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夢枕獏氏の最新小説『秘帖・源氏物語 翁ーOKINA』を電子書籍・単行本・文庫で12月2日同時発売! 

2011年12月01日 13時00分更新

 角川書店は12月2日(金)、夢枕獏氏の最新小説『秘帖・源氏物語 翁ーOKINA』を電子書籍、単行本、文庫の3形態で同時発売。電子書籍版は『BOOK☆WALKER』で購入でき、話題の『ニコニコ静画(電子書籍)』上でコメントを付けながら読むことが可能だ。

翁-OKINA
↑電子書籍版を手にする夢枕獏氏(左)、単行本を手にする角川書店取締役会長・角川歴彦氏(右)。

 夢枕獏氏にとって初の電子書籍版で、角川書店としても3形態同時発売は初めての試みとなる。

■3形態同時発売について

夢枕獏氏
 「ボクのほうは“今だからやる意味があるんではないか”と思っています。

 電子書籍とどう関わっていったらいいのか、数年間考えてきたことだったんですが、今回踏み切らせていただいたのは、“ここでやらないと、見えるものが見えない。やることによって何か見えてくるだろう”と。考えすぎる時期はもう過ぎたかなと。

 これをとっかかりにして、新しい地平が見えてくるであろうことを、私自身も期待しております。」

翁-OKINA
↑金の文字に紫をあしらった格調高いハードカバー単行本は1575円。文庫は620円、電子書籍版は609円。

■ニコニコ電子書籍について

夢枕獏氏 「楽しそうな、でも怖いようなところもありますね。編集者がアカを入れるように“ここはこういう文章にしたほうがいいよ”っていうことを書かれるのかなっていうような(笑)。

 今まで我々は本を書いて、基本はファンレターとか何かいただかないと、自分の本がどのように読まれたのかっていうのはわからないんですよ。これはあの直接読者の感想が見られるということで、楽しみにしています。

……腹が立つこともいっぱい書かれるんじゃないかということは(笑)、それはもうね、表現しているものとして覚悟しております。」

翁-OKINA
↑ニコニコの電子書籍ビューワーで『秘帖・源氏物語 翁ーOKINA』を表示させた場合のデモ画面。

角川歴彦氏 「ソーシャルリーディングという世界は、コメントを載せるということで、新しい作家と読者との接点が生まれます。コメントをくれる人は(場を)盛り上げるパーティー感覚なんですね。ほかの人はどんなふうに思っているんだろうかと、それが交流ができるということは、読者の大きな感動を伝えるチャンスだと思うんです。

 もともと本というのは、みんなが集まってきて読み聞かせて、感動を伝えてきたはずの世界ですから、それがネットを通して、改めて本が生まれてきた世界に戻ることが可能になったということで、私はソーシャルリーディングを推進していきたいと思っております。」

翁-OKINA

『秘帖・源氏物語 翁ーOKINA』という作品について

夢枕獏氏 「これは『源氏物語』の光源氏を主人公にした物語です。

 角川会長にお話をいただいたときに、ボクは正直に、“読んだことないんですけど”と言わせていただきました。すると、読んでなくてもいいんです、と。源氏物語というのはみんな恋愛小説だと思っているかもしれないが、これは実は“モノ”、物の怪とか化け物とか……、たとえば日本のいろいろな考え方でいいますと、すべての物体、すべての物体に“モノ”が宿ると言われております。ですから鬼も“モノ”ですし、神も“モノ”なんですね。その“モノ”のお話です、と言われまして、ああ、それならば自分の手の出せる範囲に源氏物語があるのかな、と。

 たとえば、葵の上に六条御息所の怨霊が取り憑くシーンがあるんですけれど、ここをやろう! と決心したんですね。これは賀茂の祭のときの車争いを発端にしてこういうことになるんですけれども、そのときに変な“モノ”が取り憑いて、取り憑いたものがなぞなぞを出す、と。

“地下の迷宮で獣の首をした王が黄金の杯で黄金の酒を飲みながら泣いている”と。これなーんだ? と出すんですね。これの謎をとくために古代史の旅をする、という話にしました。」

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夢枕獏氏 「それを思いついてからは、楽しくて、楽しくてですね。根本的なアイデアをどなたかからいただいて書く、というのは初めての経験でして、職人魂が刺激されるといいますか、『源氏物語』という、ハードルが無理なものほど燃えるといいますか、どうやってもつくってやろう! と、今まで刺激されたことがない部分が刺激され、非常に昂揚しながら今回の原稿は1年で書き上げました。

 10年、20年やっているものもあるんですけれども、こんなにスピード感あふれて書いたのは本当に久しぶりのことでした。できもかなりいいです。本当に自信をもってみなさんにオススメできるものになったと思っています。」


角川歴彦氏 「本当に傑作でした。ぜひ、みなさんにも読んでいただきたい。実は紫式部と安倍晴明が同じ時代に生きていたということを、私は私なりに発見して、これは映画化できると。映画『陰陽師』も出資しておりましたので、ここは夢枕先生に書いていただこうと思いついたんです。最後は泣けます。とっててもいい話になっております。どうか皆様に読んでいただきたいと思っております。」

翁-OKINA

■関連情報
『BOOK☆WALKER』
映画『源氏物語~千年の謎~』(12月10日(土)から全国公開)

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