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次世代アイドルが汗と涙の真剣勝負! 第1回アイドル横丁杯 レポート

2012年03月22日 20時00分更新

 アイドルグループ全盛のなか、次のスターを目指す若き精鋭たちがフレッシュな競演を果たした。2月26日に渋谷クラブクアトロで開催された『第1回 アイドル横丁杯!!』には、7組のアイドルグループがエントリーしたぞ。

 この横丁杯は、4月8日に開催される『第2回 アイドル横丁祭!!』への出場権を賭けた、いわば予選としての位置付け。第2回横丁祭の開催が発表されたいま、あらためて横丁杯の現地レポートをお届けしたい。

参加アイドルグループ

OS☆U
とちおとめ25
しず風
Doll☆Elements
でんぱ組.inc
Negicco
B♭

 横丁杯の優勝者を決めるのは来場したファンによる投票だ。どれだけ多くのファンに認めてもらえるか、自分たちの存在を認知してもらえるか、新進グループにとっては緊張かつ勝負の場となった。

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出演グループ全員がステージに上がって、ファンをバックに記念撮影! このなかから次の全国区アイドルが生まれてくるのだ。

OS☆U

 名古屋・大須をベースに活躍する『OS☆U』。グループ名は“Osu Super idol Unit”に由来しており、地元の大須商店街がバックアップするなど地域密着型のグループだ。

 ここでOS☆Uと読者のみなさんにお知らせがある。この日はアイドル関連イベントが3つ重なっていたため、記者は残念ながらOS☆Uのステージに間に合わず、彼女たちのライブをレポートできないこととなった。謹んでお詫びいたします。

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名古屋・大須から襲来した『OS☆U』。今回は全15人のうち9人がステージを務めた。東京ではまだ2回目のライブにもかかわらず、多くのファンを魅了したようだ。

 ライブレポこそできなかったものの、全ステージ終了後の握手会では、これが東京で2回目のライブとは思えないほどの集客でにぎわっていた。聞くと、名古屋から応援に来たファンも多かったとか。地元ファンと首都圏ファンの両方から支持され、印象的な明るい笑顔で接していた彼女たちのがんばりは、応援し甲斐がありそうだ。

■セットリスト■

Surfing Striker
24-twenty four-
DAMEもとLOVE
GGT

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こんな笑顔でファンと握手。なかには痛む腰に湿布を貼ってがんばるメンバーもいたぞ。
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こんな笑顔で迎えてくれるのだから、名古屋のファンも遠征する甲斐があるというもの。笑顔はアイドルの基本です!

とちおとめ25

 2番手で出場したのは、栃木県をベースに活躍する『とちおとめ25』。グループ名の由来は全国的なブランドいちごの『とちおとめ』に、夏でも食べられる品種『なつおとめ』の品種番号である『栃木25号』を合体させたもの。年中いつでも旬という意味が込められていそうだ。

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栃木県のご当地アイドル『とちおとめ25』。本来は9人編成で、今回は7人でのパフォーマンスとなった。

 そのステージングは笑顔にあふれた前向きなもの。いちごがテーマのグループゆえ、素朴で甘いパフォーマンスは観る者を幸せな気分にする力にあふれていた。

 なお、今回のステージの模様は同グループの公式動画として YouTube にアップされているので、検索してチェックしておきたい。

■セットリスト■

とちおとめ25のテーマ
いちご記念日
あの空をこえて
いちごパフェ
きゅんきゅんラブ

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リーダー的存在のあい(左)がメンバーを引っ張り、ステージを引き締めていた。
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日加ハーフのやよい(中央)はやはり目立つ存在。THEポッシボーの岡田ロビン翔子をほうふつさせる。
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東京ではわずか2回目のライブとは思えない、ハツラツとしたステージを見せてくれた。
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握手会でもこの元気さ! 全国的ブランドのいちご『とちおとめ』に負けないパワーだ。

しず風

 アイドルとロックの融合をテーマにした“I ROCK”を標榜する、ユニークな立ち位置のユニット『しず風』。その誰にも似ていないステージングは果たして、満員の観客を熱狂の渦に巻き込んだ。

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“I ROCK”の伝道師的存在の『しず風』は、パフォーマンスもロックミュージシャンふうでイカす!
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ステージ前半はアイドルメドレーで、可愛らしいポップな衣裳と相まって可愛らしさをアピールだ。

 なにしろ、披露したのは“アイドルメドレー”と“I ROCKメドレー”の2曲(?)のみ。ロックバンドふうのアクションを取り入れるグループは珍しくないものの、その立ち振る舞い自体がここまでロックしているユニットは、おそらくほかにはないことだろう。

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途中のMCでTシャツを着用。これが I ROCK モードに突入するための戦闘服となる。
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ご機嫌なナンバーを連ねた“I ROCK メドレー”では激しくジャンプ! 会場も揺れた。

 いまやしず風ではおなじみになった“聖水”や、今回は会場の構造が原因で不完全な形にはなったがダイブ&サーフで盛り上がるなど、そのパフォーマンスはあくまでアグレッシブ。いまのアイドルシーンはまさに“なんでもあり”ということを実感させてくれる、ホットなライブとなった。

■セットリスト■

アイドルメドレー
I ROCKメドレー

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これがウワサの“聖水”! プロレスラー大仁田厚をほうふつさせるパフォーマンスにファンも大興奮だ。
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クライマックスはメンバー自らが客席に飛び込んでのダイブ! しずく(手前)は足場が悪いため柵に立つところまでだったが、奥の風香はしっかりサーフしていたぞ!
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握手会では貴重なスリーショットを撮影できるとあって、多くのファンを集めていた。

Doll☆Elements

 先輩グループ『愛乙女★DOLL』の3期研究生ユニットとして発足した『Doll☆Elements』。ところがそのルックスの良さと、グループとしての結束の高さから、デビュー2ヵ月にして早くも単独グループとしてのポテンシャルを発揮しており、今回も単独グループとしての出演となった。

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実にアイドルらしい制服とフォーメーションで引き締まったステージを見せた、“どるえれ”こと『Doll☆Elements』。

 グループとしてのオリジナル曲はまだないなか、先輩の曲を噛みしめるように丁寧に歌い上げるその姿は、アイドルの基本形に立ち返ったようだ。飛び道具的なパフォーマンスは持ち合わせていないが、制服ふうの衣装など、アイドルのお手本のようなステージングには、観る者を優しく癒やしてくれる力を感じさせた。

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デビューわずか2ヵ月ながら、高いルックスレベルで早くも人気は上昇しており、会場を魅了していた。
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華やかで可愛らしいパフォーマンスはアイドルグループのお手本のよう。若いグループながら基本はしっかり押さえている。

 それでいて、この横丁杯で多くのファンに認められたいという願いがしっかりと伝わってきたのは特筆もの。ある意味、最も正統派のアイドルグループとして、ファンの心に『Doll☆Elements』の名前が刻み込まれたことだろう。こちらのステージ動画も公開が始まったので、どるえれの公式ブログからリンクをたどっていこう。

■セットリスト■

GO!!MY WISH!!
君とゆびきり
壊して、純情
流れ星

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バックステージパスでも人気の外崎梨香(左)など、アイドル力の高いメンバーぞろいなのがどるえれの長所だ。
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ステージでは権田夏海が感極まるシーンがあり、リーダーの為近あんながしっかりとサポートしていた。
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5人という人数を活かしたシンメトリーなフォーメーションを多用。見ごたえのあるステージとなった。
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握手会ではメンバーによる直筆メッセージをプレゼント。待機中の2人も笑顔でピース!

でんぱ組.inc

 秋葉原のディアステージをベースに活動する『でんぱ組.inc』は、大手レーベルのトイズファクトリーが関わる『MEME TOKYO』からCDをリリースするなど、知名度と実績はかなりのものだ。

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アキバを代表する形になった『でんぱ組.inc』。ミュージカルっぽいパフォーマンスはいかにもディアステらしい。

 いっぽうで、いかにもアキバっぽさ満開の楽曲やステージングは、アイドル戦国時代の主流からは外れた位置にあるとも言える。それゆえ、その知名度に反して会場での雰囲気が多少アウェイ気味だったことは、彼女たちにとって試練の場だったかもしれない。

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きっちりとポージングを決め、コンセプチュアルなステージを展開。他のグループとは異なるアプローチを見せた。
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ダンスの振りもユニークなでんぱ組。ディアステのステージで鍛えられているだけあって、魅せる力は高い。

 とは言え、すでに多くのファンに支持されていることから、会場にはでんぱマニアが多数来場。その熱心な応援を受けつつ、初見のファンにも自分たちのパフォーマンスを観てもらおうと、いつものペースを崩さずにステージを務め上げた姿が印象的だった。

■セットリスト■

Future Diver
わっほい?お祭りinc.
kiss+kissでおわらない
君も絶対に降参しないで進まなくちゃ!
くちづけキボンヌ

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いかにもアイドルらしい元気な動きも。モデル活動でも知られる夢眠ねむ(手前)はヒラヒラを大きく振ってのパフォーマンスだ。
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つくりこまれた振り付けで、ストーリー性のあるステージを構築。ハマる人にはずっぽりハマるころだろう。
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握手会では丁寧な対応が印象的。前面に大きくキャラクターがプリントされたステージ衣装も特徴的だ。

Negicco

 知名度や実績ではすでに、横丁杯にエントリーすること自体が異例とも言える『Negicco』。むしろ第1回アイドル横丁祭に出ていなかったことのほうが不思議なほどだ。

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大人のパフォーマンスで魅せた『Negicco』。実績では頭ひとつ以上抜けていることを、ステージ上で証明してみせた。

 それゆえ今回の参戦目的は優勝狙いではなく、新規ファンへの挨拶代わりだったのかもしれない。実際、Negiccoを観るファンからは、新進アイドルの応援という目線ではなく、完成されたパフォーマンスを楽しもうというスタンスが感じられた。

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ダンスにも大人のセクシーさがかいま見られる。活動歴8年の蓄積は伊達ではない。
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もちろん、アイドルらしいハツラツとした表情も魅力的。平成のキャンディーズがライブハウスで弾ける!

 そんなファンの気持ちに十二分に応えるパフォーマンスを展開したのはさすが。めちゃイケのEDテーマでおなじみとなった『圧倒的なスタイル』は、その曲名のように、聴く者を圧倒的に引き込む力にあふれていた。

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わずか3人とは思えない存在感で、クアトロの広いステージを完全に支配。さすがと思わせるパフォーマンスだ。
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MCの巧みさも際立っていたNegicco。観客もついつい引き込まれ、拳を振り上げていた。

 さらにMCの巧みさからも、活動歴8年の積み重ねを感じさせた。なお、ステージではリーダーのNao☆が『皇潤を飲んでいる』とイジられていたが、本人に確認したところ、まだ飲んではいないとのことだ。

■セットリスト■

Party on the PLANET
ニュートリノ・ラブ
完全攻略
圧倒的なスタイル

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こんなラインダンスも披露。余裕を持ちつつ、楽しげにステージを務めていることが伝わってくるパフォーマンスだ。
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舞台裏ですかさずNegiccoポーズで決めたMegu。22歳とは思えない可愛らしさですね。
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握手会も大人の落ち着いた雰囲気。会話の巧みさはさすがで、場数を踏んできた貫録を感じさせる。

B♭

 トリを飾ったのは、平均年齢で最年少の『B♭』。ドロシーリトルハッピーらを擁する仙台の事務所ステップワンに所属しており、ドロシーのライブでバックダンサーを務める姿はおなじみだ。

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この日のトリを務めたB♭。年齢ではおそらく最年少のグループながら、鍛えられたダンスでステージを支配した。

 そんなB♭の見どころはやはり、十分な訓練に裏打ちされたダンスパフォーマンス。ダンスに関しては、B♭は異次元のレベルでパフォーマンスしていたと言わざるを得ない。

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とにかくダンスのレベルが高い。動きが速いため、暗めのステージ上では撮影するのも大変なほどだ。
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曲やパートによって、リードをとるメンバーが入れ替わる。アイドル力を身に付けるには素晴らしい環境と言える。

 とは言えアイドルにとってダンスはあくまで、要素のひとつに過ぎない。だがB♭にはダンスが終わると、小中学生らしいシャイでまぶしい笑顔を見せてくれる、無垢な魅力がある。こまっしゃくれた小中学生が多い現代、この笑顔はまさに一服の清涼剤なのだ。

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フォーメーションはアイドルというよりダンスグループのそれに近い。ステージの広さをめいっぱい使っていた。
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曲と曲のあいまには、小中学生らしい可愛らしい笑顔を見せる。このギャップにファンはやられてしまうのだ。

 MCではリーダーのコウメが自らの力不足を打ち明け、メンバーともども涙するシーンも。こんな正直さも若さならではの魅力ではないだろうか。こんなイベントで若い子たちを競わせなくてもという声もあるが、ここで打ちひしがれるほど、彼女たちは弱くないはずだ。

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後列メンバーがジャンプ! ジャンプの高さでは他のグループを一段上回っていた。
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MCでリーダーのコウメが自分の正直な気持ちを吐露すると、他のメンバーには涙ぐむ者も。汗と涙がキミたちを大きくするのだ。

 そしてラストナンバーは、ステップワン所属メンバーにとっては永遠に歌い継ぐべき曲の『Life goes on』。将来に夢あふれる彼女たちがこの歌を歌うとき、人は希望というともしびに心強くするのだろう。

■セットリスト■

NO:ID
High so Jump!
shy shy LOVE
Life goes on

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『Life goes on』。生きとし生ける者たちによる魂のこもったパフォーマンス。そう、キミたちが明日になる。
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握手会ではメンバー全員による拍手も。こんな感じで迎え入れられたら、ファンならずともメロメロですよ。

優勝グループは?

 来場したファンによる投票の結果、栄えある第1回優勝に輝いたのは『でんぱ組.inc』。その名前がコールされた瞬間、歓びに沸くでんぱ組.incと、その他6組の表情の明暗は、いかにも残酷だったかもしれない。

アイドル横丁杯
見事、優勝を果たしたでんぱ組.inc。アキバ発のグループにまたひとつ勢いがついた。

 だが優勝したでんぱ組.incでさえ、第2回アイドル横丁祭!!には、新参者的な立場で参加するようなものであり、そのプレッシャーは相当な大きさのはず。そんなとき、この場で涙した6組の気持ちを背負って出場することが、彼女たちの背中を押してくれるはずだ。

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優勝トロフィーを手に、喜びの表情を見せるでんぱ組.inc。全グループの魂を胸に、横丁祭に挑む!

 全7組のパフォーマンスを通して伝わってきたのは、“汗はウソをつかない”という基本的なこと。それに涙も加わった今日のパフォーマンスは、観る者の心に間違いなく、大きな足跡を残したはずだ。

●関連サイト
アイドル横丁(主催者)公式サイト

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