとのこと。

 また、デジカメなどの映像事業に関しては、基幹部品の相互供給などによるコスト削減で、収益構造の改善を見込んでいる。
 映像事業の協業について、ソニーからはイメージセンサーの供給、オリンパスからはレンズや鏡枠などの製品を供給していくとのこと。それ以上の具体的な内容についての発表はなかったが、ソニーの平井社長は「マウントは文化」と力説し、現状ではブランドやレンズ交換カメラ用マウントの規格の統一といったことは考えてはいないようだ。

ソニー×オリンパス

↑映像事業に関しては、当面コンパクトデジカメを中心とした協業になりそうだ。

 9月17日発表された『XZ-2』には、すでにソニー製のイメージセンサーが採用されており、今後はソニー製のデジカメへオリンパスの『ZUIKOレンズ』の搭載といったことも予測される。
 ソニー、オリンパス両ユーザーは、今後の両社の動きに注目だ。

ソニー×オリンパス

↑オリンパスへの資本提携は、ソニー以外にもテルモなど数社の名前が挙がっていたが、医療分野に進出したいソニーと、映像事業の健全化を図りたいオリンパスの思惑が合致した形となった。

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