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NTTとKDDIが仲良く!“G3ファクシミリの国際標準化”の功績で『IEEEマイルストーン』認定

2012年04月05日 23時00分更新

IEEEマイルストーン

 IEEE(アイトリプルイー)東京支部による『IEEEマイルストーン贈呈式』が4月5日、東京・帝国ホテルで行なわれました。この式典は、NTTとKDDIが1980年に共同で開発・普及を推進した『G3ファクシミリの国際標準化』の功績が、“IEEEマイルストーン”として認定されたことを受けてのもの。

 贈呈式には、NTT代表取締役社長 三浦惺氏と、KDDI代表取締役社長 田中孝司氏が出席。プレゼンターは、IEEE President and CEO Gordon Day氏です。

 青山友紀氏(主催者・IEEE東京支部のSection Chair)によれば、こうした式にDay氏が登場するのは珍しいことらしく、それだけ格式の高い式典であることがうかがい知れます。新人・山下としては、ふだんの生活ではおよそ縁がない、権威や格式をビリビリと感じたひとときでした。スーツで取材に行って本当によかった!

IEEEマイルストーン

 たいへん栄誉ある賞を両社が受賞したということはわかりましたが、ところで、IEEEって何なんでしょう? 式のなかで、IEEE 日本 History Comm. Chairの大野栄一氏が説明してくれました。

 IEEEは、米国ニューヨークに本部を置き、世界に40万人以上の会員をもつ工学系学術団体で、日本でも現在9つの支部を置いています。


 国際会議の開催、論文誌の発行、技術教育、規格の制定などが主な活動内容。あとで聞いたのですが、たとえば、無線LANのIEEE802.11gとかnといった規格の標準化を行なっている機関と言われて、「ああ!」と納得。

 IEEEでは、1983年に『IEEEマイルストーン』を制定しました。“電気・電子・情報・通信分野における画期的な技術革新の中で、開発から25年以上にわたり国際的に高い評価を受けてきた技術革新の歴史的業績を称える表彰制度”として、これまで世界で121件の認定をしています。

 古くは、ベンジャミン・フランクリンの電気に関する実験や、ボルタの電池の発明、エジソン研究所(電球や蓄音機などの発明)などが受賞済み。たしかに、いずれも“マイルストーン”と呼ぶにふさわしいものばかり。

 実は、日本でも16件ほど受賞しています。たとえば最近、台湾の鴻海との資本提携で話題にのぼったシャープは、電卓の先駆的開発と太陽電池の商業化で2回も受賞しています。現時点で、アジア圏で受賞しているのは日本だけだそうです。

 そうした事実を誇らしく感じる一方で、それだけの技術力をもつ企業でさえも、海外資本の助けが必要となる現在のご時世。グローバリゼーションの荒波の厳しさを痛感せずにいられません(と、うちのデスクが言っていました)。

 

IEEEマイルストーン

↑Gordon Day氏による銘板贈呈を受けるNTT代表取締役社長の三浦惺氏。「たいへん光栄に思っております。学会の皆様、メーカーの皆様のおかげです」とコメント。震災を受け、あらためて情報通信の影響力の高さに驚くとともに、さらなる発展に寄与できるように努めていきたいとのこと。

IEEEマイルストーン

↑KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、「ふだんは同席する機会がないNTTさんといっしょに受賞できてたいへんうれしい」とコメント。会場には笑いが起きた。これっきりにならぬよう、イノベーションの発展に寄与したいとのこと。

 一斉の拍手によって幕を閉じたIEEEマイルストーン贈呈式。今後もさらなる日本の技術向上&技術革新に期待したいですね。

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