日本通信といえばSIMフリー化をけん引してきた立役者。SIMロックフリーのスマートフォン、とくにアップルのiPhoneやiPad向けにドコモのネットワークで使えるSIMカードを多種提供している。最近ではイオンと組み月額980円という激安ラインアップを投入。さらにヨドバシカメラ、アマゾンと言った流通大手とも組み、独自のSIMカードを販売している。
ここで気になるのがiPhone 5への対応だ。9月21日に世界で発売され、すでに香港のSIMロックフリー版では、ナノSIMカードサイズに切ったドコモのSIMで通信可能なことが証明されている(記事参照)。LTEに接続できず、3Gのみとなるが、実用性はありそうだ。
果たして、日本通信からiPhone 5向けのナノSIMカード販売はあり得るのか。同社の三田聖二社長は「ナノSIMを出すことは意味のあることなのか」と慎重な姿勢を見せつつも、導入に関しては「準備を進めている段階にある」という。
↑「ナノSIMを出す準備を進めている」と話す日本通信の三田社長。 |
とはいえ、ドコモにナノSIMカードを採用したスマートフォンはない。日本通信はドコモからSIMカードの提供を受けているため、一社で準備は困難と見受けられる。
「まず、ドコモがナノSIMを出すか出さないかを決める。 ドコモとは定期的に話し合いをもっており、ドコモがナノSIMの情報を持っていれば、すぐに対応できる。SIMカードのコストも接続料に入っており、ドコモには提供する義務があるはずだ」という。
マイクロSIMが世間にはじめて登場したのが、初代iPad 3G対応版が発売された2010年5月。日本通信では同年8月にマイクロSIMの提供を始めている。ドコモが正式にマイクロSIMカードを提供し始めたのは2011年4月のことだった。
また、万一ドコモがナノSIMカードを早期に用意しなくても「彼らが出さないなら、うちがSIM製造会社と直接交渉することも可能」と三田社長は語る。
すでに国内にはSIMロックフリーiPhone 4Sを日本通信のマイクロSIMカードで利用しているユーザーも多い。彼らがそのままの契約体系でiPhone 5に乗り換えられるようにするためにも、日本通信にはナノSIMカードを早期に用意してもらいたいものだ。
<リスキー通信>
ちなみにiPhone 4・4S向けに日本通信が提供しているb-micro SIMプラチナのSIMカードを(日本通信さんにはナイショで)ナノSIMサイズにカットし、香港版のSIMロックのかかっていないiPhone 5に入れたところ問題なく使えました。LTEはもちろん入らず(そもそもそういうプランではない)、テザリング(インターネット共有)はU300の設定、すなわち300Kbpsで利用可能でした。よって単純に4・4Sから(LTEは諦めて)乗り換えることはリスキーな手法を用いれば可能です。U300系のSIMカードもしかりでしたので、基本は無線LAN、モバイル通信は低速でもいいからとにかく安価に抑えたいという人には300Kbpsという選択肢もリスキーな手法でよければ残っています(データ専用SIMだと電波状況が表示されません)。日本通信でもLTEプランのMVNOを展開していますので、三田社長がその気になれば、フルフルのドコモ回線をiPhone 5で使える可能性は十分でしょう。さぁ、みんなたち! Twitterで社長にエールを!(ACCN)
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