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MWC2012:カスペルスキーがプレスカンファレンスを開催 タブレットにもセキュリティ対策が必要

2012年03月04日 18時00分更新

 ロシアに本拠地を置くセキュリティ企業の『カスペルスキー研究所(Kaspersky Lab)』は、Mobile World Congress 2012の会場でプレスカンファレンスを開催し、新製品となるセキュリティソフト『Kaspersky Tablet Security』を発表した。あわせて『Kaspersky Parental Control』のβ版をリリースするとともに、現在のモバイル環境に潜むさまざまな危険について分析を行い、ユーザーに警鐘を鳴らした。

MWC2012:カスペルスキーがプレスカンファレンスを開催
Kaspersky Labの共同創業者兼CEOのユージン・カスペルスキー(Eugene Kaspersky)氏。

 『Kaspersky Tablet Security』はAndroid2.2以降に対応するAndroidタブレット向けのセキュリティソフトウェア。ダウンロードしたファイルやアプリケーションをリアルタイムスキャンする“マルウェア対策”、リモートロックとリモートワイプに対応する“データ保護と盗難防止”、そしてフィッシングサイトなど危険なサイトへの接続をブロックする“Webプロテクション”という、セキュリティソフトとしては一般的な三つの機能をもっている。

 盗難対策としては、GPSなどを使って端末位置の把握が可能。スクリーンロックの解除などを試みた場合、インカメラの機能を使ってこっそり犯人の顔写真を撮るといった機能も含まれている。リモートロック、リモートワイプ、そしてGPSなどによる位置情報の把握は、いずれもWebベースの管理画面を使って行うことができる。

 『Kaspersky Tablet Security』は19.95ドルで販売されるが、日本国内での販売開始時期や販売価格などは未定とのこと。

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盗難対策は四種類。スクリーンロック、リモートでのデータ消去、端末の現在位置の把握、そしてMugshotと呼ぶインカメラを使った撮影機能。
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万が一なくしたタブレットを善意のユーザーが拾得した場合は、画面に返却依頼などのメッセージを表示させたり、GPS機能やWi-Fiアクセスポイントの位置情報から、端末がいまどこにあるのか地図上に表示させることができる。
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インカメラを使って周囲の撮影を行うMugshot。盗難の場合、犯人の特定や現在ある場所の把握などに使える。

 また、β版としてリリースしたのが『Kaspersky Parental Control』で、これは子供が不適切なアプリケーションを使ったり、不適切なWebサイトにアクセスしたりさせないための製品。特に個人での利用が中心と思われるスマートフォンに対し、タブレット端末の場合は、ひとつの端末を家族間で共有していることが多いため、管理者である親が簡単に制限を管理できるように工夫がしてあるという。ペアレンタルコントロールはAndroidスマートフォンとタブレットの双方に対応する。

 ペアレンタルコントロールとしてはiOS向けに『SafeBrowser for iPhone/iPad』のβ版もリリースした。機能としては前述のAndroid端末向けと同じく不適切なWebサイトにアクセスできないように接続先を制限するWebフィルタリング。Android端末では標準のブラウザに対して機能を付加しているが、iOSでは同じ手法をとることができないため独自のブラウザappになる。しかし使い勝手を損なうことのないように、iOSに標準搭載されているSafariと同等に使えるとのこと。名称のとおり、iPhoneとiPadの双方で利用できる。

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親が子供に使わせてもいいアプリケーションや、見てもいいWebサイトなどを管理するペアレンタルコントロールソフトをβリリース。
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iPhone/iPad向けに、Webフィルタリングを行うセーフブラウザもβリリースした。
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日本でも発売されているスマートフォン向け製品をはじめ、タブレット向け、そしてペアレンタルコントロールと、モバイル端末向け製品の充実を図る。

 日本でも発売されている『カスペルスキー モバイルセキュリティ 9(Kaspersky Mobile Security)』をはじめ、今回のようなタブレット向けセキュリティソフト、そしてペアレンタルコントロールなど、モバイル端末向けのセキュリティを強化する背景にはあるのは、2010年以降に急増しているモバイル向けマルウェアの存在があるという。

 カスペルスキー氏によれば、これまでのPCをターゲットとしたサイバー犯罪と、モバイル端末をターゲットにしたサイバー犯罪に大きな違いはないと警鐘を鳴らす。カンファレンスに登壇した同社のふたりのアナリストによれば、モバイル向けのマルウェアは現時点でAndroidが65パーセント、J2MEが27パーセント、Symbianが7パーセント、Windows Mobileが1パーセントとのこと。iOS向けは少ない。

 Androidが攻撃対象になるのは市場における端末の数が多いうえ、PCにおけるWindowsのような立ち位置にあるからだとしている。言うまでもなくiOSの場合はAppStoreの存在とハードウェアを製造している企業が一社という背景から攻撃対象になりにくいわけだが、この構図は10数年前のWindowsとMacにおけるリスクの違いとさほどかわらず、GoogleとAppleがポリシーを変えることがない限り、AndroidとiOSについても同じような状況に向かうと予測している。

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カスペルスキー研究所が把握しているマルウェアの数。Android向けが65パーセントを占める。
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攻撃手段の比率。トロイの木馬によるSMS送信、バックドアを開ける、トロイの木馬型スパイウェアと続く。
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Android端末のシェアは50パーセントを超え、ハードウェアの製造企業や端末の種類が多いことなどからもっとも狙われやすいプラットホームになっているという。
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現在あるPC向けの脅威とほぼ同等の脅威が潜在するというカスペルスキー氏。銀行口座の盗難、トロイの木馬付SMS(メール)、フィッシングサイト、個人情報の盗難などはすでにモバイルプラットホームでも実際に行われている。偽のアンチウイルスソフトや、ランサムソフト(端末内データを改ざんして復旧に金銭を要求するもの)などの登場も時間の問題。DDOS攻撃が有効かどうかは明確ではないが、論理的には可能と分析する。
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ではユーザー側がどういった対策を打てばいいかと言うと、これは非常に一般的な回答になる。ひとつはスクリーンロック機能を利用して、自分以外には使わせないようにすること。セキュリティソフトを導入すること。データ暗号化が可能であれば行う。入手元の不明なアプリケーションのインストールはしない。Jailbreakやroot化を行わない。信頼できないWi-Fiアクセスポイントには接続しない。そしてOSのアップデートは必ず行うことだという。そして、自分のもつモバイル端末がPC以上に安全だと過信しないようにすることと強調した。

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