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国産最高峰スペック端末『ARROWS Z ISW11F』は本田雅一の愛機となるか?

2011年09月26日 23時46分更新

 さて、モトローラとHTC。海外のハイエンドWiMAXスマホ2機種を使い倒して挑んだKDDIの記者会見。最初から“WiMAX搭載スマホ選び”しか眼中になかった私の目的はただひとつ。国産最高峰スペックと噂される富士通のARROWSブランドISW11Fの具合を確かめることが最大の目的だった。

 なにしろ全部入り。個人的には興味がないのだけど、必要な人には必要な赤外線とワンセグも入っている。そして、一番重要なのがモバイルFeliCa。私的に必要なガラスマスペックは、このモバイルFeliCaぐらいでしょうか。

 でも、きっとワンセグを見ることができたら便利なこともあるよね、ということで、すでに米国にて発売後で、完成度を高めている海外勢を評価しつつも、国産の富士通にも期待をかけていたわけです。なにしろ新しいビジネスブランド“ARROWS”を定着させよう、立ち上げようというのですから、きっと気合いが入っているはず。

国産最高峰スペック端末『ARROWS Z ISW11F』は本田雅一の愛機となるか?
↑ISW11Fはドコモから発売される『ARROWS Tab LTE F-01D』に続くARROWSブランド2号機。スマートフォンとしては初めての端末であり、同ブランド普及の鍵を握る。

 ということで、今回配布されたカタログの中で、もっともコストがかかっていそうなARROWSのパンフレットを片手にハンズオンへ。混み合ってなかなか使えないうちに、いくつか説明員に気になるポイントを伺った。要点を箇条書きにしよう。

・HTC、モトローラの高速起動に感動したので、富士通も今回は? と訊ねると、通常どおりの起動プロセス(なのでアプリケーションパッケージの再インストールも行なわれるようだ。この質問には“わからない”とのことだったけど、特殊なことはしてないということ)。最終的にどのぐらいのコールドブート時間になるかはわからないけれど、高速起動は「次まで待ってね」とのことでした。

・アプリケーションプロセッサーはテキサス・インスツルメント(TI)のOMAP4。口頭で訊ねたところによるとOMAP4430なので第1世代のものだ。描画性能は1280×720ピクセルの液晶に対して必要十分。加えて動画処理用プロセッサーを内蔵しているため、動画再生が得意ですよとのこと。

・インターナルメモリーは8GB。現在、鋭意開発中でアプリケーションエリアの空き容量は決定していないけれど、パーティションを分けることでアプリケーション領域に2Gバイト以上の容量を作る予定とか。必要以上。使い切ることはなさそうだ。データ領域用には、別途MicroSDカードスロットが用意されている(おまけの2GBカードが付属)。

・ロンチャーソフトは、Andorid標準と富士通のオリジナル、それにauの共通ロンチャーの3種類を切り替えることができる。

・CDMA2000部分のデータ通信がWIN HIGH SPEEDに対応している。

 と、こうして話をしていると、ハンズオンの順番が回ってきた。

 実はISW11Fは、やっと最近、見せられる程度に動き始めたばかりとのこと。OSのベースバージョンも、ファイナルの製品として出荷するよりひとつ前のものだ。

 このような状況だけに、残念ながらインプレッションと言えるほどの評価はまだできそうにない。たとえばタッチ操作に対する追従性に関しては、最終的にはよくなるのだろうけど、まだほかのAndroid機に対してアドバンテージがあるとまでは言えない。このあたりは、ソフトウェアの今後の作り込みに依存しそうだ。

 しかし、一目でわかることがある。それは液晶の美しさと薄さだ。そして持ち上げてみれば、圧倒的な軽さに驚く。なにしろEVO 3Dに対しては40グラムも軽いのだから、これは胸ポケットに入れただけですぐに差がわかる程度の違いだ。

国産最高峰スペック端末『ARROWS Z ISW11F』は本田雅一の愛機となるか?
↑この端末の約4.3インチTFT液晶ディスプレーはHD解像度(1280×720ドット)。今回のau秋冬モデル最高峰の解像度を実現している。

 ただし、軽量ではあるが電池も小さい。1460mAhという数値は、EVO 3Dの1750mAhであってもWiMAXオンのまま使うには十分ではないかな? と思うぐらいなので、最終的にどこまで保たせることができるのか、やや疑問に感じている。

 薄く軽量でスタイリッシュ。しかも防水で720P解像度の全部入りガラスマ。こんなスペックの本機に、スペック面で唯一の死角があるとするなら、それはバッテリー持続時間だ。

国産最高峰スペック端末『ARROWS Z ISW11F』は本田雅一の愛機となるか?
↑ハイエンド機で1460mAhという容量は少々心許ない。テザリングを利用するなら補助バッテリーは必須だ。

 しかし、“私個人”はこう考えることにした。テザリング前提ならば、補助バッテリーは必須の存在。ならば、20%ちょいの容量差を気にするよりも、機能やスタイリッシュさで選んでもいいんじゃない? ってこと。もちろん、テザリングなしでスマホだけの使い方ならば、ギリギリバッテリが保つかどうか心配、なんて使い方はしたくないだろうし、そもそも補助バッテリーも持ち歩きたくないかもしれない。

 なんてことを考えていると、バッテリー容量に残念な気持ちだったのだけど、こいつと共にしばらく過ごすのも悪くない? と思えてきた。ひとまず、もう少し完成度が上がってきた頃に、もう一度評価してみたい端末だ。

 ところで、少し気になったのがドロワーに仕込まれたクイック設定。ここでWiMAXやWiFiのオン/オフができるんだけど、なんとテザリングのオン/オフアイコンがないのだ(なぜか3Gのデータ通信オン/オフはある)。ということで、現場でぜひとも3Gデータ通信の代わりにテザリングオン/オフにしてよ、とリクエスト。

国産最高峰スペック端末『ARROWS Z ISW11F』は本田雅一の愛機となるか?
↑WIMAXスマホであるのになんとテザリングのオン/オフアイコンがクイック設定に用意されていない。製品版でぜひとも仕様変更してもらいたい点だ。

 まだ発売までには2ヵ月ある。よいユーザーインターフェースで市場に投入されることを願いたい。

ARROWS Z ISW11F 

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