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怒りをいなす日本一の接客スキルを堪能!ドコモショップの応対コンテストに潜入

2012年02月23日 18時30分更新

 2月22日に東京ビッグサイトで開催したドコモショップのスタッフがお客さんへの応対スキルを競うコンテスト、“ドコモショップスタッフ応対コンテスト マイスター・オブ・ザ・イヤー2011”の全国大会。全国各地の地区大会を勝ち抜いた9名の出場者が繰り広げた“熱戦”を取材してきました!

怒りをいなす日本一の接客スキルを堪能! ドコモショップの応対コンテストに潜入

 このコンテストでは、各出場者が会場のステージ上に設置された“疑似ドコモショップ”の店内で、設定に沿った行動をする“疑似客”を相手に応対を行ないます。制限時間は15分。お客さんをカウンターに誘導するところから最後の見送りまでが審査の対象となります。15分って、お客さんの要望を聞いたり端末の不具合の有無を調べたり、製品の機能説明をするには短いような気がしますよね。

 しかし、お客さんの立場から言えば、週末などはカウンターにたどり着くまでの待ち時間も加算されるし、ドコモショップでそれほど長い時間を過ごすわけにはいかないもの。そう考えると、ほどよい時間設定なのかとも思います。

 審査員は、出場者の挨拶や説明のわかりやすさ、知識の正確さ、コミュニケーションにおける好感度など、全部で12の項目をチェックしながら審査します。“疑似客”の設定は4種類。出場者はそのうち、1種類のお客さんへの応対を行ないます。設定の内容は以下の通りです。

●設定1
現在、ドコモのスマホを使用中。機種変更をXi対応スマホにするか、ソフトバンクのiPhone4Sにするかで迷っている。

●設定2
Xi対応スマホに機種変更したものの、あまり活用できていない気がするため、使い方を教えてほしい。

●設定3
使用中のドコモのスマホで、原因不明の再起動がたびたび起こり、その頻度が上がってきたため1週間前に一度来店。そのときは「異常なし」と診断されたが、まだ同様の症状があるため再度来店した。

●設定4
以前に使っていたフィーチャーフォンと比べ、使用中のドコモのスマホはバッテリーのもちが悪いという不満を抱える。また、通話が途切れがちなことにも不満。

 こちらの設定もリアルですね。明らかにハナから不機嫌であろうことが予想できるお客さんもいますし、フワフワとしたイメージを抱えているだけのお客さんもいます。

 また出場者は、上記の4種類の設定の内容は事前に知らされていますが、どの設定の“疑似客”が自分に当たるかは出番の直前、20分前まで知らされません。度を超した理不尽さをぶつけてくるお客さん(クレーマー?)はいませんが、かなりの“難題”に挑戦しなければいけないのは間違いありません。

 会場には、審査員や来賓、各出場者の同僚や家族など、700人近く詰めかけて熱気ムンムン。各出場者の出番ごとに、地域やショップの個性を発揮した応援合戦も行なわれます。しかし、出場者の応対が始まると全員が固唾をのんで見守り、会場は一気に緊張感に包まれます。

四国代表/ゆめタウン高松店の小松佳奈さん
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応対した“疑似客”は設定2。トップバッターのプレッシャーからか緊張気味でしたが、説明中の手の動きが大きいのが印象的でした。
九州代表/行橋駅前店の岩田美紀さん
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“疑似客”は設定4。不機嫌でぶっきらぼうなお客さんに戸惑うものの冷静に対応し、最後にはほぼ味方につけていました。
東海代表/白子店の十市早織さん
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“疑似客”は設定1。パネルを利用した説明がわかりやすく、お客さんとの距離感が絶妙でした。
関西代表/北大路烏丸店の東郷和さん
怒りをいなす日本一の接客スキルを堪能! ドコモショップの応対コンテストに潜入
“疑似客”は設定3。いきなりキレ気味のお客さんですが、謝るだけでなく、ひとつひとつの問題を丁寧に説明することでうまく応対していました。

 まず驚いたのは、“疑似客”の演技力。まあ、この部分にリアリティーがないと応対のレベルを測れないので当然なのですが、聞けばお客さんを演じたのは4人のうち2人はドコモ・ビジネスネットという会社のスタッフだそう。ふだんは社員研修などの業務を専門に行なっている方々とのことで、なるほど、それで慣れているんですね。ガッテン。

 もちろん、出場者の応対レベルも抜群に高い。チェック項目を念頭に置いて見ていましたが、正直、みなさんそれぞれの地区大会を勝ち抜いてきた精鋭だけあり、素人目には甲乙つけがたい印象でした。

“疑似客”を演じた4人もプロ
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お客さんを演じた4名のスタッフのうち2人はドコモ・ビジネスネット所属。本職の俳優さんかと思うほどの迫真の演技でした。
中国代表/鳥取正蓮寺店の中石勇大さん
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唯一の男性出場者で“疑似客”は設定1。爽やかかつノリのよい応対っぷりで、会場を沸かせていました。
北海道代表/月寒店の丸山理沙さん
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“疑似客”は設定4。落ち着いた声が好印象。自分の例を会話にうまく織り交ぜて、お客さんをうまく引き込んでいました。
関東・甲信越代表/竹の塚店の山口知美さん
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“疑似客”は設定2。全体を通して説明にほとんどよどみがなく、ナチュラルな笑顔が印象に残りました。
東北代表/八戸南類家店の畑山直恵さん
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“疑似客”は設定3。最初からキレ気味のお客さんになかなか笑顔は出せませんが、しっかりと話を聞く誠実な応対が光りました。
北陸代表/二の宮店の前田由香利さん
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“疑似客”は設定1。お客さんの趣味の話題を詳しく聞き出しながら、それをドコモ製品のストロングポイントに結びつける手際が鮮やかでした。

 というわけで、当初は「9人ぶんの応対を見続けるのはキツいかも……」なんて思っていましたが、結果的には約4時間半にもわたった長丁場も最後まで楽しめました。お客さんのキャラクターが毎回変わるせいもありますが、出場者のスタイルにそれぞれちゃんと個性があり、気が付くと心の中で「がんばれー!」と応援しておりました。

 以下、ライター加藤がすべて見届けた上で気付いたポイントです。

●出場者は、制限時間を気にしつつも「ここまでは絶対に言いたい!」という自分で設定したゴールまでは粘る(ほぼ全員の出場者が制限時間をオーバー)。

●応対中に“なれなれしさ”と“丁寧さ”の両方を機を見て使い分けられると、自然な心地良さが生まれてくる。

●相づちをうまく入れると、それだけで話の主導権を握ることができる。これはどんなビジネスの場にも流用できるテクかも。

●お客さんの帰り際に「最後にひとつだけ……」と断わってなにかを提案するのは、ドコモショップでの応対のお約束?

 さて、大会は懇親会を経て表彰式に突入。グランプリと準グランプリの発表&表彰に移ります。

ついに表彰式
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 ここでサプライズ。当初、1名のみの予定だった準グランプリが2名となることが発表されたのです。会場がざわめくなか、準グランプリとして名前が読み上げられたのは、九州代表の岩田美紀さん(ドコモショップ 行橋駅前店)と東海代表の十市早織さん(ドコモショップ 白子店)!

 岩田さんは「最後にちょっと早口になりましたが、やりきれた感はありました」と、十市さんは「事前にイメージしていた応対のポイントが全部外れて焦りましたが、とにかく楽しい空間を作り出すことを心がけました」とコメント。

準グランプリは2名が受賞
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 そして、いよいよクライマックス! 全国に3万3152名(2012年1月末現在)いるドコモショップスタッフの頂点、栄えあるグランプリの名誉を勝ち取ったのは東北代表の畑山直恵さん(ドコモショップ 八戸南類家店)!

グランプリに輝いたのは東北代表!
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 畑山さんは「想定していた応対のパターンがことごとく外れ、応対している途中に頭が真っ白になりました。けれど、いろんな人に助けられながら積んできた練習の成果が身体に染みついていたので、なんとか立て直すことができました」とコメント。なんだか、一流アスリートの境地に通ずるものがある気がします。いきなり怒りをぶつけてくるお客さんに対してまず聞き役に回り、反応を見ながら自分からの提案につながるポイントを探し出し、徐々に自分のペースにもっていく流れは本当に見事でした。

 考えてみれば、ほとんどのユーザーにとっていちばん身近な“ドコモの人”は、ドコモショップのスタッフです。したがって、この人たちの応対の印象は企業のイメージに直結します。このコンテストは毎年行なっているそうで、ユーザーの満足度をアップさせるべく、互いに切磋琢磨しながら一丸となるドコモの全社的な方向性が垣間見られました。

怒りをいなす日本一の接客スキルを堪能! ドコモショップの応対コンテストに潜入

 ドコモのスマホを購入検討中の人は、青森まで足を伸ばして“全国ナンバー1”の応対を受けるのもアリかもしれません。それがムリなら、最寄りの“ファイナリストのいるドコモショップ”に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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