6月8日にヤマハより『VOCALOID3』が発表されました。今回は楽曲制作ソフトウェア(『VOCALOID3 Editor』)と音声ライブラリ(歌手の声のデータ)を分離して提供という思い切った試みをしています。この方法によりソフト制作者は基本となるソフトを共通で使用でき、音声ライブラリのみ追加していく形態になります。『VOCALOID3 Editor』はヤマハの直販サイト『VOCALOID Store』内で販売し、音声ライブラリは各社ライセンス契約しているメーカーから発売予定。価格は『VOCALOID3 Editor』が1万円前後を予定、音声ライブラリは価格未定。発売は9月末頃を予定とのことです。
一体どこが変わったの? ということですが、もう全然違います! まずはインターフェース。以前はピアノロールスタイプのエディター画面でしたが、今回からは“DAW”を彷彿させるトラックビュー画面を採用。また、オーディオファイルの再生機能も追加され、データをドラック・アンド・ドロップするだけで再生可能に。また、音声自体にもリバーブなどのエフェクトがかけられるようになり、今までのように一度ファイルを書き出して、他の編集ソフトに読み込んで云々……という作業が実質なくなりました。これ、本当に便利なんですよ!!! 音声だけつくって編集で挫折という人に朗報です。
発表会で『VCALOID3』を使用し、制作した楽曲が流れましたが、表現力が相当上がっており、よりリアルに力強い歌声が聴こえました。“らりるれろ”や“はひふへほ”の子音部分のつなぎがなめらかになり、より自然な歌声が実現されていました。音程変化で、あるピッチ方向にもっていったときの切り替えがなめらかになったとともに、母音から子音を経て次の母音へという大きな単位での合成が可能に。ぎこちなさなども解消され言葉のつながりがなめらかになります。
そして日本語、英語以外にも中国語、スペイン語、韓国語にも対応。今年7月に韓国でデビューするK-POPグループ『GLAM』のメンバーキム・ダヒーさんも会場に駆けつけ華をそえてくれました!(写真中央)K-POP界の大物プロデューサーHitman Bangを迎えたデモソング『I-fantasy』が流れましたが、K-POPとVOCALOIDの相性の良さも確認できました。というか、クオリティー高すぎです!! K-POP特有のトランス感溢れるシンセ音とVOCALOIDの歌声が見事に融合してました。
また、合成API(ライセンス契約が必要)ならびにプラグインの仕様も公開も発表。VOCALOID文化がより広がる予感がっ!9月が相当待ち遠しいです。
今回の発表では、『自主制作コンテンツ出版管理機構(VOCALOID MUSIC PUBLISHING)』の設立も報告。VOCALOIDを使用した作品の権利関係の講習会などの助成会、ならびにレーベル機能、そして作品の管理形態のサポートなどを行なうとのこと。楽曲制作はしたけれど、その先どうしたらいいのか?を解消、サポートしてくれます。
後半は秋葉原で行なわれたパーティーの様子をお伝えします!!
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