クアッドコアスマホデビュー! |
au夏モデルで唯一クアッドコアCPU『Tegra 3』を搭載した富士通製端末『ARROWS Z ISW13F』。やはり皆さんが気になるのは、そのパフォーマンスだろう。まずは代表的なベンチマークプログラム2本でのスコアを見てみよう。
なお、本機の発売予定日は7月中旬。富士通の端末説明員も「まだまだ我々が目標としているパフォーマンスにはまったく達していない」と語っていた。下記のベンチマークスコア、実機動画や、収録ソフトのデザインなどは、あくまでも発売2ヵ月前の試作機によるもので、大幅な改善が見込めることをお断りしておく。
Quadrant Standard Edition
AnTuTu 安兎兎ベンチマーク
『Quadrant Standard Edition』ではトータルスコアが3269、『AnTuTu 安兎兎ベンチマーク』ではトータルスコアが7277。どちらもデュアルコア世代のCPUを搭載したスマートフォンを上回る結果となっている。とくにCPUだけに着目するとデュアルコア端末の2倍近い値が計測されている。
今後製品版のファームウェアに近づくにつれて、トータルスコアもさらに上がっていくことに期待したい。
つぎはホーム画面、アプリ画面、ブラウザー、ゲームを実際に動かしてみよう。
ARROWS Z ISW13F:5/15時点試作機実機動画
従来モデルの『ARROWS Z ISW11F』ではホーム画面、アプリ画面の挙動にカクツキが感じられたが、『ARROWS Z ISW13F』ではスピード的にはまったく問題ないレベルだ。説明員によれば「試作機はアプリ画面のスクロールが速すぎて、思った場所で止められないので、滑らかさも含めてチューニングを行なう」とのこと。スピード的にはまったく不満はないので、iOS機やサムスン端末のそれのような、指に吸い付くようなチューニングを目指していただきたいところだ。
ゲームはPS3・Xboxクオリティー? |
本モデルには『Sonic The Hedgehog 4 Episode 2(体験版)』と『Jett Tailfin Racers(体験版)』がプリインストールされており、説明員によればPS3、Xboxなどの家庭用ゲーム機クオリティーで楽しめるという。実際にSonicをプレイしてみたら、光り輝くエフェクト演出など重たそうな処理を行なっても、コマ落ちなどはまったく感じられなかった(上の動画の後半参照)。
PS3・Xboxクオリティーというのは少々大げさに感じるが、物理ゲームコントローラーの操作感を除けば、携帯ゲーム機クオリティーのタイトルを再現することは十分可能だと感じた。
なお、Sonicをしばらくプレイしたあと、端末にかなりの発熱を感じたが、『Tegra 3』のコアのオンオフコントロール、コアごとのクロック周波数調整、省電力のために搭載された5つ目の“バッテリーセイバー・コア”の使い方のチューニングは、現時点でもっとも未完成な部分とのこと。体感スピードのチューニングに次ぐプライオリティーで、夏場でも快適に使えるように仕上げてほしい。
さて、富士通端末はフィーチャーフォン時代からセキュリティー、プライバシー機能に注力してきたが、今回の『ARROWS Z ISW13F』は「そこまでするか!」と思わせるほど、さまざまな新機能が搭載されている。
背面に用意された指紋センサー |
本体背面には指紋センサーが用意されており、指をなぞる操作と、センサー自体を押す操作が行なえる。
特定メールの表示非表示を切り替え |
たとえば富士通端末独自のメールソフト『NXメール』では、特定のメールアドレスを登録しておけば、指をなぞる操作でそのアドレスからのメールを表示し、センサーを押せば再び隠すことができる。
ビジネスの重要な相手や、親しい友人・恋人のメールアドレスを登録しておけば、スマートフォンを一時的に貸さなければならないシチュエーションなどで便利だ。もちろん紛失時のセキュリティーリスクも最低限に抑えられる。
プライバシー設定項目は多岐にわたる |
プライバシーモードで設定できる項目は、メールだけでなく、電話帳のアドレス、電話の着信履歴、アプリケーション、ブラウザーのブックマーク、ギャラリー内の画像など多岐にわたる。
こっそり通知を教える“プライバシー新着通知” |
ブックマークから嗜好がばれることもなし |
またプライバシー設定項目はきめ細かな設定が可能で、電話やメールの着信を着信ランプではなく、“バッテリー残量”アイコンの変化で知らせることまで可能。
ブラウザーのブックマークを隠す機能まで搭載されており、スマートフォンというものがプライバシーの塊であることは承知しつつも、富士通の開発陣には相当やましいことがあるのではないかと勘ぐってしまいたくなるほどだ。
なお、目立たない点だが、連続動作時間を伸ばすためにバッテリー容量を拡大し、また新WiMAXチップを搭載することで低消費電力化が図られている。
バッテリー容量を1460mAh→1800mAhに拡大 |
新WiMAXチップ搭載で低消費電力化 |
新WiMAXチップは低消費電力化に貢献するだけでなく、上り通信速度も10Mbpsから14.4Mbpsに向上している。下り通信速度は40Mbpsと変わらないが、大容量データを送ることが多いユーザーにはうれしいポイントだろう。
以下には細かな変更点をあげよう。
↑通知メニューアイコンはカスタマイズ可能。 |
↑スライドインランチャーで素早くアプリ起動。 |
↑アプリを手書きで素早く検索。 |
↑プライバシービューで覗き込みを防止。 |
↑“健康生活日記”で体調管理万全。 |
↑DLNA対応でレコーダーから番組を持ち出し可能。 |
『ARROWS Z ISW13F』はカタログスペックでは間違いなくナンバーワンの端末であり、今回の試作機では多少不具合が見られたものの、発売2ヵ月前の端末としては十分な仕上がりだと感じられた。
今回の端末の仕上がりのよさを富士通の説明員に伝えても、重ねて「現時点でのチューニングにはまったく満足していない」という言葉が返ってきた。前回の『ARROWS Z ISW13F』は動作のカクツキ、発熱などでマイナスイメージが強かっただけに、今回の『ARROWS Z ISW13F』では国産最高峰ハイスペック端末として、高く評価される端末として登場することに強く期待したい。
オマケ
カメラも高画質 |
※週アスPLUSのサイトの制限のため、1000×750ドットにリサイズしています。 |
最後にカメラ画質を発表会場の試作機で確認してみた。本機は、1310万画素のCMOSセンサー“Exmor R for Mobile”と、画像処理エンジン“Milbeaut”を搭載し、カメラ画質も強くアピールしている。上の写真は発表会場で試作機で撮影した写真を、4128×3096ドッから1000×750ドットにリサイズしたものだが、髪の毛の質感や色合いなどが実に自然だ。光学ズームは当然できないが、これだけ自然な画質が得られるのであれば、日常使いのデジカメは本機のカメラで十分だろう。
OS | Android 4.0 |
通信 | WiMAX/3G(下り9.2Mbps/上り5.5Mbps) |
ディスプレー | 4.6インチ(720×1280ドット) |
CPU | Tegra 3(1.5GHz、クアッドコア) |
メモリー(RAM) | 1GB |
カメラ | 約1313万画素(インカメラ約130万画素) |
バッテリー容量 | 1800mAh |
サイズ/重量 | 約67(W)×10.6(D)×135(H)mm/約145g(暫定値) |
おサイフ | ○ |
ワンセグ | ○ |
赤外線通信 | ○ |
防水/防じん | ○/○ |
テザリング | ○(8台) |
ARROWS Z ISW13F
メーカー:富士通
キャリア:au
発売日:7月中旬発売予定
予想実売価格:未定
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