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NECが考えるテレパソの進化形とは?Twitter連携機能“つぶやきプラス”をチェックした

 NECは19日、プレス向け説明会のイベント“Tech Day 2012 Vol.1”を開催し、同社の個人向けパソコンに搭載するテレビ視聴ソフト『SmartVision』に対する取り組みについて、説明を行なった。NECの『SmartVision』といえば、その歴史は1995年に発売されたビデオキャプチャーボードにまでさかのぼることができる、実に息の長いテレビ視聴ソフトウェアなのだ。

技術説明会“Tech Day”を初開催
Twitter実況に対応したNECの「SmartVision」を見てきた!
↑NEC初の試みとなる“Tech Day 2012 Vol.1”。今回のテーマはテレパソ向けの地デジ視聴ソフト『SmartVision』だ。


 登壇したNECパーソナルコンピューター商品開発本部長の小野寺忠司氏によると、NECは国内地デジチューナー搭載パソコンのシェアNo.1(34%)を占めており、テレビ、レコーダー、PCと一台三役をもつテレパソのニーズは順調に伸びているという。
 NECの調査では、顧客満足度は46%でトップ。週刊アスキーで長年テレパソのレビュー担当として各社テレビ視聴ソフトを使い倒してきた筆者としても、それなりに納得のいく数字だと思う。

『SmartVision』の進化
Twitter実況に対応したNECの「SmartVision」を見てきた!
↑1995年から脈々と続いてきた『SmartVision』の歴史。


 説明会では企画・開発担当者から『SmartVision』の特徴について、改めて説明が行なわれた。NECがテレビ視聴ボード&ソフトの開発コンセプトとしているのは、「たくさん録って、効率よく消費する」という考え方だ。
 SmartVisionには“3波WWWテレビボード”(=3波Wチューナー、W長時間録画、W携帯録画のこと)を搭載し、最大16倍の長時間録画、USB HDDの増設対応、おまかせ録画……など多くの機能を搭載すると解説。偶然にも家庭用のBDレコーダーでも似た機能を搭載しているが、決してレコーダーのマネをしているワケではないという。むしろ開発は、「パソコン側からTVを考える」コンセプトで行なわれているとのこと。

SmartVisionはボードもソフトもほぼ自社開発
Twitter実況に対応したNECの「SmartVision」を見てきた!
↑テクニカルな側面も含めたNECによる開発イメージ図。ソフトのみならず主要デバイスまでほとんどが自社開発というのは珍しい。


 それでは、NECの考えるテレパソとは、どうあるべきものなのだろうか。その答えに“参加型”というアイデアがあった。2月にNECの最新テレパソが発表された際に“つぶやきプラス”というTwitter連携機能をアップデートで追加する予告を行なった。その予告の通り、3月15日に同社最新テレパソ向けにアップデートモジュールを公開。今回、つぶやきプラスが実際に体験できるかたちで展示されていたので、機能を解説したい。

新機能“つぶやきプラス”とは?
Twitter実況に対応したNECの「SmartVision」を見てきた!
↑テレパソとTwitterとの連携機能“つぶやきプラス”の開発コンセプトを語る開発の今野氏。


 つぶやきプラスは、簡単に言ってしまえばNECのテレビ視聴ソフト『SmartVision』と一体化した、Twitterによる放送実況用クライアントだ。NECの自社開発による機能で、開発担当者はTwitterを眺めならサッカー日本代表の試合を観ていたら、ゴールの瞬間にTwitterに大量の投稿が流れてきた体験から、「これはイケる!」と企画にいたったのだという。

 つぶやきプラスには4つの機能がある。

 ひとつめは、リアルタイムでTwitterのタイムラインを表示する“Twitterライブ視聴”だ。放送局ごとの投稿を画面右にリスト表示して、自動スクロールしてくれる。もちろん自分で投稿も可能だ。各局をプリセット済みのほか地方局も登録されているが、投稿が少ない場合はカスタマイズしてキー局のハッシュタグも利用も可能だ。

 裏番組にあたる放送局のハッシュタグ表示も可能で、見た目のイメージは『PS3 Torne』の“ライブ”にもちょっと似ている。ただし元々キーボード付きということもあり、投稿しやすさはテレパソが圧倒的に上回る。

視聴しながらTwitterでつぶやける
Twitter実況に対応したNECの「SmartVision」を見てきた!
↑動作中の“Twitterライブ視聴”画面。タイムラインはリスト表示だ。ニコ動風に画面上を横スクロールするタイプの実況は画面の加工にあたるため不可能とのこと。


 2つめは、テレビ番組を録画した際に同時にTwitterタイムラインも保存できる “Twitter録画視聴”機能だ。録画した番組をHDDから再生する際に、保存したTwitterタイムラインもリアルタイム実況さながらに放送に合わせて表示してくれるので、録画再生を実況風に視聴できる。
 投稿を選択することでその時間に番組をジャンプできるので、歌番組では誰かが歌手名を投稿していれば、逆引きもできるようになる。
 ただしニコ動のような疑似同期機能は仕込まれていないため、再生中の録画番組に対する投稿は不可能だ。

観たい歌手のシーンにジャンプできる
Twitter実況に対応したNECの「SmartVision」を見てきた!
↑歌番組では歌手の実況をする人が多いので、投稿を元に歌手の出演シーンにジャンプすることもできる。


 3つめは、Twitterの機能を利用した“Twitterリモート録画予約”、4つめは“Twitterおすすめ予約”だ。

 テレビ放送の実況とTwitterの相性の良さは、放送を観ながらタイムラインを眺めたことがある多くの人が実感しているだろう。すでに自前でTwitterクライアントを用意したり、ウェブサービスを通じて使い倒していた人もいるはずだ。
 NECが始める“つぶやきプラス”は、そんなネットユーザー発の視聴スタイルこそがテレパソの正統進化形だと宣言する機能なのだ。

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