日本ではAndroid向けに“モバイルSuica”のサービス提供の開始が発表されたばかりだが、グーグルは米国でAndroid向け決済サービス“Google Wallet”を夏に開始すると発表した。夏に開始されるサービスは、NFCチップ搭載のAndroid端末で使用でき、現状は『Nexus S 4G』のみ搭載する。支払いは、米国で普及している、マスターカードの非接触決済サービス“PayPass”が利用できる“Citi MasterCard”と、グーグルが提供する“Google Prepaid”の2つ。
グーグルは今後発売されるAndroid端末については、NFCチップを搭載するとしている。“Google Wallet”自体オープンな規格のため、対応端末も決済サービスも徐々に増えていきそうだ。
また“Google Wallet”は、同時に発表されたクーポン機能などを提供する“Google Offers”のベータサービスと連携する。いずれは、飛行機の搭乗などにも使用できるようにしたいとしている。ちなみに日本で普及している“FeliCa”とNFCは、“現状”互換性はない。
【参考リンク】
Google Offers
Google, Citi, MasterCard, First Data and Sprint Team up to Make Your Phone Your Wallet
気になる日本での対応だが、“PayPass”の決済サービスは国内では横浜桜木町のコレットマーレや、千葉・舞浜にある商業施設で使用可能。日本でPayPassを取り扱うオリエントコーポレーションによると、米国で“Google Wallet”に契約し、NFC搭載のAndroid端末を利用すれば、技術的には決済可能だろうとのこと。
ドコモは、2月にバルセロナで行なわれたMWCで“FeliCa”と“NFC”を統合していくと発表しているが、国内で対応端末がない現状では、新端末などの状況をみつつ検討する段階とのこと。KDDIとソフトバンクはすでに、マスターカードのPayPssを利用したモバイルNFCサービスの実証実験を行なっており、SIM内に格納したNFCチップでの決済を国内の商業施設で実験している。いずれも、“Google Wallet”のサービス対応を表明しているわけではない。巨人の参入に消費者目線では……日本ではFeliCaがすでに浸透しているだけに決済サービスが複雑になってほしくないと、国際標準から外れて進んでほしくないという複雑な気持ちが入り交じります。
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