本サイトでも取材レポートが掲載されているように、6月5日~9日に台北で開催された『COMPUTEX TAIPEI 2012』と、6月20日~22日に上海で開催された『Mobile Asia Expo』を取材してきました。
この2つのイベント、開催時期も場所も近いということもあり、COMPUTEX TAIPEI終了後も日本には帰国せず、そのままMobile Asia Expoまで海外に滞在したほうがいいのでは? と考え、スケジュールを作成。イベント取材だけでなく、期間中の滞在費や、海外での知人の訪問などあれこれと考慮した結果、3週間で羽田→台北→香港→マカオ→バンコク→香港→上海→北京→羽田という、東アジア&東南アジア周遊旅行となってしまいました。
↑Google Latitudeによる3週間の軌跡。香港から上海へは鉄道を使った陸路での移動です。 |
ここで問題なのが、現地でのモバイル通信環境。3週間という長期間なので、日本キャリアのローミングを使用するとかなり割高。かといって、海外用のモバイルルーターをそれぞれの国ごとにレンタルしたのでは、機材が多くなりめんどう。
SIMフリーのスマホと現地SIMを購入するという手もありますが、マカオなどは滞在時間が半日と短いので、そのためにSIMを買うのもわずらわしい。
そんな悩みを一挙に解決してくれたのが、テレコムスクエアの“アジア周遊”プランです。
↑東アジアと東南アジアの16ヵ国を1台のルーターでカバーできるプラン。 |
価格は2700円/日と1ヵ国専用タイプよりも割高ですが、ローミングを使うよりも300円近く節約できます。しかも、1台で複数の国に対応しているので、陸路で国境を越えてもすぐに利用できるのがうれしいポイント。
というわけで、“アジア周遊”プランのモバイルルーターをレンタルして、取材旅行へと出発しました。
6月3日~13日 台北
最初の訪問地は台北。空港に降りたってルーターのスイッチをオンにすると、問題なく使用できました。ちなみにどこの国のキャリアのSIMを使用しているかテレコムスクエアに確認したところ、香港のCSL(1010)を使用しているとのこと。そのため、ディスプレーにはローミングの“R”マークが表示されています。
↑接続は3G。基本的に圏外になることはなく、地下鉄などでも問題なく接続できました。 |
台北でのスピードテストは下記のとおり。
下り | 上り | |
松山国際空港 | 2.68Mbps | 1.85Mbps |
台北101 | 2.89Mbps | 0.80Mbps |
鼎泰豐そごう店 | 5.12Mbps | 1.96Mbps |
おおむね下りは3Mbps弱、上りも2Mbps近くのスピードが出るので、写真などのアップロードも問題なし。実はホテルの回線が上りで1Mbps弱と、このルーターの回線よりも遅かったので、編集部への原稿や写真の送信はルーターの回線を使いました。
↑台北101のすぐ隣がCOMPUTEX TAIPEIの会場。混雑する会場内でも安定した速度で通信できました。 |
↑鼎泰豐そごう店で名物の小籠包を撮影し、すぐにSNSへ投稿。 |
↑Googleマップで空港までのバスの道のりをチェック。もし間違った路線に乗っていてもすぐにわかるので便利。 |
●中山的台北ではコレ食べておけ!
↑忠孝敦化駅そばにある『四川呉抄手』のワンタン『紅油抄手』。ラー油たっぷりの秘伝のタレが絶妙。四川料理の店なので麻婆豆腐なども激ウマ。 |
6月13日~14日 香港・マカオ
台湾取材を終えたあと、飛行機で一路香港へ。といってもここでは、週アスPLUSの連載でもおなじみの香港在住山根博士と待ち合わせて、荷物を預かってもらうだけ。半日の滞在です。
空港に着いてルーターをオンにすると、台北同様3Gでの接続だが、“R”マークはないので、香港キャリアのSIMを使っていることがわかります。
↑今回使用した国で、香港だけ“R”マークなし。この香港SIMのローミングというのがのちの中国で威力を発揮する。 |
↑山根さんに教えてもらった絶品鍋屋ですかさずチェックイン。こうしておけば、あとでどの店に行ったか確認しやすい。 |
香港での速度テストは下記のとおり
下り | 上り | |
香港国際空港 | 6.45Mbps | 1.19Mbps |
至尊豬骨[保の下に火]食府(九龍半島側レストラン) | 1.26Mbps | 1.52Mbps |
●中山的香港ではコレ食べておけ!
↑入り口の金の豚が目印の『至尊豬骨[保の下に火]食府』。豚や羊のしゃぶしゃぶがメインですが、実はエビがプリプリで美味い! オススメです。 |
山根さんとの会食を終え、そのままフェリーでマカオに移動。ここでもアジア周遊タイプのルーターは威力を発揮。というのも、フェリーの航路は香港と中国本土とマカオの境界を走るので、3地域のキャリアの電波を拾ってしまうのです。1ヵ国タイプだとほかの地域のキャリアを拾ってしまうと通信できませんが、アジア周遊タイプなら、どこの電波でも問題なし。
↑フェリーの上でも問題なく利用可能。香港キャリアに接続しているときは下り6.81Mbps、上り1.89Mbpsとかなり高速。 |
マカオ到着は夜中でしたがホテルには泊まらず、そのままカジノへ直行し朝までギャンブル。徹夜で遊んだあと、ふたたびフェリーに乗って今度は香港国際空港へ直接移動。そのままタイのバンコクへと移動です。
マカオでの速度テストは下記のとおり。
下り | 上り | |
リスボア(カジノ)前 | 2.93Mbps | 0.53Mbps |
↑徹夜で遊んだあと、夜明けのカジノの前でスピードチェック。 |
↑帰りのフェリーでもルーターを使いっぱなし。PCと接続してスケジュールやメールの返信などをサクサクこなす。 |
6月14日~17日 バンコク
香港に数日滞在するよりも、タイのほうがホテルなどの物価が安く、航空券を買っても生活費を抑えることができるので、バンコクに移動。
これまでと同じように、空港でルーターをオンにしてみるとなぜか“2G”での接続。3Gでも接続できるはずなのですが、2Gの電波のほうがキャッチしやすいのか、どうしても3Gにならず、2G接続のまま。
バンコクでの速度テストは下記のとおり。
下り | 上り | |
ホテル(アソーク駅周辺) | 0.11Mbps | 0.13Mbps |
3G接続ではないので、サクサクと通信というわけにいきませんが、メールのチェックや、ツイッターのタイムラインを更新する程度なら問題なし。
↑屋台街での買い物。大体日本の1/3くらいの物価なので、生活しやすいです。 |
●中山的バンコクではコレ食べておけ!
↑バンコクのチャイナタウン(ヤワラート)にある『和盛豊(フアセンホン)』のフカヒレ鍋。写真の小鍋で900円弱。直接食べるだけでなく、これを炒飯にかけてあんかけにするとさらに激ウマ! |
6月17日~19日 香港から上海へ
バンコクからふたたび香港に戻り、1泊だけ山根博士のお宅に宿泊。翌日山根博士と一緒に、香港から上海へ移動。この移動は飛行機ではなく、寝台車を使いました。
↑寝台車のルート。内陸部を通って上海まで約20時間の旅。 |
↑クラスは“上級”を選んだので、2ベッドの個室。香港〜上海の運賃は約1万1000円。 |
周遊タイプのルーターが便利なのは、こういった列車で国境を越えるとき。電源入れっぱなしで、そのままその国のキャリアの電波を拾って通信ができるので便利です。
ただし電波は駅周辺では3Gですが、地方路線に入ると2Gだったり、圏外になってしまうこともしばしば。2Gでもバンコク同様、テキストベースの通信は問題なし。列車の到着が遅れ、結局23時間も車内にカンヅメだったので、たまっていた原稿を書いて、担当に送ることができました。
列車内での速度テストは下記のとおり
下り | 上り | |
シンセン駅付近 | 2.62Mbps | 1.51Mbps |
広州駅付近 | 5.43Mbps | 2.57Mbps |
さらに周遊タイプでうれしいポイントが、香港キャリアのローミングなので、ツイッターやフェイスブック、YouTubeなど中国政府が規制しているサイトが問題なく利用できること。現地のSIMやホテル回線を使うと、これらのサービスはVPNなどを利用しないかぎり接続できないので、今回の中国滞在ではこのルーターがメイン回線として活躍しました。
↑室内には電源もあるので、20時間を越える車内でも問題なし。入国審査は上海駅で行なうので、途中下車できません。 |
↑食堂車も連結されているので、食事の心配もなし。ただし、使用できる通貨は中国元だけなので、香港から乗る場合はあらかじめ中国元に両替しておこう。 |
6月19日~22日 上海
長時間の移動を終え、やっと『Mobile Asia Expo』での取材をスタート。前述のように、中国では現地のインターネット回線を使うと、SNSなどのサービスが使えないので、展示会場のプレスルームやホテルのネット回線は使わずに、ルーターを使用。
上海での速度テストは下記のとおり
下り | 上り | |
ホテル(南京東路駅近辺) | 4.94Mbps | 2.28Mbps |
上海新国際博覧中心(展示会場) | 5.14Mbps | 1.17Mbps |
東方明珠電視塔(最上階) | 7.73Mbps | 2.31Mbps |
上海ではまだ3G回線の帯域に余裕があるのか、下りで5Mbps近く出ているのでサクサク。データサイズの大きめの写真を送るのも問題なしです。
↑街なかの観光スポットでもサクサクと通信できるので、帯域には余裕があるようだ。 |
↑地上350メートルの東方明珠電視塔の最上階でも3G接続が可能。この旅いちばんの速度、下り7.73Mbpsを計測した。 |
●中山的上海ではコレ食べておけ!
↑『幸福131』というレストラン。重慶料理がメインだが、激辛のメニューも多く、辛い物好きにオススメ。 |
6月22日~24日 北京
上海での取材を終え、週刊アスキーの連載『パソコンが好きだ!』で担当しているファンキー末吉さんが北京入りしているとのことで、空路で上海から北京へ。
北京での滞在は、ファンキー末吉さんの北京スタジオ。スタジオにもインターネット回線が導入されており利用できますが、やはりSNSなどには接続できないので、こちらでもルーターを使用。
北京での速度テストは下記のとおり。
下り | 上り | |
北京郊外(ファンキー末吉さんのスタジオ) | 5.62Mbps | 3.48Mbps |
北京首都空港第3ターミナル | 4.15Mbps | 1.03Mbps |
↑ファンキー末吉さんのスタジオ周辺の様子。街なかとは違い、昔ながらの中国な感じ。 |
↑名物の北京ダックを食べながら、写真を撮影して即座にツイッターへと投稿。 |
●中山的北京ではコレ食べておけ!
↑ファンキー末吉さんオススメのレストラン『鴨王』。北京ダックはもちろん、鴨のレバーや水かきなど、鴨のフルコースが堪能できます。しかもフルコースでひとり3000円しないくらい。 |
というわけで、テレコムスクエアのルーターを持って、3週間でアジア6都市を周遊してきました。一部の地域では2Gでの接続となりましたが、それ以外は3Gでの接続。しかも通信速度も日本よりも速めで快適。
もしこの夏に東アジア・東南アジアを周遊する計画があるなら、オススメですよ!
関連リンク
テレコムスクエア
中山智さんのサイト
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