楽天が7月1日からいよいよ社内公用語英語化をスタートする。三木谷社長は、その背景と2年間の移行期間の成果を記者会見にて説明。なお、記者会見では、三木谷社長はずっと流暢な英語でした。
「楽天は海外の会社を買収して事業を拡大してきました。しかし、買収され、楽天の子会社となった海外の会社の人達ともっとより良くビジネスを進める上で、日本語が障壁となっていた」と三木谷社長は語りました。確かに、海外に住んでいる人達からすれば、自分達の親会社は日本という国にある都合上、重要な会議で日本語が飛び交う。そういったところで、気後れして積極的な意見を述べられない、あるいはある種の疎外感を感じ、子会社として孤立してしまうとしたら、それはビジネスにとっては悪影響です。
三木谷社長はそういった子会社の孤立に危機感を募らせ、社内公用語英語化に踏み切ったそうです。現在では、社内会議の8割は英語で行なわれており、新卒社員の3割は外国人で、積極的に海外の優秀な人材を得られる環境になってきているそうです。
社内公用語英語化に向けての2年間の移行期間では、社員に英語を勉強するための無料英語スクールを提供したり、そのための時間を与えたり、といった取り組みを実施。TOEICの平均点は526.2点から694.7点と約170点も向上。いまではエグゼクティブエンジニアの6人中3人は日本人ではないそうです。楽天では英語はしゃべれたら褒められる能力ではなく、必須能力になっているのです。
三木谷社長は、英語は完璧に話せなくても良いとも語りました。完璧に話せなくても、勇気を持って積極的にしゃべることが肝心だと。英単語も1000語ぐらい覚えれば、ビジネスシーンで差支えない程度にコミュニケーションできるとのこと。
移行期間のさまざまな苦労などをつづった三木谷社長の本『たかが英語!』の案内もありました。売り上げはすべて東北の震災で犠牲になった人へ寄付するそうです。7000人以上の従業員を抱える楽天の社内公用語英語化。僕も海外取材は少なくないので、他人事には思えません。でも、仕事しながら語学を習得するのは本当大変ですよね……。頭が下がります。
また、記者会見とは直接関係ありませんが、7月2日(月)に“『kobo』電子書籍事業に関する記者会見”という案内がありました。これはいまウワサされている楽天の電子書籍リーダーのことらしく、その詳細がわかるかもしれませんね。Amazonは日本国内でも『Kindle』を近日発売すると告知してますし、低価格な電子書籍リーダーのガチンコ対決が見られそうです。コンテンツ第一弾はやはり『たかが英語!』ですかね?
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