4月25日、日本マイクロソフトはTech Fieldersセミナー東京において、4月12~15日に米国・ラスベガスで開催された開発者向けイベント『MIX11』の報告会を行なった。
そのなかで、今年後半にも登場すると言われているWindowsPhone7の新バージョン『Mango』について重点的に語った。
↑MIX11報告会には多くのデベロッパーが詰めかけた。 |
WindowsPhone7は昨年10月に米国やシンガポールなどで発売を開始。すでにHTC、LGエレクトロニクス、サムスンなどが端末を投入している。今年3月には、コピー・アンド・ペーストに対応するアップデートを実施。「このアップデートでマイクロソフトとして大きな経験を得ることができた。今年後半のMangoへのアップデートも自信を持って対応できると思う」(日本マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 UX&クライアントプラットフォーム推進部 高橋忍アーキテクチャーエバンジェリスト)という。
↑HTC、LGエレクトロニクス、サムスンのWindowsPhone7端末。 |
↑HTCのWindowsPhone7端末。アプリや機能のランチャーとなる『タイル』UIが最大の特徴だ。 |
↑日本マイクロソフトの高橋忍氏。「WindowsPhone7の端末はタスクスイッチングの機構などによりバッテリーのもちがよく、UIのフレームレートが高いため表示が滑らか」とも説明した。 |
今年後半に予定されているアップデートのなかで最も注目したいのが多言語対応だ。日中韓を含めた16言語が新たにサポートされる。「あくまでプロトタイプ」としながらも、日本語で月日や曜日などを表示させたWP7の画面などが公開された。 また、アプリを登録できる国が30ヵ国から38ヵ国に追加され、アプリを購入できる国も現在の16ヵ国から一気に35ヵ国まで拡大する。
↑WindowsPhone7の次期バージョン『Mango』のUI(プロトタイプ)。 |
4月25日現在、WP7向けに提供されているアプリの数は世界で1万4801にもなるという。1日に154アプリが追加され、300を超えるアプリがアップデートを実施している。「アプリの増え方はほかのスマートフォンのプラットフォームと比べても速いペース」(高橋氏)とのことだ。
↑WindowsPhone7用アプリの数は、3月以降加速して増えている。 |
また機能面においては、“タスクスイッチング”が可能になり、タスク切り替えのユーザーインターフェースがわかりやすくなった。具体的には、クリアボタンを長押しするとほかのアプリを選択できる。
↑タスクスイッチングの画面。ほかのアプリ一覧が表示される。 |
ウェブブラウザーはIE7ベースからIE9ベースに進化。HTML5をそのまま表現でき、GPUのアクセラレーションにより、高速な描画を実現する。動画はZuneプレーヤーで再生され、ソースに合わせて最適化された状態で再生できるようになった。
↑HTML5ページの読み込み速度比較。左からiPhone4、HTCのWindowsPhone7端末、Android 2.3搭載のNEXUS S。WindowsPhone7端末の読み込みが終わり文章が現われても、iPhone4とNEXUS Sはまだ読み込みが終わらない。 |
ほかにもセンサー関連が強化され、あらたにジャイロを追加。このジャイロを利用して、カメラの映像入力に対しての処理が行えるように進化した。これにより、いままで実現できなかったARのようなアプリも提供可能となっている。
↑電子コンパスやジャイロセンサーを利用したTwitterアプリの例。内蔵カメラで周囲を撮影すると、そこにいる人のつぶやきが表示される。 |
開発環境はWP7からはXNAとSilverlightになっている。これらを組み合わせたユーザーインターフェイスもサポートされるなど、デザイン性の高い操作性を実現した。
WP7に関しては日本での情報はまだ少ない。しかし、端末を触った人のほとんどが高く評価するユーザーインターフェースに仕上がっている。日本でのWP7スマートフォンの登場は、キャリアの調達次第ということになりそうだが、年内中には何らかの新製品がお目見えする可能性は十分にありそうだ。
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