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東京ビッグサイトで開催中のドでかいIT展『Japan IT Week 2012 春』に行ってきた

2012年05月10日 17時30分更新

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 ソフトウェア開発環境展や情報セキュリティEXPOから、スマートフォン&モバイルEXPO、クラウドコンピューティングEXPOなどまで、計12のテーマにそった展示会を一堂に行なうイベント『Japan IT Week 2012 春』が、東京ビッグサイトにて5月9日から11日まで開催中です。
 初日にさっそく訪れ、最近はやりのキーワードでもある、クラウドコンピューティングEXPOとスマートフォン&モバイルEXPOを中心に見てきました。ここでは、気になったブースをレポートしていきます。まずは、クラウドコンピューティングEXPOから。

■日本マイクロソフト

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 日本マイクロソフトのブースで大々的に展示されていたのが、『Windows Server 8』です。ちまたでは年内の登場がウワサされるWindows 8が話題ですが、その世代のサーバーがWindows Server 8です。
 Windows Server 8は、“プライベートクラウド”と呼ばれ、クラウドコンピューティングのコンセプトや技術を企業などのデータセンターに適用するものです。
 前製品である、『Windows Server 2008 R2』からどのように変化しているのか見てみると……。

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 まず、仮想プラットフォーム『Hyper-V』がサポートするホストプロセッサーは、64LP(Logical Processor)から160LPに増加。2.5倍になっています。さらに、メモリーは1TBから2TBと2倍に強化。そして仮想マシンのスペックは、仮想プロセッサーが最大4VP(Virtual Processor)から、最大32VPと8倍に。また、仮想メモリーも64GBから1TB、ハードディスクも2TBから64TBと、やりすぎなくらい大幅なアップデートです。VP:LPの割合は、従来8:1だったのに対して、制限がなくなりました。

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 そして、追加された機能もあります。ひとつが『Hyper-V Replica』というもので、万が一災害などにあいサーバーが落ちた場合などのトラブルが発生した場合、仮想マシンのデータを別のHyper-Vホストにコピーして作成し同期するものです。2台のHyper-Vホストの間で、特に難しい技術やハードを必要とせずに構成できるとのこと。
 さらに、『Remote FX』。こちらは、仮想デスクトップインフラストラクチャー機能、3Dグラフィックス機能、USBリダイレクト機能などを含みます。物理サーバーのGPUを仮想化し、Hyper-V上で実行される仮想デスクトップに付く仮想3Dビデオアダプターで3Dグラフィックス機能とUSBリダイレクト機能が使えるというもの。
 ほかにも多くの機能強化がはかられたWindows Server 8、今年の後半にはリリースしたいとのことです。

■サイボウズ

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 ここでは、当日にリリースが出たというサイボウズのクラウド新サービス『メールワイズ』が早速展示されていました。

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 こちらは、従来の“クラウド”とはちょっと違うとのこと。どんなものかと見てみると、クラウドをより積極的に活用したメールベースの情報共有システムという印象です。クラウドなどというと、大規模な企業の世界の話と考えてしまいがちですが、中小企業でも、営業などのメールを手軽に情報共有できるといいます。たとえば、対応漏れや二重対応など起きないように、ひと目で処理状況が確認できるようになってます。
 機能としては、過去の対応履歴がすぐ調べられたり、よく使っている文面を共有できたりするほか、ちょっと驚いたのが、自動送信、自動返信メールを、わざわざフォームに文字を打ち込まなくても、メールソフトの設定画面にしたがっていくだけで作成できる機能なんてのもありました。
 現在はまだ利用金額が提示されていませんでしたが、相場上3ケタ円(1クライアント/1月)で公開したいとのことでした。

■HITACHI

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 HITACHIのブースでも、おもしろいクラウドシステムを発見しました。こちらは、鉄道やバスのダイヤを管理・サポートできるとういう『SmartDia』です。

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 これがインターフェース。難しい環境構築は必要なく、保守・運用なども提供会社が行なってくれるそうです。もちろん、ネットにつながってさえいれば、いつでもSmartDiaを使うことができます。
 本来、たいへん難しい乗務員スケジュールを簡単に作成できる機能も実装されるそうです。

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 そして、同じくHITACHIのブースで見つけたおもしろいクラウドシステムその2『RecwareIII』です。これは、IP電話からサーバーにつなげて、会話の音声を録音することができ、音声データをクラウドに保存できるシステムです。主な活用事例としては、コンタクトセンターが多いようですが、ほかにも会社の内線音声の保存など、企業保全としても利用されているようです。音声データは大きいものになりますが、クラウドを活用すればガンガン保存できますね。保存されたデータのセキュリティーもログイン認証やアクセス権限が設けられるので安心です。

・ロガー1台あたり1000通話の同時録音可能
・ソフトウェア化することでクラウドシステムに適用
・各社のIP-PBXと連携可能
・柔軟な構成を実現
・国産の自社開発システムなので、構築が容易。サポートも充実
・コンタクトセンタシステムとの連携
といった特徴があります。

■ニフティ

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“BCP・バックアップ”と大きく展示されていました。ニフティのブースにて、ニフティクラウドを見てきました。

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 マルチリージョン機能は、サーバーを災害に備えて遠くに設置できるという機能です。今までは、東日本にしか設置拠点がなかったとのことですが、8月から西日本の設置拠点を提供するとのこと。
 サーバーバックアップ機能は、万が一なんらかのトラブルがあったとしても、任意のタイミングでバックアップしておけば、トラブル前の状態に戻すことができるようになるとのこと。こちらも8月に提供予定です。

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 ニフティクラウドのファイルサーバーソリューション概要。肥大化するデータを安全に無限に保管!というのをアピールしています。

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 ニフティクラウドの導入事例のコーナーもありました。2011年10月末には導入実績1000社とのこと。

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 続いて『スマートフォン&モバイル EXPO』のホールへ。

■SHIFT

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 アプリなどのテストを行なっている会社、SHIFTのブースでは、テストを実際に行なっているスマートフォンの展示を行なっていました。ブラックボックステストと呼ばれるコーティング後のテストを中心に行なっているそうです。
 裏のブースにもおもしろいものを展示してあるという話を聞き、向かってみることに。

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 この小さなコネクターは、メールで相手に嗅がせたい香りを選択して送信することで、相手のコネクターからその香りを出せるというものです。もちろん相手もこれと同じコネクターを装着していないといけませんが、おもしろい試みですね。

■Panasonic

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 Panasonicのブースには、企業向けのAndroid3.2搭載タブレット端末『BizPad』が展示されていたので見せてもらいました。業務用ということで、防水、防塵設計です。

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 こちらは7インチ液晶モデル。120㎝の高さから落としても壊れない設計になっているそうです。主に、フィールドワークで使うことを想定している端末ですね。

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 10.1インチ液晶モデル。こちらは、80cmから落としても壊れない設計です。主にオフィスで使うことを想定した端末です。

■ゼンリン

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 最後にゼンリンのブースです。こちらに展示されていたのは、海外のナビをしてくれるアプリでした。『台湾観光ナビ』と呼ばれるこのアプリ、日本人が台湾に行ったときも迷わない便利なものです。

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 逆にこちらは、台湾の人が日本にきても迷わない台湾人用の日本ナビです。

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 ほかに、街の混雑状況がわかる『混雑度マップ』というものも展示されていました。これは、指定した土地の現在の混雑度がわかるサービスです。被災地の駅前繁華街などを見れば、活気を取り戻していく復興状況なども調べられるといいます。夏や冬のあのイベントがある日前後にビッグサイトを調べるとどうなるのでしょう……。

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 グラフで変化も確認できるので、その場所の盛り上がり具合もわかり、混雑していると稼げる!というような職業の方にはもってこいのサービスなのかもしれません。

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 スマートフォン向けの『いつもNAVI』です。Android用とiOS用のアプリがあり、AndroidはGPSを使った通常型、マップをダウンロードして使うローカル型とあります。iOSは、どちらの機能も使えるハイブリット型で、万が一通信に乱れがあってもマップをダウンロードしてそのままナビを続行できるというものになってます。

 あまりにも多数の企業が参加していて、とうてい1日では回りきれませんでしたが、やはり話題になっている“クラウド”サービス推しの企業がたくさん目にとまりました。時代の最先端を行くIT企業のこれからに期待です。

■関連サイト
Japan IT Week 2012 春

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