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気球の中継局でケータイをつなげる ソフトバンクが実証実験を開始

2012年05月10日 19時00分更新

 ソフトバンクは、災害などで通信障害が発生している地域を迅速に復旧させることを目的とした、気球による臨時の3G無線中継システムを開発し、実証実験を始めると発表しました。
 実験は、2013年6月末まで、愛知県稲沢市の木曽川周辺で実施。気球無線中継システム利用時の3G通信速度や通信品質、サービスエリアの広さなどを確かめる予定とのことです。

気球の中継でケータイがつながる
ソフトバンク気球無線中継システム

 しくみは以下のとおり。

ソフトバンク気球無線中継システム

 移動無線車に搭載した中継元基地局(親機)から、地上にケーブルで固定した気球(子機)へ、臨時で3G通信ネットワークを中継。気球を中継局として、ケータイやスマホの3G通信を利用できるようにします。

 親機と子機の間の中継周波数は3.3GHz帯、子機と移動機の間は2.1GHz帯を利用、帯域幅はどちらも5MHz幅です。

 気球は横に平たい扁平型のものを地上からケーブルでつなぎ、空中姿勢を安定させます。気球の高度は地上約100メートル。親機と子機の間の中継距離は、見通しで5キロ以上確保する予定とのこと。
 サービスエリアは、郊外地で半径3キロ以上を確保できる予定だそうです。

 この気球は、北海道大学大学院情報科学研究科 小野里雅彦教授との共同研究で、ソフトバンクモバイルが製作したもの。小野里教授は1995年、神戸市東灘区で阪神・淡路大震災に遭ったことがきっかけで、地上にロープでつなぎとめて使う係留気球“InfoBalloon”による被災地情報サービスを構想したそうです。

●関連サイト
ソフトバンクモバイルのプレスリリース
北海道大学システム環境情報学研究室 InfoBalloonの開発ページ

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