みんなたちは夏休みいかがお過ごしですか?
竹子とガチ鈴木は、東京都江東区千石にあるイー・モバイルの『東京エンジニアリングセンター』の見学に行ってきました。
ここでは、基地局の管理から各種端末と機器のテスト、ユーザーサポートまで行なっている、いわばイー・モバイルの心臓部です。
■ヘルメット装着でまず基地局を見学
わーいヘルメットだよー |
↑いきなりビル屋上に連れて行かれ、ヘルメット装着の竹子。 |
東京エンジニアリングセンターに着くと、いきなり屋上に連れて行かれました。
屋上にあるのは、LTEとW-CDMAを供給する基地局です。
小型冷蔵庫ほどの大きさの機器は、基地局の“ベースバンド”と呼ばれる部分。上段に2~3Uの機器、下段にバッテリーを格納しています。このバッテリーで6~8時間稼働するんだそうです。
基地局を構成する機器は、ほかにリモート無線ユニット(RRU)とアンテナがあります。
ベースバンド部からアンテナへは光ファイバーで伝送し、無線信号に変換します。
このアンテナで、都市部の場合半径500~600メートル、人口密集地帯ではない場合は2~3キロカバーできるとのことです。
↑ベースバンド部からこのアンテナまでは光ファイバーで伝送。2つある機器が、エリクソン製のリモート無線ユニットだ。 |
■24時間365日ネットワークを監視
屋上から退散して建物内でまず見たのは“ネットワークオペレーションセンター”。
1日2交代制の4シフトで、24時間365日イー・モバイルのネットワークを監視しています。
ちなみに、ここには外国人の方もいました。日本人と同様に正規採用された方で、イー・モバイルでは国籍を問わず採用しているんだそうです。
↑見学したとき、“ネットワークオペレーションセンター”では25名前後が管理に当たっていた。 |
ユーザーの増加に伴い、1日5~10ヵ所も基地局を増設したりメンテナンスする必要があるそうです。その状態をこのオペレーションセンターで管理しています。
ネットワークはリングの状態に組まれており、もし1ヵ所で問題が生じても冗長性が確保されます。問題は1日以内で完全復旧するようにしており、実際にこれまで「大規模な通信障害は起きたことがない」と胸を張ります。
↑どこかで問題が生じてもネットワークは途切れないしくみになっている。 |
■端末の修理には3日で対応
次に見学したのは“リペアセンター”ですが、撮影不可でした。
というのは、不具合が発生した機器(ルーターやスマホなどを含む)は直接ここに届き、ここからユーザーに発送するからで、個人情報が漏れるのを防ぐためです。
壁には“業界最速!! 3日対応”の標語が。
ユーザーから送付(1日)→その日のうちに修理、発送(2日)→ユーザーに到着(3日)……という対応をしているのだそう。北海道と九州は配達に時間がかかるため5日を要しますが、これでも業界最速です。
1日に届く機器のは140個ほど。総勢35名でシフトを組み、20名前後が常駐してメーカーから与えられている検査フローに従って検査・修理に取り組みます。もしここで解決できない故障の場合はメーカーに送るんだそうです。
■端末テスト専用部屋で144Mbpsを体験
次に見たのは、端末をテストする“シールドルーム”です。
防音室のようなぶ厚い壁に守られた部屋で余計な電波を遮断し、端末の性能をテストします。
テスト項目は1万項目にものぼり、ひとつの機器に10時間前後かかることも。この試験をパスすると、フィールドテストに出るのだそうです。
↑ぶ厚い壁と扉で余計な電波を遮断し、端末などをテストする“シールドルーム”。 |
↑ガチ鈴木(右)がシールドルームを体験します。(左はおなじみ石野純也さん) |
屋上のアンテナを有線でシールドルームに引き込み、ルーターを置いてスループットを計測しました。
この環境では最大値に近い速度を出せます。たとえば下り最大150Mbps、上り最大50Mbpsの『GL04P』だと、下りは最高144Mbps、平均139Mbpsも出ました。
特殊な環境ではありますが、確かに150Mbpsぐらいまで出るのね! ということはわかりました。
↑2つの白い機器はアンテナ。アンテナの間に下り最大150Mbps、上り最大50MbpsのLTEルーター『GL04P』を置き速度を計測した。 |
建物内には、もう少し規模の大きい試験を行なう“テストベッド”と呼ばれるスペースもあり、端末からネットワークインフラの検証まで行ないます。
この日は中国のメーカーから技術者が4人来て、イー・モバイルのスタッフと共同で小型RRU(リモート無線ユニット)のテストをしていました。
■移動基地局はコミケにも行くよ!
さて! 最後に“移動基地局”を見学しました。
災害時やイベント時に使う車載の基地局です。現在2台所有しているそう。
中のラックやテーブルにちょっと手づくり感が漂います。搭載する機材の構成は、出力など目的によって変更できます。1台のコストは「1000万円いかないくらい」とのこと。
アンテナはクルマの屋根の上に搭載し、最高8メートルまで伸びます。おかしかったのが、足踏み式のポンプでスコスコ……とアンテナを伸ばすんです。イー・アクセスの方は「エコです!」と言い張っていました。
このアンテナで500メートル~1キロ程度のエリアをカバーできます。
↑車上アンテナは足踏み式ポンプで高さ8メートルまで伸びる。 |
バッテリーはガソリンからとれるしくみになっているので、非常に長時間もちます。60リットル給油でき、1時間稼働させるのに1リットル使うんだそうです。コンセントを備え、外部電源も利用できます。
この移動基地局は生まれたてホヤホヤに近く、7月27~29日に開催されたフジロックフェスティバルで初稼働したんですって。
Facebookで告知したら反響が大きく、180人弱が“いいね!”してくれたんだそうです。実際の利用者数は非公表ですが、それぐらいの人が利用したんでしょうね。
↑Facebookの“EMOBILE(イー・アクセス株式会社)”アカウントでは、エリア拡大の状況や移動基地局の稼働状況など、ユーザーに役立つ情報を提供している。http://www.facebook.com/EMOBILE.jp |
今週末は、東京ビッグサイトで始まったコミケに出動する予定ですってみんなたち! イー・モバイルはつながりやすくなるかもよ!
※8月10日14:10追記 移動基地局に関する記述を訂正しました。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります