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本物は誰? 映像と現実が重なる「代替現実(SR)」パフォーマンス発表会に行ってきた

2012年09月11日 13時30分更新

 8月24日から26日、日本科学未来館で『MIRAGE』というイベントが開催されました。SR(代替現実、Substitutional Reality)という今年6月に公開された技術を使った体験型パフォーマンスです。

 AR(仮想現実)は聞いたことあるけれど、SRって? という人がほとんどどかもしれません。SR(代替現実)とは、現実の映像から過去の映像へ上手に切り替えたり、両者を重ね合わせることで、過去の出来事がいま目の前で起きているかのように感じてしまうような不思議な体験ができるシステムです。
 現在と過去の映像に質的な差はないので、どれが本当に起こっていることなのかがわからなくなってくる(考えられなくなってくる)感覚が味わえます。

 SRシステムは、理化学研究所 脳科学総合研究センター適応知性研究チームが開発したもので、パフォーマンスグループ「グラインダーマン」とのコラボレーションで今回のパフォーマンスイベントが行なわれました。

体験者はヘッドマウントディスプレーを装着
MIRAGE001
↑前方にカメラを内蔵。リアルタイムでいま見ている映像がヘッドマウントディスプレーに映ります。
映像をコンピューターで制御
MIRAGE002
↑ヘッドマウントディスプレーの映像はPCでコントロール。リアルタイムの映像と過去の映像をシンクロさせている。


 ヘッドセットの重量は約1.4キロで、それほど重さは感じません。また、メガネをかけたまま装着することもできます。

「MIRAGE」パフォーマンススタート!
MIRAGE003
↑ダンサーの人に案内されて舞台上のイスに着席。ヘッドマウントディスプレーを装着する。この時点では目の前のダンサーは現実にいる。
どれが本物かだんだんわからなくなってくる……
MIRAGE004
↑右へ消えた人が、左に倒れていたり。握手しようとしたら、過去の映像で握れなかったり、現実の映像がどれなのかわからなくなってくる。


 モーションセンサーを搭載しているため視点を上下左右に動かすと、現実も過去の映像も同じように上下左右360度移動。現実映像と過去映像の切り替えもわからず、見ている映像に遅延がないので、すべて目の前で起こっているように感じてしまいます。

 今回は舞台上でのパフォーマンスでしたが、映画や演劇とは違う、体験型パフォーマンスとして、有名アーティストのライブが目の前で実際に行われているような体験や、アキバの街を使って、振り向くとアニメキャラが歩いてるみたいなことも将来実現するかもしれません。

●関連サイト
MIRAGE
理化学研究所 代替現実システムプレスリリース

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